★Amanita volvata (フクロツルタケ)

■ 2007年07月08日 撮影

近所の自然公園で出会ったんですが、2007年に見たこの子実体を超える姿には出会えるのか? ブナ科広葉樹下に発生するモコモコで愛らしいテングタケ属菌の「袋鶴茸」です。 元々本属菌自体がスラリとした種が多く、その中でも特にスラリな種に付く「ツルタケ」ですが、 本種はそんな中にあって比較的ずんぐりむっくりの愛らしさが勝る姿をしています。 基部に極めて大型で丈夫なつぼを持つのが和名の由来になっています。 あ、学名も「volvata」も「つぼのある」と言うまんまの意味でしたね。

一度は「A. clarisquamosa (シロウロコツルタケ)」としましたが戻しました。 某図鑑でこの名前で紹介され、フクロツルタケの名前が変わったとの情報が拡散。 しかし実際にはかつてのフクロツルタケがフクロツルタケ、シロウロコツルタケ、 アクイロウロコツルタケの3種に分かれたと言うことでした。 しかし肉眼的な判別が難しく、ミクロでも明確な違いが確認しづらいため、 当サイトでは広義のフクロツルタケとしてまとめて掲載します。


■ 2007年07月08日 撮影

子実体は基部につぼを持つ典型的なテングタケ属菌の姿。 傘もひだも柄も全体的に白色ですが、傘に褐色鱗片を持ちます。 鱗片の付き方は個体によって様々ですが、この子実体のようなパーフェクトなものは稀でしょう。 また基部に膜質のつぼを持ちますが、これが極めて肉厚! つぼを持つ種が多い中で「つぼがある」ことを種小名に冠するだけはあります。 つぼは外側は褐色ですが、内部は傘や柄と同様に白色です。

こんな可愛い外見ですが猛毒菌上位ランカーです。 内臓を破壊する致命的な毒素を持ち、実際に死亡事故も起きています。 テングタケの仲間なのですが、形態的にテングタケ属のキノコに似ていません。 よってテングタケ=毒と言うイメージが強い人の場合は危機感を抱かないでしょう。 何より雰囲気が比較的地味で毒々しくないのが問題です。 これに加え、埋まっているつぼを見落としてしまったらアウトでしょう。 危険度レベル的には猛毒御三家と同格として扱って良いと個人的には思っています。

■ 2006年09月26日 撮影

上でも述べたように、本種はつぼを採り忘れてしまうと同定が困難になります。 その場合に役に立つ判別法がコレ。傘やひだ、柄を傷付けてみて下さい。 白かったはずの肉が赤みを帯びる、これがフクロツルタケの特徴です。 テングタケの仲間では変色性が有る種は少なく、近縁種も似た性質を持つため有効な判断方法です。

■ 2007年07月05日 撮影

毎度言ってる気もしますが、今回も一応書いておきます。萌えるー!好きだー! 何でこんなに腫れぼったいんでしょうね。てか何で見るたび姿がこんなにも違うんでしょう・・・ 形状は変わらないんですが、傘表面の鱗片が毎度毎度全然違う雰囲気ですね。


■ 2007年07月05日 撮影

ブナの樹下に発生するキノコなんですが、このフィールドではマツの樹下です。 本種のつばは脆くすぐに脱落しちゃいます。でも無いほうがてるんとしてて可愛いんですよね。 いつ見ても太ましい!本種を「ツルタケ」と呼ぶのは、ツルタケさんに失礼な気がする。

■ 2007年09月01日 撮影

初めてのフィールドでしたが、中々良い状態の子実体を発見できました。 本種は全体的に綿毛状の鱗片が付いてますが、ハゲるとツルツルなのね。

■ 2007年09月24日 撮影

旧TOP写真です。現在TOP写真になっている種は確かに破滅的に可愛いんですが、 典型的ではないのであえてこの子実体にしていました。 ただやっぱ上に持って来たいなと思い時系列順に変更しました。ゴメンね。

■ 2008年09月15日 撮影

国立公園内で発見。以前も見たのですが、柵の外で断念していました。 今回はすぐ道路脇に生えていたので、無理せずに安心して撮影できましたー。萌えー! 元々本種はブナ科の樹下に発生するキノコ。これが本種の本来の姿でしょうか。 コケを押し上げて出てくる姿は、低地の物より力強くて美しいと思います。

