■Boletus aokii (ヒメコウジタケ)

■ 2018年06月30日 撮影

雑木林の斜面で見慣れない・・・いや、随分前に見た覚えの有る姿に出会いました。 ミヤマベニイグチが頭をよぎりますが、一目見て別種であると確信。 ブナ科樹木の樹下に発生する小さな小さな菌根菌です。 和名は「姫麹茸」。その名の通りコウジタケを小さくしたような外見ですね。 しかし和名に「ヒメ」と付くだけあって、その大きさはもはや別物です。

初発見は2011年。初見時に図鑑に記載が有ったことを思い出し、この名前に辿り着いた覚えがあります。 あまり図鑑に載っていないので、見ても不明でスルーしちゃいそう。


■ 2018年06月30日 撮影

傘は赤褐色で表面には亀甲状のひび割れが生じます。粘性はありません。 ちなみに傘の直径はたったの1.5cm。1円玉よりも小さいのです。


■ 2018年06月30日 撮影

本種の最大の特徴は青変性があること。変色性も比較的強く、若い子実体ではより顕著です。 上の写真で傘表皮が黒ずんでいるのも、青変性のためですね。 管孔は黄色で孔口角形なのはコウジタケに似ています。柄は上部が黄色で下方ほど赤黒くなります。 コウジタケを小さく、赤くしたと覚えておくと良いかも知れません。

情報不足ですが食毒不明として載せておきます。食わないよコレは。 コウジタケに近縁なのは確かだと思うので、もしかしたら可食かも知れませんね。

■ 2011年08月29日 撮影

実は初発見はかなり前。ですがそれ以降全く出会いに恵まれませんでした。 しかもこの時は天気も悪い薄暗い森の中だったため撮影がうまくできていませんでした。 リベンジ成功ですね。あまり発生量の多いキノコではないのかも。

■ 2019年07月13日 撮影

昨年と同じフィールドを歩いていたら斜面に目立つ赤い球体を発見。 最初は木の実かと思いましたが、近付いてすぐに本種だと気付きました。

■ 2019年07月13日 撮影

そう言えばコイツは群生するなと思い、周囲を探すと・・・ありました! しかもかなり状態の良い子実体です。正直トップ写真にしようかと思ったくらいです。 にしても本当に小さいです。直径2cm弱と言った感じかな?


■ 2019年07月13日 撮影

今回は子実体が新鮮なので傘が青変しておらず本来の色が分かりやすくなっています。 傘は暗赤色で、個人的には図鑑の記載とは逆に無印コウジタケよりも赤みが強く感じます。 傘表面が亀甲状にひび割れるのはコウジタケ似ですね。


■ 2019年07月13日 撮影

強い青変性は流石と言いますか、指で軽く触るだけでこれだけ強く変色します。 野外でも傘全体が青くなっているのも納得ですね。 管孔部の孔口が大きく見えるのも子実体の小ささによる相対的な見え方のせいですね。 こうして見ると国内で見られるイグチの中でも相当小型の種だと感じます。
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