★Amanita caesareoides (タマゴタケ)

■ 2015年09月05日 撮影

一緒に登ったお二人も見付けた時は一緒に大絶叫した超巨大な子実体です。 立派すぎて引っこ抜くのが勿体無く、放置しました。胞子飛ばしてね〜♪ 富士の亜高山帯で発見しました。今思うと幼少期に見た覚えが有ったり。 幼稚園児の頃でしょうか?今でも微かに記憶の片隅に残っています。 海外で「帝王のキノコ」とも呼ばれるセイヨウタマゴタケに近縁な種です。 柄のだんだら模様に大きな個体差が有りますが、全て同種とされています。

長らくタマゴタケの学名は海外種の「A.hemibapha」が当てられていました。 しかしこの種は日本国内には存在しない事が判明し、変更となりました。 ずっと放置していましたが学名一覧が更新されたため思い切って更新です。 本種はつぼの内部が黄色いと言う特徴が有り、判別に役立ちます。

またつばが赤橙色ひだに縁取りがある系統が存在しています。 別種とする説もあるのですが、過去写真を検討すると、ひだへの縁取りが多数確認できました。 フチドリタマゴタケほど外見的に別種と判断できる差では無いと判断し、同種として掲載します。 色の薄い子実体にも縁取りが見られることから、柄やつばからの色移りと今はしておきます。 フチドリタマゴタケのひだの縁取りもつば由来とのことですし。


■ 2015年09月05日 撮影

傘を拡大しました。成菌ではほぼまっ平らに開き、中央がやや盛り上がります。 傘の周囲には条線が有り、色は赤色ですが、成長と共に少しずつ退色します。 注目すべきは溝線の縮尺。見慣れてる人なら異様な大きさと分かるはず。


■ 2015年09月05日 撮影

やっぱり背の高いテングタケ科のキノコは見上げる構図が映えますね。

わざわざ語る必要も無いでしょうが美味な食菌です。恐らく最高峰でしょう。 料理の種類にもよりますが、味も香りも良く、揚げ物、汁物、何にでも合います。 傘も柄も食べられますが、つぼはぬっちょりしてて不快なので取り除きましょう。 ただここは国立公園内、採取して味見できなかったのが残念でなりません・・・。

■ 2008年09月15日 撮影

ブナの倒木の下に出た子実体。これが初発見でしたね。採れませんでしたが。 最初に発見したのが大台ヶ原なので、その後当分手が出せませんでしたから。

■ 2008年09月15日 撮影

成菌です。ササの茂るブナの単生林内に数株距離を開けて発生していました。 猛毒種が多いテングタケ科の中に有って、極めて美味とは不思議なモノです。 低地で見るヤツとは異なり、柄に強烈なだんだら模様が存在しません。


■ 2008年09月15日 撮影

やはり中央部の赤と周辺部の黄色と赤の放射状ストライプは見事ですねぇ。


■ 2008年09月15日 撮影

引っこ抜くワケには行かないので、頑張って湿った地面に這いつくばりましたよ・・・。 裏側です。ひだは黄色。柄に模様は無く、橙色のつばが中程やや上に残ります。 この色合いのせいで毒キノコと思われがち。確かにベニテングタケに似てます。 しかしベニテングは傘は赤いものの、柄もひだも純白。カバノキ属樹下に生えます。 つまり知ってさえいれば間違う事なんて有り得ない、極めて安全な食菌なのです。

■ 2008年09月15日 撮影

何と言う愛らしさ・・・。食べたかったがここはぐっと我慢です。別の場所探そう・・・。 傘は鮮やかな赤色、柄は鮮やかな黄色なのに、つぼだけ白色なのが何か不思議。 言われて気付きましたが、柄に模様を持つタイプとは違いつぼの内側が黄色い

■ 2008年09月15日 撮影

これが和名「卵茸」由来となった幼菌の姿。色はさておき見事なタマゴ型。 幼いキノコには可哀想ですが、これくらいがぶっちゃけ食べ頃ですねぇ。

■ 2009年07月24日 撮影

遠いわ〜!!!この前は道路脇に生えてたので撮影しやすかったんですが・・・。 今回は発生量が少ない上に、道路近くの個体は痛みが激しくて撮影は断念。 仕方無いので三脚を立てて手ブレを入れないようタイマー設定して撮りました。 やっぱり綺麗ですね〜。でもこの姿から「タマゴ」は連想できないなぁ。

■ 2010年07月17日 撮影

この日は毎年道際に出るはずのタマゴタケが全然出てない!大不作でした。 良い裏側が撮れていないので近くで撮影したかったんですが・・・残念です。 諦めて歩みを進めていると、遊歩道の最後辺りで1株だけ手の届く距離に!!! 残念ながら幼菌でひだの撮影はできませんでしたが、嬉しいプレゼントでした。

