■北海道キノコ遠征2019(2日目)
[21:34 2020/02/09]
□Update...[Kinoko]更新

オフレポ2日目突入。こっからが本番よ。

06:00。

起床しました。睡眠時間は6時間ほどですが良い目覚めです。 明らかに昨日よりは体調が回復しています。そらあんだけ寝心地良かったらねぇ。 ベッドも枕も自分に非常に合っておりました。枕って合わないと寝られないよね。 ただまだ体調は万全ではなく、何かモヤモヤした感覚は残っています。 ムリをしないようにしましょう。

まぁ。

無理でしたけど。

7時半近くにSkypeに木下さんからの呼びかけが。そろそろ出かけましょうかね? 山用装備をレンタカーに積み込んで皆を拾いに行きます。 荷物を置きっぱなしにできるのはホゥテルの強みですね。 まずは一番近くのホテルに泊まっている木下さん。そして少し走って残りの3名を拾います。 目指すは地元愛好会の主催する観察会の会場です。



08:45。

と言うワケで到着したのはS山の研修会。札幌キノコの会様の面々に混ざらせて頂きました。 遠方からお邪魔します!到着した段階ですでに採取された標本が並べられていました。 自己紹介の後に諸注意を聞いた後、早速森の中に入ります。

ここでいきなり北海道のキャパの大きさを知ることに。



ウソやろ・・・これアオノキノコヤドリタケじゃねーか! 森に入ってわずか数分で出会って良いキノコじゃねーだろ! ベニタケ科菌に寄生するHypomyces属菌、例えるなら「タケリタケキンのベニタケ版(緑)」と言う存在。 しかしネットで検索すると分かるように国内の発見例が極めて少ないレア菌寄生菌です。 ここで大興奮していたのがアメさん。何せ彼、まさにHypomyces属菌を研究課題にしていたのです。 凄まじいテンションかましてました。いや、ここで満足しちゃダメだよ。

ここでややササ混じりの環境に。キノコは少し乏しくなるかな?



そうでもなかった。林道を歩いていて何度も見かけ気になった大型のチャワンタケ。 Pezizaだってのは何となく分かりましたが、後にキゾメチャワンタケだと教えて頂きました。 変色性までは現地で確認しなかったなぁ、知らなかったし。 ただ帰宅後に顕微鏡観察していて黄色い汁が出るのは確認できました。 調べてみるとコレも北海道以南ではあまり見られない種だったようです。すげぇな北海道。



コチラはコウヤクタケの仲間の表面に発生したヒポミケス属菌。 顕微鏡観察できないのでタコウキンヤドリタケかカワラタケキセイキンかは分かりませんでした。



地元でもクロノボリリュウは見ていますが、大きさが段違いです。 大きさもですが色がやたらと濃いんですよね。比較的白っぽいハズの柄まで黒いです。 ちょうど良い写真が無かったので今回の写真図鑑ページのTOPを飾らせて頂きました。 でも見慣れてて顕微鏡観察してないな。地元で見たら今度はしっかり観察してみよう。

この辺からまた良い感じの針葉広葉混合林になってきました。 地下生菌も期待できそうなので地面に集中します。



ここで見慣れないチチタケの仲間を発見。いや、今はカラハツタケの仲間と言うべきか? 紫色に変色するのでてっきりウズタケだと思いましたが、傘に環紋がありません。 トビチャチチタケも疑いましたが、乳液が変です。そう言えば前日に頂いた会報に載ってたぞ? 調べてみた結果どうやらススケチチタケと呼ばれる種だそうです。 このフィールドでもウズハツと混同されいて、サク・・・あ、場所がバレる。 これこそ採取してしっかり顕微鏡観察したかったなぁと今更ながら後悔。

とここでガガさんが地下生菌発見と聞き、皆集まります。



これは図鑑で知ってるぞ?Stephanospora属菌だ!遠征初の地下生菌ですね。 ガガさんは地元で見ている属だそうですが、自分は初見だったので感動しました。 背着生型のキノコから進化した地下生菌で、胞子が興味深い形状をしているのが属名の由来です。 非常に派手な色合いなので目に入りやすく、熊手で地面を掻くとコロコロと出て来ました。