■ 2009年07月11日 撮影

幼菌です。めっちゃ萌えですね。何だろう「美味し」そう。非キノコ的な意味で

■ 2009年07月11日 撮影

何と言うフクロ・・・。幼菌とは言え傘よりつぼの方が大きいなんて。 つぼは本来白色なのですが、周囲の土や泥を染み込ませてこんな色合いに。 よく見ると下の方は砂しか付いていないので真っ白なつぼが見えています。

■ 2009年07月11日 撮影

多分今までで最もフクロツルタケらしい個体だったのではないでしょうか? 基部の大きなつぼが蓋を開けるかのように開き、そこから伸び上がる白い傘。 まだつばが破れていないので、ひだが見えていません。 今年は当たり年のようで、様々なフィールドで状態の良い個体を良く見ました。 ちなみに上の写真もですが、ここは斜面の中腹です。撮影してて結構恐かったです。

■ 2010年07月04日 撮影

どっちを主役にすべきか迷ったんですが・・・やっぱり本種にしておきました。 ちなみに一緒に生えてるのはクサハツです。珍しいツーショット。いやスリーか?

■ 2012年07月07日 撮影

ちょうどこの頃にシロウロコツルタケ騒動がありました。 ただそんな人間の都合などどこ吹く風。今年の本種は大爆発の兆候がありますね。 もしかして慣れ親しまれた名前変えられて、本種もイライラしてたんだろうか?

■ 2012年09月01日 撮影

富士山のブナ林散策中に出会った幼菌。低地で見るのと同じです。

■ 2012年09月02日 撮影

毎年傘表面の鱗片が綺麗に残る個体が出る場所、今年も忘れず出てきていました。 本種は肉に赤変性があるので古くなる変色してこんな色になるみたいですね。 凄く綺麗な立ち姿だったので、できればまだ白い内にその姿を見たかったです。


■ 2012年09月02日 撮影

見よこの根本の重厚感!大きいと言うか分厚いんですよね、袋が。

■ 2013年09月23日 撮影

本種は本属でも飛び抜けてつぼに厚みがあるので裂け方に特徴があります。 中央部からバリっと裂けて周囲に亀裂が入った状態になっているパターン。 そして今回のようにパカッと蓋が開いたようなパターン。これかなりお気に入りです。

■ 2014年09月06日 撮影

いつものテスト撮影の山で典型的な子実体を発見。この姿は落ち着きますわ。


■ 2014年09月06日 撮影

傘表面に褐色の大きな鱗片が散在するこの様子は本種らしくて凄く良いです。 引っこ抜いたのですが見事に指で摘んだ柄が赤変し本種なんだなーと実感。

■ 2014年09月06日 撮影

思わず息を呑んだ見事なフクロツルタケ。下方に伸びる鱗片が実に美しいです。 本種は発生環境や成長具合によって傘表面の鱗片の様子が大きく異なります。 色味の無い白っぽいのも良いですが、やっぱボサボサ鱗片は写真映えします。 この子実体も傘表面に何かが当たったのか傷付いた場所が赤くなってますね。


■ 2014年09月06日 撮影

引っこ抜いてみました。しかしまぁ子実体のサイズ似に合わない巨大なつぼだ。 大抵は確認できませんが、新鮮な場合は柄につば的な何かが残っています。

■ 2015年07月11日 撮影

いつもの自然公園にて綺麗な子実体を発見。ほぼ傷みの無い美しい姿です。

■ 2015年07月11日 撮影

珍しく1ヶ所に集まって生えていました。本種は単生していることが多いので新鮮。 ただ本種の傘表皮のつぼの破片の雰囲気は見る度に違うので不安になります。 と言うかこのページにもシロウロコとアクイロウロコが混ざってそうな予感。 何にせよ褐色の分厚い大型のつぼを見ると安心できます。最早顔馴染みです。

■ 2020年09月26日 撮影

長らく写真追加が無く、2022年になって2年前の写真を掲載する形で久し振りの更新。 同時にTOP写真も差し替えました。やっぱりあの可愛いのを上に持って来たくて・・・。 今回のものも含めて、本種は良く見るんですが見すぎてスルーしちゃうんですよね。 理想を高く持たずにもっと日常的に撮影しないといけませんね。反省。
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