■ 2013年10月05日 撮影

今までは国立公園内でしか発見できておらず、ずっと採取が叶わなかった本種。 だが今回は堂々と採取可能な富士山!やっとこう言う写真が撮れました! 食べようと思ったんですが、この周囲はシカの糞だらけで断念しましたが。


■ 2013年10月05日 撮影

初!裏返してみました!ひだの黄色と柄のダンダラ模様が良く分かります。 どうも針葉樹林帯の柄に模様の無いタイプは別種との説が有力みたいです。 まだ正確な情報が得られていないので、もうしばらくこの形で掲載します。

■ 2013年10月05日 撮影

食べ頃の綺麗な個体が2つ有ったので、持ち帰ってフライにし実食してみました。 ハッキリ言って激ウマです。衣付けて揚げたんですが、凄まじい旨味です。 人工甘味料無しの醤油のみの味付けでしたが、口の中に広がる味はもう最高! 家族にも大好評であっと言う間に売り切れてしまいました。噂は真であった。

■ 2014年08月30日 撮影

幼菌でも頭さえ出していればすぐに見付かりますね。やっぱり可愛い♪

■ 2014年08月30日 撮影

確かに亜高山帯針葉樹林に多く見られるタマゴタケはだんだら模様が少ない。 かつてセイヨウタマゴタケタイプと呼ばれてましたが、納得の種小名です。 低地であまり見かけない地域に住む私としてはむしろ見慣れた姿なのですが。

■ 2014年09月15日 撮影

実はここまでだんだら模様がハッキリ出た子実体を見たのは初めて! 私の地域はタマゴタケが極端に少なく、今まで見たのはほとんどが高地。 そのため柄に模様が少ないタイプばかりを見ていてそれに慣れていました。 なので低地のブナ林でコイツを見た時の衝撃はハンパなかったですね。

■ 2016年09月02日 撮影

八丈島での冬虫夏草ツアー中に車中から発見した立派な子実体です。 柄の色が濃く、まさかフチドリタマゴタケ?とか思いましたが違いました。 実際良く見るとひだに縁取りが見られますし。 八丈島にも居るんですね。どう言う経路で侵入して来たんでしょうか?

■ 2016年09月25日 撮影

八丈島でその姿を見てから富士山でこの姿を見ると印象も違ってきますね。

■ 2016年09月25日 撮影

緑のコケに覆われたタマゴタケ、赤と緑のコントラストが実に美しいです。 富士山は地衣類クラスタにも人気が高く、地表の雰囲気自体レベルが高い! ただ地衣や堆積物の層が厚いので白いつぼが見えにくいのは欠点ですね。

■ 2017年08月05日 撮影

亜高山帯で見る本種は不思議と大きいです。車中からすぐ分かりました。 まぁ偶然なんでしょうけど、ここまで大きいと恐れ多くなっちゃいますよ。


■ 2017年08月05日 撮影

子実体が大型化してもひだの密度などは変化しないのがポイントですね。 そのため上からだと幅の変わらない条線の本数で大きさが分かります。 つぼがかなり露出しているので水分とか心配ですが、そこは大台ヶ原です。


■ 2017年08月05日 撮影

見上げてみました。凄まじい迫力です。このひだの多さは笑えて来ますわ。 やはりタマゴタケはこの白いつぼと派手な傘や柄のギャップが醍醐味です。 そしてひだの色に違和感が・・・ひだに縁取りがありますね。 そのせいでひだ全体がオレンジ色に見えています。

■ 2017年08月05日 撮影

コチラは大台ヶ原では珍しく柄にだんだら模様が有るタイプのタマゴタケ。 ここではツルンとした柄の子実体が多く、むしろこれは少数派のようです。

■ 2017年08月12日 撮影

ひょこっ。それだけです。マジで可愛い。

■ 2017年08月12日 撮影

もう少し出て来たヤツ。やっぱタマゴタケはこれくらいが一番可愛いかもです。 幼菌時は傘の粘性がまだ強いので、このように傘に付着物が多いですね。 しかしこの赤さよりもタマゴに和名命名のウェイトを振ったのは凄いと思います。 自分だったら和名のどこかに必ず「赤」系のフレーズを入れちゃってそうですし。

■ 2017年08月12日 撮影

開いているヤツも居ました。食べるならこれくらいが丁度良いかも知れません。 ただこの場所、地面のコケが綺麗なんですがつぼが見えないのが玉に瑕。

■ 2018年07月16日 撮影

ガガさん主催の冬虫夏草オフにて出会いました。道に生えているものは蹴り飛ばされていました。 何てことしやがる!・・・にしてもここのタマゴタケ、何か色が淡いような。 全体的に色素の薄い子実体でしょうか?でもひだに縁取りがあるんですよねコイツら。 色素の濃いものは別種?と思いましたが、コレ見てちょっと疑問を感じました。

