■Coprinellus disseminatus (イヌセンボンタケ)

■ 2010年10月03日 撮影

完全に朽ちてしまって何だか分からない苔生した広葉樹の倒木に大発生!
和名「犬千本茸」。その名の通り千本どころじゃない大群生を作るのが特徴です。
ヒトヨタケを小さくしたようなキノコで、世界中に広く分布する腐生菌です。
小規模な発生を見た事は有ったのですが、これほどの大群生は初見でした。
木材から直接出ますが、周囲の地面にも材が飛散しているので生えてますね。
ちなみにあちこちに顔を出している黄色っぽいのはナラタケの幼菌です。


■ 2010年10月03日 撮影

傘は釣鐘型で、成長に伴って白色から灰色に変化します。周囲には条線。
柄は半透明で極めて細く脆いため、軽く触っただけで崩れ落ちてしまいます。


■ 2010年10月03日 撮影

見上げてみました。壮観ですね・・・。傘が1cmにも満たない極小キノコですよ。
これだけの数が集まっていると、凄い存在感と言うか威圧感と言うか・・・。
ひだは白色で胞子が成熟すると黒色に変化します。ただ傘は液化しません
また上の傘から胞子が落ちて下に積もるため、下方の傘ほど黒っぽくなります。

毒は無いようなのですが、子実体のサイズ、脆さ的に食用価値無しです。
まぁもし仮に料理に放り込んだら、自然と灰色のペースト状になるでしょうね。

■ 2010年10月10日 撮影

3日以降パッと姿を消していたイヌセンボン。1週間後にまた復活していました。
2日ほどで完全に消え失せたのに、2日ほどでまた元通りになるとは・・・。
ヒトヨタケに近い種は成長は早いけど消滅するのも早いのでマジ一期一会。


■ 2010年10月10日 撮影

そう言えば拡大写真が無かった!って事で傘に寄って撮ってみました。
条線が傘の中央付近から入っているのが特徴的ですね。愛らしいです。
また柄の表面が微毛状になってますね。あと付け根の毛が可愛い。


■ 2010年10月10日 撮影

せっかくだし裏側も寄っておこうか。良く見ると傘も若干微毛状なんですね。
胞子が黒色なので、成長するとひだが黒っぽくなります。影じゃないよ?

■ 2012年07月07日 撮影

キノコ狩りで少し時間が余ったので仕事場付近の渓谷に足を運んでみました。
全体的にキノコは出ていませんでしたが、ちょっと大人しい、でも可憐な出会いが。
苔生した広葉樹の立ち枯れにとても清楚なイヌセンボンの小群生を発見しました。


■ 2012年07月07日 撮影

大群生がウリの本種ですが、こう言う生え方も画になりますねぇ・・・素敵です。
また本種の柄は非常に細く半透明なのでまるでプラスチック細工に見えますね。
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