■Boletus speciosus (アカジコウ)

■ 2017年08月12日 撮影

もろぞーさんとのオフにて予期せぬ発見。ずっと出会いたいと思ってました。 夏から秋にかけて針葉広葉混合林地上に発生する美しいイグチ「赤時候」。 曰く氏のフィールドでも中々見れないとのことで、嬉しい出会いとなりました。 本種には極めて外見の似た「えせアカジコウ」と呼ばれる類似種が存在します。 肉眼的特徴だけなので怪しいですが、今回は幾つかの点から本種としました。

以前はButyriboletus属とされたことがありました。和名ではアミアシイグチ属でしたね。 しかしこれは一時的な分類の混乱によるもので、現在ではまた元のヤマドリタケ属に戻っているようです。 ただこの分類そのものが正しいとは言えないと言う状態です。この界隈は一体どうなっているんだ・・・。


■ 2017年08月12日 撮影

ちなみに発見した時はこんな感じ。バライロウラベニイロガワリだと思いました。


■ 2017年08月12日 撮影

傘は和名のワリには赤いと言うより淡いピンク色で、穏やかな色合いです。 湿った時にやや粘性が有りますが、基本的に平滑でサラッとした質感です。 ただ傘の色に関しては類似種も似た色合いなので決め手にはなりません。


■ 2017年08月12日 撮影

裏返してみました。管孔は鮮やかな黄色で非常に強い青変性を持ちます。 全体に穏やかな色なのに、抜く際に触った部分も一瞬で濃青色に変化します。


■ 2017年08月12日 撮影

注目すべきは柄です。柄は大半が黄色ですが、下方は赤色を帯びます。 また部分的に褐色のしみを生じ、下方ほど縦長になる網目が走っています。 確実ではありませんが類似種は柄の上方まで赤みを帯びることが多い模様。


■ 2017年08月12日 撮影

もう一つ、本家と判断した理由は、これも確実ではないですが幼菌の傘の色。 類似種は灰色だけど本家は鮮やかなピンク色をしていることが多いとのこと。 ただこれも個体差があるようで、決定打にならない場合もあるみたいです。

あまり一般的ではありませんが美味な食菌として愛好家には知られています。 味も香りも食感もかなり優秀で、鍋物や煮物以外にもソテーにしてもグッド。 ただあまり収量は見込めないみたい・・・何だかんだでレア菌だと思います。 類似種で中毒したって話も聞かないですし、そちらも食菌なのかもですね。
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