■Ciboria caucus (キボリア カウクス)

■ 2015年03月21日 撮影

2月に湿地のハンノキ林を必死に探すもスカして時期を逃してしまった本種。
しかし実況中に湿地とは程遠い山間のオオバヤシャブシの樹下で発見!
和名無しのキボリアキンカクキン属菌、「キボリア アメンタケア」です。
ハンノキの尾状花序に寄生して椀形の子実体を形成する子嚢菌類です。

以前は「C. amentacea」とされていましたが、現在は変更されている模様。
ちなみに「amentacea」は「尾状花序」の意味。「caucus」は分かんない!

気温が低い時期に発生し、高緯度地域では4月頃まで見られるとの事です。
残雪の中からも見付かるとの事ですが、意外と遅い時期でも見れるのですね。
オオバヤシャブシはハンノキより花期が遅く、もしかして花期を感じて・・・?


■ 2015年03月21日 撮影

子実体はかなり小型で直径は大きくても1cm程度。色は黄褐色です。
ツバキやモクレンの奴らと比べると何と言うか・・・彩度が低いですね。
椀の中央部は少し凹み、淵の部分が白く縁取られるのが特徴です。

出会うだけでも大変ですが食毒不明なのでますます探す気が失せますね。
湿地のハンノキ林で本種を見付けるのは並々ならぬ努力が必要ですよ?
仮に食えるとしても採りに行けるものなら行ってみろって感じですから。

■ 2015年03月21日 撮影

本種はキンカクキン科のくせに「明確な菌核を形成しない」と言われています。
確かに図鑑の写真でも朽ちた尾状花序から直接発生している様子が分かります。
同属のキツネノワンがクワの実形の明確な菌核を作るので確かに異質ですね。

ですが、実はこの写真の中に「菌核」的な物が写っています。分かりますか?


■ 2015年03月21日 撮影

左に見える黒いスギの落葉みたいなもの、これ子座化した尾状花序の芯です。
内部が完全に菌に置き換わっており、魚の骨のような細長い菌核と言えます。
オオバヤシャブシは花が大型なので、ハンノキの場合はもっと細くなります。

■ 2015年03月21日 撮影

綺麗な幼菌を発見。椀の周囲の白い縁取りがこの頃はハッキリ分かります。
海外の写真でも同じような縁取りが見られるので、本種の特徴なのでしょう。

■ 2015年03月22日 撮影

興奮のあまり地元の広報に気付かずに実況録っちゃったので翌日リベンジ。
せっかく来たので菌核部分を掘り出して綺麗にしてみました。こんな感じです。
見た目は菌核と呼ぶにはあまりに細く、朽ちたスギの葉にしか見えません。

■ 2015年03月22日 撮影

色合いが地味なためモクレンのキンカクキンに比べて見付けにくいですかね?
大きさも少し大きい程度なので、ツバキンと比べるとかなり小さく感じます。

■ 2016年03月20日 撮影

現地に到着して唖然!何と遊歩道整備で生えていた場所が削られている!
全滅かと思いましたが場所を変えてちゃんと出ていてくれました。良かった。
こうやって消えて行った貴重なキノコも多いんでしょうね。ちょっと複雑です。


■ 2016年03月20日 撮影

探しま回ると以前は探しても無かった比較的高い場所で発見しました。
危機を感じて逃げたか、それともただの偶然か。・・・偶然でしょうね。
子実体の右側にブドウを食べた後のような黒いスギっ葉のような菌核が。

■ 2017年03月12日 撮影

今年も出ました。今年は寒くて色んな樹種の開花が遅れているんですけどね。
ちゃんと毎年同じ時期に出てくるのは流石です。少しフライング気味ですが。

■ 2017年03月12日 撮影

はいヤラセです。ただほとんど落ちていなくて、尾状花序も開いてませんね。


■ 2017年03月12日 撮影

上のカールした黒い杉っ葉みたいなのが菌核ですね。かなり露出しています。
この状態でもどこか一部埋まっていれば水分的には特に問題無いみたいですね。
撮影中に綺麗なダニが歩いて行きました。ミドリハシリダニの一種のようです。