■Amanita rufoferruginea (カバイロコナテングタケ)

■ 2007年07月22日 撮影

近所の公園で出会ったのが最初。今まで見たことの無いテングタケだったのでビックリしました。 夏から秋にかけてコナラなどのブナ科樹木の樹下に発生する「樺色粉天狗茸」です。 その名の通り特徴的な色合いのに覆われた不思議な外見をした種です。 このような外見を持つテングタケ科菌は本種くらいのものなので間違えないでしょうね。

地元では毎年のように出会う見慣れたキノコとなりましたが、実は地域によっては激レアです。 基本的に「西のキノコ」と言う印象で、関東以北での発見はかなり珍しいと聞いたことがあります。


■ 2007年07月22日 撮影

子実体の形状は典型的なテングタケ属菌なのですが、特徴的なのはその子実体表面。 なんと子実体の全体を帯褐橙色の粉質物に覆われているのです。 また脱落しやすいのですが、傘の表面には大きなトゲ状の外被膜の破片が付着しています。 ただこれにはかなり個体差があり、ほとんど見られない子実体も多いです。


■ 2007年07月22日 撮影

ちなみに「樺色」はPC上では「■ #cd5e3c」と表現される色。まさに!って感じですね。 指で触るとこのようにしっとりとした粉が付着します。粉臭いですね。


■ 2007年07月23日 撮影

翌日も近くを通ったので日暮れの公園に立ち寄ってみました。 すると昨日の午前中に幼菌だった子実体は1日半でここまで大きくなっていました。 無視に齧られた穴があった場所から裂けてしまっていたのがちょっと残念。


■ 2007年07月23日 撮影

当時の自分、ちゃんと裏側も撮っていました。ひだは白色で密。 特徴的なのは傘と同色の粉で覆われた柄に白い膜質のつばが付いていることです。 このように傘の直下に付いている場合はまだ自然ですが、柄の中程に付いていると違和感が凄いですよ。

発生量が少ない菌なので研究が進んでいないのか、現在も食毒不明です。 海外ではハエに対しては毒性を示すとのことなので、ムスカリンが含まれてるかも。 何にせよテングタケの仲間ですので、不用意に口にするのは避けるべきでしょう。


■ 2007年07月22日 撮影

ちなみにオマケで奥に見えていた子実体の22日の段階です。 ここまで顕著に外被膜の破片が残っていた子実体はコレ以降見たこと無いかもです。

■ 2007年09月24日 撮影

比較的レアなキノコですが、この場所では時期さえ合えば安定して見れます。 傘は雨で褐色粉末が流れたりしますが、柄は雨がかからないので無事です。 オレンジ色一色の柄に明らかに浮いている純白のつばが特徴的ですねー。 これ落ちて途中で引っかかってるだけ。本来は傘のすぐ下にあります。 つばが膜質なため、破けず輪をキープするためこうなるみたいですね。 粉が流れ落ちて初めて分かるのですが、傘の周囲にちゃんと条線があります。

■ 2007年10月08日 撮影

久し振りに地元の公園で出会いました。お久し振りです。


■ 2007年10月08日 撮影

せっかくなので抜いてみました。確かに根元に白い外皮膜の名残りがありますね。 それにしても派手ですねぇ。柄も傘もつばの裏も見事に樺色です。 実がつば自体は白いのですが、外側は粉状なので裏と表で色が違います。 垂れることで白い裏側が見えますが、ひだの外側だった部分は傘や柄と同色なんですよね。 手で持った部分の柄の粉末が取れてますね。当然ですが俺の指にべったり付着してます。

■ 2009年07月11日 撮影

いつもの公園とは別の自然公園で開催されたキノコ観察会で再会しました。 このフィールドでは初発見!コレ、本当に珍しいキノコなんでしょうかね? ちなみにこれ都会のド真ん中の公園ですので散歩客が写ってます。

■ 2009年07月11日 撮影

図鑑の記述通りアカマツとコナラの混じる雑木林の中でした。 ただマツが無い場所で見ることがあり、ブナ科植物がメインなのかも知れません。


■ 2009年07月11日 撮影

丁度つばが剥がれたところでした。裏側は欠けちゃってましたね・・・。 心なしか以前見た個体と比べて派手さが無いと言うか、彩度が低いと言うか。 テングタケ属菌には色は違えどこう言う粉を吹く種が多いです。何か理由があるんでしょうか?

■ 2011年09月11日 撮影

久し振りに綺麗な写真が撮れましたー!実に2年振りの写真追加。 実はその間に何度も見てるんですが、傘がモロいのかどこか崩れていて掲載断念。 しかも雨が降ると表面の粉末が流れ落ち、みすぼらしい姿になっちゃいます。 日が差す場所だと色合いがより鮮やかになるので、写真撮影には最高のシチュ!