■ 2018年09月09日 撮影

大台ヶ原で出会ったタマゴタケ。ここまでは見慣れた光景でした。 最初に本種に出会ったのもココでしたし。しかしこの日は大台ヶ原さんのサプライズが有ったのです。

■ 2018年09月09日 撮影

結論から申しますと、この日一日で見たタマゴタケの数は200株を超えると思います。誇張じゃなく。 今まで色んなキノコの大発生に出くわしましたが、このような大型種がここまで一気に出るのは初めてかも知れません。 もう道中あまりにも出すぎていて途中から撮影する気が失せましたからね。 ただ、ここまでの規模の発生が見られるのは採集者が居ないからでしょう。考えさせられた一日でした。

■ 2018年09月09日 撮影

また短時間で一気に発生したためか、状態の良い子実体ばかりだったのも驚きでした。 ただ先述の通り採取できないのでフラストレーションは溜まりましたね。多少。

■ 2018年09月09日 撮影

地面から顔を出したばかりの幼菌です。凄まじい彩度! 上に土が被っていてもこれだけ派手な色だと漏れた色で分かっちゃいますよ。

■ 2018年09月09日 撮影

可愛い幼菌とドングリのツーショット。詳しくないけどこの大きさはやっぱミズナラかな? 赤と緑のまさに補色の組み合わせが何か面白かったので思わず撮影しちゃいました。 やっぱ亜高山帯の広葉樹林は菌根菌が幅を利かせていますね。

■ 2018年09月09日 撮影

見慣れない色のタマゴタケを発見!これがいわゆる黄色型と言われる色素欠損型か。 初めて見ました。実は似たような現象が近縁なチャタマゴタケでも見られます。 傘中央部だけが茶色で全体的に黄色くなるため、キタマゴタケにソックリな外見になります。 それがノーマルのタマゴタケでも起きたようです。これは中々にレアかも。

■ 2018年09月09日 撮影

単に雨で色素が抜けただけじゃね?って思われるかも知れませんが、違います。 と言うのもすぐ近くにこのような幼菌があったからです。 つぼから出てすぐに色素が溶出することはまぁまずありません。

■ 2018年09月09日 撮影

すぐ近くに別の黄色型が居ました。となるとここ一帯の菌糸が同一菌株の可能性があります。 貴重な場所かもしれないのでしっかりと覚えておきました。翌年以降も出ていれば良いなぁ。 安定しているかどうかは何とも言えませんからね。

■ 2018年09月09日 撮影

非常に強いだんだら模様の子実体。いかにもって感じですね。 普通に考えてみれば真紅の傘にまだら模様の柄なんて警告色としか思えませんよね。 これで美味だってんだからある意味不親切なキノコですよ。

■ 2018年09月09日 撮影

柄にだんだら模様を持つタイプ(左)とだんだら模様が薄いタイプ(中央)、そして柄が滑らかなタイプ(右)が並んで出ていました。 周囲にも数株ありましたが、別に棲み分けしている様子もありません。 やはり柄の模様に関しては単なる個体差レベルなのかも知れませんね。 しかしこれだけの数を一度に見てしまうと感覚が狂いますわ・・・。

■ 2020年08月01日 撮影

大不作だったフィールドの帰り道、そこそこスピードの出ていた車中からもハッキリ分かるその赤色。 車を停めてみると非常に状態の良いタマゴタケ。しかも赤みが強い系統でした。 不作で落ち込んだ心にスッと効く清涼剤ですわ。


■ 2020年08月01日 撮影

嗚呼・・・何と愛らしい・・・食べちゃいたい。保護区なんでムリですが


■ 2020年08月01日 撮影

裏返すことができないので横から撮影したんですが、この時から妙にだんだらが赤いとは思っていました。 しかし帰宅後に写真を確認するとつばも赤いひだがオレンジ色なんです。 色調補正するとやっぱりひだにオレンジの縁取りがあることが判明しました。 別種説もあるひだの縁取りを持つタマゴタケですが、ここでとある仮設を思い付きました。 ポイントはやたら赤いつばです。これつばの色移りなだけじゃないんだろうか、と。 twitterで呟いていたら貴重な意見を頂けました。 1つはチャタマゴタケでも同様の現象が見られると言うこと。 もう1つはフチドリタマゴタケの縁取りがつば由来の組織であると分かっていると言うこと。 なのでつばの有色の組織付着しただけではないか、と言う考えでとりあえず行くことにしました。

■ 2021年07月22日 撮影

原因は不明ですが、2021年は地元で菌根菌大不作! この日までマトモな大型菌根菌にほとんど出会えず、意気消沈しておりました。 普段であれば夏の三大菌根菌が普通に出ている時期のハズ。 それが全然出ないのですから、そりゃテンションも上がらないと言うものです。 そこでコレが来たらそりゃぶち上がりますよ!