Stephanosporaに感動していると、そのすぐ近くで奇妙なものを発見。 予想外の出会いに一瞬思考が飛びましたが、すぐに正気を取り戻しました。



これエニワセミタケだ!今度は遠征初の冬虫夏草だ!自力発見できた! その名の通り北海道の恵庭市で見付かったのが和名の由来。 本州や八丈島でも発見されていますが、なぜかテレオモルフが北海道でしか見付かりません。 今回は未熟でしたが、アナモルフなら追培養で何とかなりそうですね。 てか今思うと八丈島で見たヤクシマセミタケの奇形と間違えたのが恥ずかしいくらい形状が違いますね。

とここで問題が。この段階で10:00。10:30には集合場所に戻らないといけません。 時間無いじゃん!周囲で他のメンバーが色々と探している間に綺麗に掘り取らなくては・・・。 ここでもまたガガさんがファインプレーで朽木生の冬虫夏草を見付けた模様。 しかし時間が無いので我慢して掘り採りに集中します。



成功しました!太い木の根に囲まれていて無理だと思いましたが、何とかなりましたね。 しかし想像していたより大きくて入るケースがありません。 すると木下さんがケースに使用していると言う眼鏡ケースを貸して下さいました。ありがとうございます! ちなみにこのケースに入ったまま帰宅して追培養成功まで行きました。眼鏡ケースすげぇ。 ちゃんと次回お会いした際にお返ししましたよ!

ここで時間切れ。集合場所に戻ります。



帰り際にガガさん発見の冬虫夏草を見せて頂きました。クチキカノツノタケですね。 帰宅後にガガさんが胞子観察した結果ハッキリしました。



てことで無事帰ってきました。自分はエニワセミタケに時間取られてちょっと物足りなかったかな? でも他の方の収穫は見ての通りこの状態。これでも不作だと言うのだから恐ろしいものです。 地元観察会では絶対にブルーシートに並ばないであろうキノコばかりで脳が処理し切れない感じ。 驚いたのが駐車場脇にアオノキノコヤドリタケが生えてました。どんな場所だよ! 色んな方とお話しできて本当に嬉しかったです。

実はこの時、エニワセミタケの完全世代が別のフィールドで見付かっていたことを参加者の方に伺いました。 写真も見せて頂きましたが、間違い無くエニワの完全世代でした。 今年は4個体ほど発見されたとのこと。うわぁああああ見てみたかったなぁー!

11:00。

こうして無事午前の部が終了。ここからは移動して日本地下生菌研究会の調査に参加します。 ゆっくりご飯を食べている時間は無いので、道中で買って食べないといけません。 ですがココは北海道です。やっぱあそこに寄らないとダメですよね?



そう・・・。

セイコーマート!!!

「最強コンビニ」と名高いセコマ、今回の旅で絶対に寄りたいと思っていました。 マジでやきそば弁当いっぱい売ってるんですね、しかも色んな味が。 言わずもがな美味しかったです。スナック系も充実していて、マジ地元に欲しいですね。 道民ウラヤマシス。

13:00。

N公園に到着すると見覚えのある方が沢山。 いつもお世話になっておりますO先生K.Y氏O前氏あまんちゃ氏まで。 今回の北海道遠征が無ければ絶対に参加できない距離なので、北海道でお会いするのが不思議な感じ。 個人的に嬉しかったのは以前からtwitterで相互フォローだったତ.Fungi.ତ氏にお会いできたこと。 以前から北海道在住であることは知っていましたが、初めましてです! その他にも多くの参加者さんが集まっていました。

今回は調査が主眼ですので、3班に分かれてのフィールドワークとなります。 私は色々とお世話になっておりましたO前さんの班を希望。 木下さんとアメさん、そして地元勢ତ.Fungi.ତさんと同じ班になりました。いざ出発です!