■ 2011年09月11日 撮影

ややピンボケ気味ですが裏側と言うか下から覗いてみました。 つばが脱落して柄の途中に引っかかっています。 傘がある程度開くと表面の粉が引き離されて溝線が現れます。

■ 2012年09月02日 撮影

最近綺麗な個体に出会えていませんでしたが、新たな発生地を発見しました。 しかもその発生量が今まで見付けた場所の比ではないのです。 これで本種は探す必要が無くなりましたね。上に見えるはキアミアシイグチです。

■ 2012年09月09日 撮影

これって珍種なんですよね?今年は何株見たか覚えてないレベルの当たり年でした。 単純に今回開拓したフィールドが当たりだったってだけで、珍しいかもですけど。 しかもこの子実体、色々とパーフェクトですね。もっとしっかり撮影すべきだったか。

■ 2012年09月09日 撮影

すぐ近くにあった別個体。つばが不規則に破れてしまったのか破片が垂れ下がっています。 本種のつばは非常に薄く繊細で、綺麗に破れなかったりすぐ脱落しちゃったりします。

■ 2012年09月21日 撮影

本当に今回発見したフィールドはカバコナ天国です。何株見たかも分かりません。 本種の白いつばは脱落するのに柄に残るのが面白いんですよね。 これ多分ですが、原理的には徐々に太くなる上に粉を吹いて滑りの悪い柄のせいで引っかかるんでしょうね。 なので不自然に柄の中程に真っ白なつばが残るので違和感を覚えると言うワケ

■ 2013年07月15日 撮影

何年間も発生が絶えていた場所で再度目的のキノコを発見した時の嬉しさたるや。 それよりも後ろのキノコがツブエノウラベニイグチだったのではないかと後悔。

■ 2013年09月23日 撮影

今年は本種の大当たり年!本当に珍しいキノコなのかって感じの量でしたね。 しかも久々に傘に角錐状のとげを持つ大型個体を見る事ができ大感激! このシロオニタケのような突起は本種でも大型の個体にしか確認できません。 ちなみに3株の中で一番大きいのは右下の落ち葉に隠れてるヤツですね。バケモノみたいでした。

■ 2013年09月23日 撮影

実況撮影中に出会った個体。やや小振りですが立ち姿が美しくて思わず撮影。

■ 2019年09月16日 撮影

キノコ狩りを初めて初期から毎年のように出会っていたのに実に6年振りの更新となりました。 理由は簡単で綺麗な子実体が少ないからですね。 雨で粉が流れ落ちたり、どこかしらが裂けていたり・・・表面構造が繊細なので仕方無いですが。 でも夕暮れ時だったからか変な色合いに写っちゃって編集が大変でした。

■ 2019年09月16日 撮影

非常にトゲ状の外皮膜の名残りが分かりやすい幼菌が居たので撮影。 このように幼菌はシロオニタケのように全体がトゲトゲしています。 やがて柄が伸びると柄の基部と傘の上にトゲトゲが残りますが、柄の基部は早期に消失。 傘の上のものも風雨で脱落してしまうようです。幼菌だと完全に残っていて観察しやすかったです。

■ 2020年07月23日 撮影

今年も来ました「初実況の山」です。ここは安定して本種が見れますね。 決まって斜面に出ているので構図は楽で助かります。 そう言えばしっかりと隅々まで別角度で撮影したことが無いんですよね。 来年はTOPに相応しい写真が撮れたら良いのですが。

■ 2020年07月23日 撮影

まぁ自分でも良く気付いたなと思える幼菌です。 土の中から出て来る色彩としては異質なので、知ってさえいればすぐに分かるんですけどね。

■ 2022年08月28日 撮影

今年は本種の当たり年!これでもかと言うくらいの子実体を見た気がします。 ただこのフィールドでは安定して本種を見られるんですが、綺麗に開いた傘を長らく見ていません。 この子実体ももう少しで開きそうだったんですけど・・・。

■ 2022年08月28日 撮影

この日は美しい幼菌が多数見られましたが、やっぱり幼菌ばかり。 どうもタイミングが合わないんですよね・・・。 綺麗に開いた傘なんて2013年以来見てないですからね。 流石に腹が立って来たので思い切ってリベンジに行きました。

■ 2022年09月03日 撮影

そして訪れた翌週のリベンジマッチ。てか傘に「ユト」って書いてあるような・・・。 先週幼菌だった子実体は朽ちてしまい、見付かるのはやっぱり幼菌ばかり。

■ 2022年09月03日 撮影

今日も駄目かと思って諦めかけた時、斜面の上に久し振りに傘が開いた綺麗な子実体を発見! ナナメに発生したため柄の基部が隠れてしまって見えませんが、そこは大した問題じゃありません。 このテングタケ属の成菌らしいこの形状!これが見たかったんですよ! ただ急斜面で思った構図で撮るのが大変でした。


■ 2022年09月03日 撮影

これこれ!これですよ!これが見たかったんです!テングタケ属菌と言えばこの形状ですよね。 傘が粉を吹いているので撥水したように水滴が乗っているのがまた良いですね。 また傘も柄も派手なオレンジ色なのにつばが真っ白な本種の特徴が良く出ています。 本種のつばは脱落しやすいのですが、柄が曲がっていたおかげで怪我の功名ですよ。


■ 2022年09月03日 撮影

斜面だったお陰で裏側も綺麗に撮ることができました。 正直TOP写真が古いので良い写真を撮り直したいんですが、今回はパスかな? やっぱり真っ直ぐ立った子実体にその仕事を任せたいです。 ひだは白色で密。樺色の粉は柄の上方までビッシリ覆っています。

■ 2023年07月15日 撮影

正直TOP写真にしたかったんですが、隣に何か居るんですよね・・・。 この左のカバコナだったものがまだカバコナだったらちゃんと撮りたかったです。
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