■Ampulloclitocybe clavipes (ホテイシメジ)

■ 2008年10月04日 撮影

ずっと出会いたかったんです。カラマツ林を代表するキノコの一つですね。 非常にキノコらしい姿をした「布袋占地」です。カラマツ林の樹下に大群生を作っていました。 由来はもちろんあの布袋様で、柄の特徴から付いた和名です。 問題児のくせして地方によっては「チョコタケ」や「ヨイツブレ」の名で親しまれます。

属名がカヤタケ属からホテイシメジ属に変更となっています。 地域によっては柄が細く中毒しないものを「ホテイダマシ」と呼んでいますが、そちらは別種かも知れません。


■ 2008年10月04日 撮影

傘は灰褐色。中央部がくぼみ、ひだが大きく垂生するため「おちょこ」のような逆円錐形になります。 また傘中央部は凹んでも中心だけは少しだけ突出するようですね。


■ 2008年10月04日 撮影

裏側です。本種はカヤタケに近縁なだけあって傘が厚く、ひだが柄に長く垂生します。 傘も柄もほぼ同色あるいは柄のほうがやや淡い灰褐色。 「ホテイ」と呼ばれるのは柄が下膨れになるためです。確かにぽてっとしてますね。

手に取ると非常に良いキノコの香り。実際美味なキノコですが酒は禁物です。 毒性の発現としてはヒトヨタケと良く似ています。毒成分は共役エノン、ジエノン類。 要はアルコール代謝に必要な酵素の働きを阻害するため、酔いが覚めないと言う訳。 ただし俺のように酒を飲まない方にとっては非常に美味しいキノコなワケ。悩ましいですね。


■ 2008年10月04日 撮影

収穫量が多いのも魅力的なキノコ。一度試してみたい気もしますね。 周囲はホテイシメジの楽園でした。ゴミ袋いっぱいは有ったかな?

■ 2008年10月04日 撮影

幼菌はこんな感じで普通に丸い傘で、ここからあのような姿に変化します。 でもちゃんと基部は太いですね。看板に偽りなしってか?

■ 2008年10月12日 撮影

一週間前が最盛期だったようです。同じ場所ですが小振りな個体が多かったです。 傘の上部は平らになっているのに、ひだがやたら露出してます。厚みが有りますね。 この個体は単生しているので柄の基部が太いのが良く分かりますね。

■ 2013年09月14日 撮影

地味に見たの久し振りでしたね。結構な頻度で見てた場所だったんですけど。 周囲にカラマツの葉が無いですが、風上なだけで手前にちゃんと生えてます。

■ 2018年10月07日 撮影

実に5年振りの再会となりました。毎年発生は見てたハズなんだけどなー・・・。 最初に見たのと同じカラマツ林にてそこそこの発生量を確認しました。一安心。 しかし以前みたいな群生は作っておらず、点々と生えている感じでした。

■ 2018年10月07日 撮影

本種の傘の厚みが良く分かる子実体を見付けたので撮影。 傘の面とひだの垂生具合から傘中央部の厚みが見て取れますね。 カラマツの球果とのツーショットと言う本種らしいお気に入りの一枚です。
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