■ 2021年07月22日 撮影

実はお恥ずかしながら低地でタマゴタケに出会ったことがほとんど無いキノコ屋なんです。 このページで富士山や大台ヶ原のような亜高山帯以外で出会ったのは、 2016年09月02日撮影の八丈島と2018年07月16日撮影の岡山遠征の2回だけなんです。 なので低地の里山で、しかも大発生に出会えてそりゃぁもう舞い上がりましたよ。


■ 2021年07月22日 撮影

発生の仕方が綺麗で勿体無くて引き抜くのを諦めて這いつくばって撮影しました。 立ち姿が凄い綺麗なんですが、不思議とこの子実体らはスラリとしていますね。

■ 2021年07月22日 撮影

少し離れた場所にも出ていました。しかもかなり理想的な子実体ではないですか! ただ太い落枝に囲まれていて、カメラで狙いにくいの何の。 手前の枝の隙間を縫うようにアングル確保!


■ 2021年07月22日 撮影

全く傷みの無い傘だったので撮影しないワケには行かないでしょう。 にしても傘だけ撮ると人工物に見えちゃいますね。


■ 2021年07月22日 撮影

またも手前の枝の隙間を縫うように地面にデジカメを押し付けて見上げる構図で撮影です。 この上から赤→オレンジ→白と変化する色合いはまさにタマゴタケって感じです。 ただこの段階では先程の3本を含めて4本しか見ていなかったため、食用採取するつもりはありませんでした。

■ 2021年07月22日 撮影

でもこれだけ出ていたら多少は採っても良さそうです。久々に食べちゃうぞー♪


■ 2021年07月22日 撮影

手前に見えていた妙に斜に構えたタマゴコンビです。 本種は食用採取する場合は傷みが早いことに注意しなくてはなりません。 すぐに悪くなってしまいますが、今回はどれも新鮮で状態が良いものが多く助かりました。


■ 2021年07月22日 撮影

採取したのはこの3本のみですが、家族で風味を味わう程度なので十分な量です。 帰宅後にすぐ下ごしらえし、シチューの具材になって頂きました。 う〜んやっぱり美味しい!ハッキリとタマゴタケの味を感じられます。 まだ秋にもなっていないのに、こんな贅沢をしちゃって良いんでしょうかねぇ。

■ 2023年09月03日 撮影

何と地元で見付かりました。だから何?って思われますよね?当然ですよね? 実は地元でキノコを探し始めたのが2006年なんですが、地元発見はコレが初なんですよ! あまりにも見付からなさすぎて「地元には居ない」と吹聴して回ってたくらいですから。 なのでこの赤い傘が見えた時は森の中で大絶叫してましたよ。


■ 2023年09月03日 撮影

しかも面白いのがピンポイントにこの場所だけ木漏れ日が当たって自然のスポットライト状態でした。 子実体もとても被写体としてのレベルが高く、観察し甲斐がありましたね。 とにかく地元にもタマゴタケがあるんだと知れただけでも大収穫でしたよ。

■ 2023年09月09日 撮影

数年ぶりにもろぞー氏主催の富士山オフを決行!生憎の雨模様でしたが、 数多くの美しいキノコに出会うことができました。 その中でも優秀な被写体を多数提供してくれたのがタマゴタケでしたね。 雨に濡れた姿も美しいです。

■ 2023年09月09日 撮影

ちょっと赤みが弱い子実体。柄も黄色っぽいので雨で退色したワケではなさそうです。 ただ以前見たような色素変異個体ほどではないので、単なる個体差の可能性が高いです。

■ 2023年09月09日 撮影

あまりにもエモい光景だったのでパシャリ。この光景こそ富士山の醍醐味! ガスが立ち込めているので遠方が霞んで見えるのがもうエモくてエモくて・・・。 ごめんなさい、この光景は撮影当時美しすぎてずーっと見惚れてたんですが、 この感動は写真では伝え切れないんです!それがもどかしくて仕方無いんです!

■ 2023年09月09日 撮影

下山中に見付かった非常に美しい群生!参加者の皆様もついつい撮っちゃう構図の良さ。 この緑のコケと赤い傘のコントラストが最高すぎるんですよね〜。 同じタマゴタケでも背景が違うとここまで写真映えするものなのかと感動します。 雨粒がレンズに付いちゃってるのに気付かず撮ったのは失敗だなぁ。


■ 2023年09月09日 撮影

本当に良い発生状態ですわ。オフ参加者さんで代わる代わる撮影しました。 面白かったのがもろぞー氏がちぃかわフィギュアと一緒に撮影していたこと。 知り合いの魔理沙のねんどろいどと一緒に撮影するキノコ愛好家さんとダブって見えましたね。
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