■Chlorophyllum neomastoideum (ドクカラカサタケ)

■ 2009年07月10日 撮影

竹やぶに面した草むらで発見。最初はオオシロカラカサタケとしていました。
変色性を確認しなかった事と、ひだが緑色に写っていたのがその理由です。
しかしその後別の写真から変色性を確認。色も写り具合によるものでした。
竹やぶに発生していたため最初から疑ってはいたのですが・・・。不覚、
和名は「毒唐傘茸」。別名はコカラカサタケ。図鑑には両方載っていますね。

実は右に道が有るのですが、道を挟んだ反対側は住宅地。人の生活圏内です。


■ 2009年07月10日 撮影

傘は白色で中央部に褐色の大型鱗片を、周囲にも小さな鱗片を付けます。
また成長すると傘が赤みを帯び始め、老菌では全体的に褐色を帯びます。
この写真でも傘表面が少し赤くなっているのが見えるかと思います。


■ 2009年07月10日 撮影

ひだは白色で柄に隔生。柄は最初白色だが汚褐色に変化して行く。
柄の上部に環状のつばを付ける。つばは可動性で上下にずらす事が可能。
また柄の基部が膨らむが、これはこの属の菌に多い特徴なので決定力不足。
同定の決め手は子実体全体が傷付くと肉が赤変する事でしょう。

名前がネタバレですが、毒キノコです。しかも症状も比較的激しいです。
誤食すると嘔吐や下痢などの典型的な胃腸系の中毒症状を引き起こします。
幼菌をカラカサタケと間違える事故が実際に起きているので要注意です。

■ 2011年09月11日 撮影

やはり竹やぶ林でしたね。こっちの方が図鑑で良く見る姿でしょうね。
老成と乾燥によって子実体全体が傷み、あちこちが赤褐色になっています。
別名「コカラカサタケ」と言うだけあって明らかにオオシロより小型ですね。


■ 2011年09月11日 撮影

ひだに触れると赤みを帯びるのが本種とオオシロとの有効な判別方です。
自然と擦れた部分が所々少し赤みを帯びているのが写真でも確認できますね。
ただオオシロも淡く赤変するので、発生環境とひだの色セットで覚える必要アリ。

■ 2011年09月09日 撮影

「コカラカサタケ」と呼ばれるだけあって、オオシロより明らかに小型ですねー。
この個体群は見事に竹やぶの地上に群生しており、典型的な発生状態でした。
こんなのばっかなら苦労は無いのですが・・・中間的な個体が多いのが難点です。

■ 2013年11月02日 撮影

オオシロと本種の両方を何度も見たせいか何となく雰囲気が分かって来ました。
やはり本種は竹やぶ笹やぶを好みますね。まず間違い無く近くに有ります。
あと柄が傘に対して細いですね。オオシロカラカサタケはもっと太いですね。


■ 2013年11月02日 撮影

裏返してみると全体的に何となく赤っぽいのが分かります。ひだも白いですし。
道傍であのオリーブ色のひだを見慣れているとこのひだは逆に新鮮ですわ。

■ 2016年10月09日 撮影

竹林から少し離れているのでオオシロか迷いましたが、ドクで良さそうです。
数日前にかなり雨が振ったため、雨滴に叩かれて鱗片が消滅しています。
茶色い鱗片は薄皮状で脆く、雨が降るとこんな感じになる事が多いです。


■ 2016年10月09日 撮影

裏返してみると見慣れた裏面。古くてもひだがオリーブ色じゃありません。
にしても本属菌含めカラサカ系はテングタケ科同様整った形で良いですね。
■図鑑TOPへ戻る