★Auricularia auricula-judae (キクラゲ)

■ 2021年04月18日 撮影

春のオオセミタケ探し中に大群生を発見。非常に映えるその生え様に心打たれました。 発生時期は春から秋にかけてですが、基本的に春に状態の良いものに出会えます。 いわゆるブナ科広葉樹ではなく、主にカエデやケヤキ、ニワトコなどの腐朽材上に発生します。 漢字で書くと「木耳」。その名に相応しい耳のような形状の軟質キノコです。 ちなみに種小名は「ユダの耳」の意。 ユダが首を吊ったニワトコの樹から発生したと言う言い伝えに由来します。

なお左にチラッと写っているのはタマキクラゲです。

以前のが「A.auricula」だったのですが、海外の同学名のものとは別種であることが判明。 でしたが、コチラが優先順位の高い学名だったようです。 ですが近年になって国産種の分子系統解析が行われた結果、この学名の種は存在しなかったのです。 つまりこの学名も本種には不適切と言うことになります。なので今後また変更、細分化されると思います。


■ 2021年04月18日 撮影

子実体は最初子嚢菌類のような厚みのある椀状ですが、やがて片側だけが広がって耳状になります。 子実体全体が緩やかに波打ち、これが耳のように見える理由です。 子実層面は下面に形成されます。 子実体の色は褐色〜オリーブ褐色ですが、この色の差はそもそも別種の可能性が高いです。 肉質はゼラチン質で湿時は柔軟でぷるぷるしていますが、乾燥すると濃色になって硬く軟骨質になります。

まぁ説明の必要も無いとは思うのですが、有名な食菌です。知ってますよねこれは流石に。 有名なのは中華炒めですが、アラゲ同様汁物や酢の物にも相性ピッタリです。 生でも生の風味があって良いですが、乾燥品のほうが味も食感も良い気がします。 我が家ではあまり率先して採取はしないかな?

■ 2008年06月01日 撮影

だね、うん。こりゃどっから見てもだわ。流石は「木耳」!良い名前ですね。 ココは以前アラゲキクラゲが生えていた木。アラゲは根元近くに生えてました。 なのでコレもアラゲかと思ってズームしたら色が淡くて白い繊毛が無いじゃないの。 実に美味しそう・・・。食べたいんですが、高さが4mくらいあるので断念。

■ 2009年04月26日 撮影

猛烈な突風が吹いた次の日でした。今思うとアレが「春一番」ってヤツだろうか? 良く行く林道を塞ぐように枝が落ちていたのですが・・・これは山の贈り物か! その日最初に通った者への贈り物。落ちた枝一面にビッグサイズのキクラゲが!!! 綺麗な個体だけ選りすぐってスープで頂きましたよ。プルプルで美味でした♪

■ 2010年03月26日 撮影

間違い無く今までで最高の個体群です。自信を持って言えると思います。 切られた広葉樹に一枚一枚が大きくてブ厚い、食べ頃のキクラゲの大群生! 周囲に見える白いのはスエヒロタケ。この2種は同じ木に発生するのを良く見ます。


■ 2010年03月26日 撮影

厚い!!!ここまでボリュームの有るキクラゲには中々出会えないでしょうね。

■ 2010年04月03日 撮影

やっぱりキクラゲって春のキノコだと思うんですよね。個人的に。 年中見れますが、春の本種は明らかに他の時期とオーラが違う。 一通りの少ない林道脇の立ち枯れに折り重なるように生えていました。


■ 2010年04月03日 撮影

最も大きい個体は子実体の幅が10cmに達する大型。しわの発達が著しいです。 また複数の個体が癒着し合い、一つの大きな塊になっていました。 虫食いも傷みも皆無でしたので、持ち帰って中華炒めに入れて頂きました。 これがもう激ウマで、自分よりむしろ家族が大喜びで完食しちゃいました。

■ 2010年04月17日 撮影

地面に生えてるキノコを探してたんですが、本能が「上を向け」と囁きましてね。 5mほど上に群生していました。この角度で透かしてみ見ると確かに耳に見えます。

■ 2010年06月16日 撮影

毎年立派な群生を作っていたカエデの立ち枯れですが、切られてしまいました。 一応公園内なので、倒木の危険性から公園管理者の手で・・・残念です。 ですが残った部分にちゃんと顔を出していました。残ってくれてありがとう。 雨が降っていたので裏側に虫が一匹雨宿していました。良い雰囲気でした。

■ 2013年03月19日 撮影

写真の多くが明るい褐色なんですが、本来のキクラゲってこう言う色だと思ってます。 やや緑がかった黄褐色って言うんですかね?ただの褐色じゃないって言うか。 水を吸った状態では鮮やかな色合に見えるんですが、普段はこんな色してますね。

■ 2013年04月08日 撮影

強い日差しの下で最初はハラタケ類の側生種か何かだと思っちゃいました。 よくよく見ると右端にいかにもキクラゲって感じの幼菌が出ていたのですね。

■ 2014年03月29日 撮影

沢山出る木が昨年多く処分されてしまったため出会いが少なかったキクラゲ。 それでも出かければそこそこ出会えるのは一般的な種だからでしょうか? しかし生える木が腐朽が進むなどして失われるのは樹上生菌の難点ですね。

■ 2016年03月20日 撮影

ここまで見てきて気付いた方も多いのでは?そう、子実体の色がバラバラです。 私個人は赤系と緑系と呼んでいます。緑と言うかオリーブって感じかな? この写真の物は完璧な緑系。赤系と比べるとその差は歴然と言えるでしょう。


■ 2016年03月20日 撮影

拡大してみました。右上の幼菌なんて色が濃くて良く分からなくなっています。 何か発生条件があるのかと思いましたが、どうも出る環境はバラバラのようです。 もしかして別種なんじゃなかろうかとも疑ってますが、特に根拠は無いですね。

■ 2016年04月09日 撮影

旧TOP写真でした。本種は今まで幾度となく状態の良い子実体の群生に出会っています。 しかし毎度縦構図を撮ってなかったり色がバグってたりでTOPに相応しい写真セットが無かったんですよね。 この個体群を選んだ理由はマジで耳だったからです。 ちなみに古民家の庭木の切り株に生えていました。身近にも程がありますねぇ・・・。

■ 2021年04月18日 撮影

TOP写真の生えていた立ち枯れの根本です。最初に目に入ったのはコレでした。 下向いて歩いてましたからね。惜しむらくは直射日光ガンガンで変な色に写っちゃったことか。
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