★Amanita verna (シロタマゴテングタケ)

■ 2023年09月03日 撮影

初発見は2006年9月でしたが、デジカメが故障し写りが悪かったので2007年にTOP写真を差し替え。 その後あまり良い子実体に出会えず、擬人化初期メンなのに再差し替えが16年後に・・・。 「キノコの猛毒御三家」の一角を担う致命的な猛毒キノコ「白卵天狗茸」です。 夏から秋にかけてブナ科広葉樹下に発生するテングタケ属の菌根菌です。 なお種小名の「verna」は「土着人」と言う意味だそうです。 これは母国生まれの奴隷を意味する言葉らしいんですが、どう言う意味での名付けなんでしょ?

タマゴテングタケ、ドクツルタケと合わせて猛毒御三家として有名。 この3種の中では最も身近で出会いやすいのが本種だと思います。 特徴としては小型であることがドクツルタケとの大きな違いですね。 試薬も判別に有効ですが、中間的な子実体も多いのが現状です。


■ 2023年09月03日 撮影

子実体は典型的なテングタケ型。卵形から平らに開く傘にスラリとした柄、そして基部にはつぼ。 ただそれを忘れさせてしまうほどの純白のボディが印象に残ることでしょう。 傘表面は平滑で周囲に条線が無い点に注目です。 これはテングタケ属猛毒菌に共通して見られる重要な特徴ですので。 ちなみに傘は大きくても5cmほどとかなり小型です。


■ 2023年09月03日 撮影

裏返して幼菌と並べてみました。どこをとっても純白です。 柄は若干鱗片がありますが基本的にはほぼ平滑でドクツルタケのような強烈なササクレはありません。 柄の上部には膜質のつばがあり、基部にも膜質のつぼが存在します。 これらの特徴を押さえる必要があるのは、「条線の無い傘」「つば」「膜質のつぼ」 の3つの特徴を併せ持つテングタケ属菌が猛毒菌ばかりだからです。

姿は愛らしく美しくとも「猛毒御三家」の名に恥じぬ毒性を持っています。 小型なので「1本で一家全滅」と言うほどの極悪性は無いですが、 2〜3本食べたら病院で適切な処置を行わない限り高確率で死亡するとされています。 毒成分は他の本属菌にも含まれるアマニタトキシン類と言う環状ペプチドで、 長時間かけて腎臓組織を破壊し、回復不能なダメージにより動物を死に至らしめる恐ろしい成分です。 このようなキノコを見付けても決して、絶対に手を出さないように。


■ 2023年09月03日 撮影

上述の通り非常に恐ろしい猛毒菌なのですが、キノコとしてはとても美しく魅力的な種です。 幼菌はこんな感じで小ささも相まってまさに妖精のよう。今後はもっと率先して撮影して行きたいですね。

■ 2007年09月24日 撮影

旧TOP写真ですが、差し替えが2023年って一体何年放置されていたんだココは。 でもこれには理由があって、状態の良い子実体に出会えないんですよ本種。 雨が降ったら傷んで透けちゃいますし、小型なので周囲の大きな物に触れて傷付いてたり。


■ 2007年09月24日 撮影

引っこ抜いてみると柄はスラリとしており、本当に「か弱い」と言う見た目です。 実際にはバチクソに致命的な毒成分を含んでいるんですけどね。 ドクツルタケとの見分け方とか良く言われますけど、本種はドチビって点で判別は容易ですよ。

■ 2007年10月05日 撮影

久し振りに初めて見付けた雑木林に行きましたが、やっぱり居てくれましたか! 旧カメラの不調と蚊の猛襲に悩まされた思い出が蘇りますね〜。 相当の個体数を確認しましたが、多すぎるので寄り添うお二人を掲載。 本種って意外と間を空けて発生する事が多いので、ツーショットは貴重です。

■ 2013年09月23日 撮影

実は何度も見付けてるキノコなんですが、不思議と撮影していませんでした。 と言うのも小型で大抵傷んでしまっているので撮り甲斐が無い子実体に出会うことが多いのですよ。 今回は久々にマツの朽木周辺に綺麗な個体が有ったのでパシャってみました。 やっぱ明らかに本種は小さいですね。これでもまだ大きいくらいですから。
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