■Amanita rubrovolvata (ヒメベニテングタケ)

■ 2017年07月30日 撮影

どろんこさんと訪れた亜高山帯のブナとミズナラの混成林で久々の出会いを果たしました。 ミズナラなどのブナ科広葉樹に菌根を形成する可憐なテングタケ属菌の「姫紅天狗茸」です。 以前も大台ヶ原などで何度か目にしていますが、今回は特に美しいお姿。 虫草屋のどろっさんも「これは綺麗だ!」と興奮して撮影していました。 なお種小名は「rubro-(赤い)」と「volvata(皮を持った)」の意味です。あれ?皮あったっけ?

和名に「ベニテングタケ」とありますが、ぶっちゃけベニテンには全然似ていません。 子実体は「姫」の名の通りかなり小型で、本属菌としては相当に愛らしい外見だと思います。 ちなみにこの日はハエの大群に襲われてトラウマに・・・実況動画に残ってますがマジで壮絶でした。


■ 2017年07月30日 撮影

傘は橙色〜赤色で、表面の外皮膜の破片もオレンジなのが最大の特徴。 よって基部もオレンジ。非常に小型で、傘の直径が4cmほどしか有りません。 また本種の傘の周囲にはハッキリした条線が現れるので分かりやすいです。


■ 2017年07月30日 撮影

裏側です。あまりにも可愛すぎるので抜くのが勿体無くなりこの構図です。 柄はやや黄色みを帯び、柄の中程にしっかりしたつばが付いています。 ひだは白色〜やや黄色。意外と無印のベニテングタケと似てませんねぇ。 膜質のつぼは無いのに何でこの種小名なんだろうと思ったんですが、 この種小名は「赤いフクロツルタケ」って意味なんですかね?

美しいキノコではありますが、大体分かりますね。ハイ、毒キノコですよ。 毒性は強くないそうですが、誤って食すと胃腸系の中毒を引き起こします。 ただ俺から頼みたいのは、こんな美しいキノコは食わないで!ってことです。

■ 2008年10月04日 撮影

初発見は亜高山帯のミズナラ林。焦ってちゃんと写真撮らなかったんですよね。 落葉に埋もれて踏むトコロでした。一応ブナ科以外にもカラマツなどにも菌根を作るそうです。


■ 2008年10月04日 撮影

折れてしまいました・・・。裏側です。基部の赤さを写したかったのに・・・。


■ 2008年10月04日 撮影

コレは寄り添って生えていた幼菌です。目が覚めるほど鮮やかな緋色! 表面の綿毛状の物はつぼの破片です。つぼ破片が色付く種は限られます。 テングタケ属菌の中でも美しさで競えば上位を狙えると思います。

■ 2009年08月16日 撮影

大台ヶ原の登山道を歩いている時、道沿いに一株だけ生えていました。 この場所は裏返し不可ですので眺めるだけにします。頑張れば裏側撮れたかも? ここで見るのは初めてです。やはり周囲にミズナラの樹があるのでしょうか? 今の課題として、分かりやすい樹木以外はサッパリなので、樹木の知識が必要だなと思ったり。

■ 2017年07月30日 撮影

TOPと差し替えた子実体のそばに幼菌も出ていました。本当に美しくて愛らしいですね。 ベニテンの比べると極めて小型ですが、それゆえなおさら愛らしく見えます。 下に落ちているのは剥げ落ちた外皮膜の破片で、強烈なオレンジ色です。

■ 2022年09月10日 撮影

始めて本種を見た場所のすぐ近くで実に14年振りの再会です。 てことはつまり14年間も安定してこの周囲の樹木と共生関係を結んでいたと言うことですね。


■ 2022年09月10日 撮影

雨続きだったので周囲に沢山発生していた子実体のほとんどが傷んでいて被写体には不十分。 この子実体も傘の周囲がボロボロで外被膜の破片も流れ落ちてしまっていましたが、 それでも他と比べるとまだギリギリ撮影できるレベルでした。 ここまで傘が傷んでいると普通は撮らないんですが、これは本種の美麗さが為せる技か。

■ 2022年09月10日 撮影

周囲に大きなモミの樹があるため雨に打たれていない子実体です。 幼菌なこともあって全然傷んでいませんでした。これは成長した姿を見たかった!

■ 2023年07月02日 撮影

真夏に冬虫夏草オフをするフィールドに少し早いですが下見に訪れました。 この日はこの日で意外な発見の連続だったのですが、何と本種を低地で7月に発見したのです! これには参加者さんも驚いていました。本種は冷涼なミズナラ林のキノコってイメージですからね。
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