■Ciborinia gracilipes (キボリニア グラキリペス)

■ 2013年03月19日 撮影

その存在を知った時からずっと会いたいと思っていました。念願叶ったり!
名前を見れば分かると思いますが、本種はまだ和名が存在しません
結構前から存在は知られていたようですが、不思議と呼び名が無かったり。
奥に見えるのはモクレンの実。モクレン科の樹下にのみ発生します。
モクレンやハクモクレン、コブシやホオノキの樹下で良く見られるようです。

この学名は海外種の物を用いていますが、別種の可能性が多分に有ります
論文上でも国産と同種であるとの結論には至っておらず、あくまで通説です。
当サイトでは別種の可能性が極めて高いが、現在はこの名を用いるとします。


■ 2013年03月19日 撮影

子嚢盤は茶碗形から平らに開きますが、中央の凹みは残ります。色は赤褐色
赤い色素を含む組織を持つので、他のキンカクキン科と比べて赤みが強いです。


■ 2013年03月19日 撮影

子嚢盤より下は細い柄が有り、これが種小名「細い足」の由来みたいですね。
右に見える黒い消しゴムのカスを指で押したような平らな塊が菌核です。
内部は淡い褐色で弾力が有ります。割ってみて本種の菌核だと確信を得ました。
胞子は地面に落ちた花弁に付着して、黒色の円形〜楕円形のシミを生じます。
やがて周囲の花弁だけが朽ち、このような平らな菌核だけが残ると言うワケ。
そして次の年の春に菌核から短い柄を伸ばし、子嚢盤を形成するサイクルです。

ちなみに写真では大きく見えますが、実際は大きくても5mm程度ですよ。

調べてみましたが文献があまりに少なく、食毒不明とせざるを得ませんでした。
近縁なツバキキンカクチャワンタケが無毒ですし、食用価値無しだとは思いますが。
そもそも非常に小型のキノコですので、仮に食えても食べた気しないでしょうけど。

■ 2013年03月24日 撮影

車で走ってて前々から気になっていた山間部の集落の中に有るハクモクレンの樹下。
気になって見に行ってみると、やっぱり有りました。分布は相当広いようですね。
しかし普通のモクレンの樹下と比べると子実体がやや小さいように感じられました。

■ 2013年03月30日 撮影

今年のエイプリルフールネタの主役はコイツでした、実況の目的でしたからね。
近所の普通の公園に白い花は見えていたので、探すのは難しくありませんでした。
グラウンド脇のハクモクレンの樹下には数え切れない量の本種の大群生がががが!
正直こんなに身近に生えてたとか・・・あんなに苦労して探したのは何だったのか。

■ 2013年03月30日 撮影

近くに真っ白なハクモクレンの花びらが落ちていました。絵になりますねぇ。
それにしても本当に小さくて赤いですね。本種だと一発で分かります。
小型なので強い日光が当たると子実体が透け、透明感が有って美しいですね。

■ 2013年05月03日 撮影

2ヶ月ほど経ってから最初に発見したモクレンの樹下を訪れてみました。
子実体は綺麗サッパリ消え失せ、周囲は雑草と萎れた花弁ばかり・・・。
その中に有りました!これが花弁表面に掲載された菌核の姿です!
触ってみると弾力が有り、カラカラの花弁のでここだけ水分が有ります。
やがて周囲の花弁は腐ってなくなり、この部分だけが残ると言うワケ。

■ 2014年03月29日 撮影

うわぁ・・・。正直こんなに生えていると流石に気持ち悪いですねぇ・・・。
ここ近所の公園のハクモクレンが植わった運動場脇の土の溜まった側溝です。
すぐ下がコンクリートなのですが、そんなのお構い無しに生えています。


■ 2014年03月29日 撮影

一株取って花弁の上に置いてみました。平らな黒い菌核が確認できます。
何故こんな綺麗に取れたかと言うと、菌核が最初から露出していたからです。
菌核は乾燥に相当耐えられるようですね。土がほとんど無いのに驚きです。

■ 2014年03月29日 撮影

ここまで出ているとは・・・しかも運動場の脇に・・・。

■ 2014年03月29日 撮影

何だかんだで水分が多い方が大きくなれるのかな?この子実体は立派!
周囲が苔生している事からも分かりますが、木陰の少し湿った場所です。
赤みが強くて良く目立ちます。まぁ立派と言っても直径5mm程度ですけど。

■ 2014年04月05日 撮影

初めて本種を発見した山沿いにポツンと立つ紫花のモクレンの樹下を訪れました。
手入れされていないのか下草が以前より茂っており見付けるのが困難でした。
鹿の糞を踏まないよう慎重に地面を探ると・・・うん、やっぱ居ました。


■ 2014年04月05日 撮影

しゃがんでビックリ、凄い大きい!珍しく1cm級のビックサイズです。
大きくてもこの半分チョイくらいの大きさしか無い種なのでこれは大収穫!

■ 2014年04月13日 撮影

京都御苑でも有りました。モクレンの樹下に小規模な群生を作ってました。
あまり良い子実体は無かったんですが、代わりに興味深い物を発見しました。
落下して萎びた花弁に明らかに膨らみが有り水分を含んだ楕円形の部位が。
これが菌核の形成途中と思われます。後に周囲が腐り菌核だけが残ります。

■ 2015年03月21日 撮影

ツバキキンカクチャワンタケの発生報告が落ち着いた頃に姿を見せる本種。
以前四月馬鹿実況で撮影を行った運動公園のハクモクレンの樹下で再会です。


■ 2015年03月21日 撮影

デジタル一眼レフを買ったのでマクロレンズで思いっ切り拡大してみました。
ここまで拡大できるのかって感動と良くここに糸張ったなってクモへの感動が。

■ 2015年03月21日 撮影

本種の魅力は「縁」だと思います。厚みが無いので透明感が際立つのです。
また苔や下草が茂る場所に出ている事が多く、緑と赤のコントラストが秀逸。


■ 2015年03月21日 撮影

初めて本種に出会った山間のモクレンの樹下に帰って来ました。落ち着きますね。
やはり最初に見付けた場所って思い出なんですよね。大切にしたいと思います。
ただここ大型で立派な子実体が見れるのですがシカの糞が酷いのが難点。
子実層面に乗った微細な砂粒がくっきり写るマクロレンズの性能にビックリ。

■ 2015年04月04日 撮影

雨上がりの後はやっぱ違いますね。いつもの公園脇にいっぱい出ていました。
ただ今年はモクレンの花が全然咲いておらず、来年の発生に一抹の不安が。

■ 2016年03月20日 撮影

いつもの公園へと足を運んでみました。少し早いけど暖冬のためか最盛期。
最近写真の撮り方にこだわってるんですが、本種はどうも難しいんですよね。
ツバキキンカクと違ってモクレンの花はバラバラになるのが玉に瑕ですよ。

■ 2016年03月20日 撮影

やっぱりマクロレンズで撮るかルーペで覗かないと本種の魅力は分かりません。
子実体の小ささと子嚢菌類ならではの透明感からこの美しい色合いが生まれます。

■ 2017年04月02日 撮影

地元のハクモクレンが前年に全然咲かず、一番近いフィールドが振るわず。
久し振りに初心に立ち返って初発見場所へ戻って来てしまいましたよ。
やはりここは山からの水が染み出しているだけあって良い状態で見れます。

■ 2017年04月02日 撮影

初発見場所は普通のモクレンの樹下ですが、何がヤバいって下草がヤバい。
かつシカの糞がヤバくて三脚を置くだけで慎重にならざるを得ないヤバさ。