が。

正直不作でした。見付かるのは午前中に見たStephanospora属菌ばかり。 進化元であるLindtneria属菌が見付かる大収穫も撮影し忘れてしまう始末。 O前氏は流石で接合菌類の地下生菌を発見。しかしそれ以外はあまり振るいませんでした。 結果デジカメを取り出す機会が少なく、写真が全然ありませんね。

ここで時間切れです。集合時間に間に合わなさそうなので大急ぎで帰ります。 が、ここで意外な出会いがあったのです。



急いで帰っている最中に見慣れないキノコを発見。何と何とのハンノキイグチです! 今まで何度も地元と言うか本州で探して来ましたが、影すら掴めなかった種です。 まさかこのタイミングで出会うなんて!嬉しすぎる! でも時間が無い!大急ぎで撮影して大急ぎで集合場所に向かいます。

まぁ遅刻だったんですけどね。本当に申し訳御座いませんでした



戻ってみると他の班では変わった収穫もあったようです。写真のは「Jimgerdemannia lactiflua」ですね。 この場所での目的は長年再発見がなされていない黒いツチダンゴでしたが、見付けられなかったのは残念。 でも何だかんだで貴重なキノコに出会うことができたフィールドでした。 何よりもこんな植生の場所が日本にもあるのかってくらい凄い場所でしたね。正直もっとじっくり探したかったです。 参加者の皆様とはココでお別れ、明日は北海道大学で発表会があるので、そこでまたお会いすることになります。 地下生菌研究会の皆様は翌日午前中も別のフィールドを調査するのですが、我々は残念ながら参加できず。 良い収穫を期待しております。皆様、ありがとうございました!

17:00。

さて、夕飯のお時間です。今回の遠征は遠征そのものの目標に「美味しいご飯を食べる」が含まれています。 その中の一つが・・・。

味噌ラーメン。

北海道に来たならやっぱ食べておきたいでしょう。 しかし下調べもあまりしておらず、無計画に走り回ったので「これだ!」と言うお店が見付かりません。 もう日が落ちてしまいました。焦る我々。しかしそこにラーメンの看板が。下調べもしてないけどココにしよう!



と言うことでお邪魔したのは「札幌真麺処 幸村」さん。

まぁ美味しいよね。



美味しくないワケ無いよね!メッチャ美味しかったです。 チャーシュー丼も美味でしたし、青さんが頼んでいた「梅しお」も良い感じ。 全員文句無しの大満足。ごちそうさまでした!

実はこの日、ガガさんからとある提案がありました。 当初は3日目午前はニセコ周辺を探索し、午後から日本地下生菌研究会の発表に参加、 そしてこの旅最大のターゲットを北海道を去る4日目の午前に案内して頂くと言う予定でした。 しかし天気予報を見るに4日目の午前は台風の影響もあって雨天。 そこで案内して下さるH氏にお願いし、メインターゲット案内を3日目午前に変更、 4日目の午前はゆっくりすると言うBプランに変更しようと言うのです。 先のことは分かりませんが、元老院全員同意で可決されれました。

後にコレが奇跡を生むこととなるのです。

食事が終わった頃には19時を回っていました。 風邪薬が切れかけていたので帰宅途中にドラッグストアに寄らせてもらって補充しました。 その後順番にメンバーを宿に降ろして自分もホテルに戻って来ました。 と言うかホテルのすぐ近くにセコマがあることを今更知りましたので明日の朝食を買っておきます。 まだ体調が優れないので湯船には漬からずにシャワーにとどめ、夜はひたすらゆっくりしました。 艦これやったり持ち込んだキノコの本を読んだり、自然と眠くなるのを待って就寝。

オヤスミナサイ・・・。


ハイ、今回は1日目とはうって変わって凄くオフレポっぽいオフレポとなりました。やったぜ! 午後の部はカメラ出すのが面倒でサボってしまったのが悔やまれます。バカなことしたなぁ。 味噌ラーメンは本当に美味しかった。偶然とは言え素晴らしいお店に出会えたと思います。

次回、「北海道キノコ遠征2019(3日目)」に続く。 もう言うまでもないですが、また更新に時間かかります。今回は絵も描かないとダメなのでね。 しかも写真掲載が気合い入れちゃうヤツなので、頑張らないといけません。



何も無いと寂しいのでAtlanta嬢のラクガキで。仕上げるかは未定。


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