■Amanita imazekii (ミヤマタマゴタケ)

■ 2013年10月05日 撮影

学名に菌学者、故今関六也氏の名を冠する名誉ある和名「深山卵茸」です。 氏は故本郷次雄氏らと共に名書「日本のきのこ」を作り上げた人物ですね。 長い間不明種扱いで、様々な仮称で呼ばれていた覚えがあります。 日本特産種であり、その名の通り深山、つまり亜高山帯などに多いです。

和名学名共に知れ渡った現在でも本種が掲載された図鑑は少ないです。 一説ではハマクサギタマゴタケと同種ではないかとも言われています。 個人的には色だけでなく形態的にも差異を感じてはいるのですが。


■ 2013年10月05日 撮影

まずは非常に大きい事が特徴。傘の直径が20cm近くは有るでしょうか? 傘は淡褐色ですが個体差が激しく、中には白に近い個体も有ります。 また多種に比べ傘周囲の条線が非常に短いのも判断基準になります。


■ 2013年10月05日 撮影

引っこ抜いてみました。ひだは白色です。 柄の上部につばが有り、そこから下は繊維状で強くささくれています。 また一番上の写真にも写っていますが、基部には大きな膜質のつぼを持ちます。 傘の条線やこれら特徴から、タマゴタケに近いグループと考えられています。

食毒不明です。珍しく赤字じゃないのは食べた方が居られるからです。 確かに形態的には食菌グループと考えられますが、慎重になるべきかと。 大型種なので食べられるキノコと分かれば人気が出るかも知れませんけど。

■ 2013年10月05日 撮影

流石は「深山」。富士山麓の原生林で多くの個体を確認する事ができました。 雨に打たれて少し傘が粘性を持っています。図鑑の記載通りの特徴ですね。 編集していて気付いたんですが、傘の裏にお馴染みのナメクジが居るような。

■ 2013年10月05日 撮影

幼菌は本当にタマゴタケの色違いと言う雰囲気ですね。とても愛らしい外見。 柄もササクレと言うよりは、色の無いだんだら模様と言う感じでしょうか?

■ 2014年08月30日 撮影

本種が一番魅力的に見えるのは幼菌の時なのかも知れないと思った1枚。

■ 2014年08月30日 撮影

暗い場所で撮影した写真ですが奇跡的に手ブレが無く色調補正で行けました。 周囲が「深山」なだけあって雰囲気的に合いますね。撮ってて楽しいです。

■ 2016年09月24日 撮影

もろぞーさんに案内して頂きガガンボさんと訪れた富士山で馴染みに再会。 ここではありふれていますが、ウチの地元では絶対に見られない姿です。 この日の主役は別のキノコでしたが、やはりAmanitaは良いと再認識した次第。

■ 2018年09月15日 撮影

右下の背景がボケているのは雨粒がレンズに付いているからです。 TOP写真を撮り直したかったのですが、流石にこの雨では撮影する気力が湧きませんでした。

■ 2018年09月15日 撮影

傘の開いていない幼菌と、傘が開ききった成菌のツーショット。 この淡い傘の色と柄の途中のつば、そして柄のだんだら模様が実にミヤマっぽくて良いです。 タマゴタケに近縁ってのも頷けるんですが、やっぱ流石に食べる勇気は無いですわ。
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