■Auriscalpium vulgar (マツカサタケ)

■ 2014年01月19日 撮影

図鑑ではその存在は知っており、ずっと出会いたかったキノコの一つ。
発生時期は秋なのですが、子実体が日持ちし真冬でも普通に見られます。
和名「松毬茸」。その名の通りマツの球果に発生するユニークなキノコ。
松かさに生える種は他にも2種ありますが、どちらもひだを持つハラタケ型。
本種だけはヒダナシタケの仲間であり触ってみると強靭な肉質です。

傘は最初茶褐色で成長すると暗褐色になり、表面はビロード状です。
見た目はマンネンタケのような傘が柄に対して大きくズレて付きます。


■ 2014年01月19日 撮影

特徴的なのは子実層托がハリタケ型と言う事。何とも異様な形状です。
似たような裏側を持つ種にコウタケやケロウジ、カノシタが有ります。
しかしこれは比較的中心生に近い傘を持つので、本種はやや異質ですね。
ちなみに針は最初白色ですが、傘が色付くと針もこのような色合いに。

小型の上に硬質菌に近い種であり、当然ながら食用価値無しですね。
本種は分解されにくい松かさを土に返す貴重な分解者なので観賞用です。

■ 2014年01月19日 撮影

青fungiさんが良く生えると言う場所に案内して下さいました。しかし地味ぃ!
最初は全然見付けられず地面に顔を近付けて周囲をウロウロしていました。
しかし目が慣れてくるとここにもあそこにもと次々と見付ける事ができました。


■ 2014年01月19日 撮影

傘を拡大してみました。これはビロードと言うか剛毛では・・・?


■ 2014年01月19日 撮影

裏返してみるとやっぱり裏は褐色の針状。裏も表もトゲトゲしいキノコですねぇ。
小型の子実体ではビロード状の柄も大型の子実体ではやっぱトゲトゲです。
特定植物体にしか生えないってのは子嚢菌類に多いので本種は新鮮ですね。
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