★Coprinellus domesticus (コキララタケ)

■ 2014年06月16日 撮影

カキの樹下に打ち捨てられた材に発生した最初に発見したのはボロボロの子実体でした。 やっとリベンジ叶いました。夏に広葉樹落枝上に発生するキララタケの近縁種「小雲母茸」です。 一般的な種ですが、典型的な発生状況に出会うのは至難の業だったりします。 やっと図鑑で見るような見事な姿を拝むことができで大満足でした。 本種は「オレンジ色の絨毯」と覚えておくと印象に残ると思いますよ。

以前はCoprinus属、つまりヒトヨタケ属でしたが、その後大改編がありました。 現在はキララタケ属となっているので注意です。 外見が似た種は存在するのですが、本種は非常に個性的な特徴を持っているので判別は容易でしょう。


■ 2014年06月16日 撮影

傘は黄褐色でヒトヨタケの仲間らしい釣鐘型。表面に大きな白い鱗片があります。 硬いように見えますが、これは粉末が固まった物で、触れるとポロポロ崩れます。 この鱗片が雲母に見えるとのことですが、キララタケほど雲母ってないかな?


■ 2014年06月16日 撮影

裏側です。ひだは最初白色ですが、胞子が熟すとほぼ黒色に変化します。 柄は綺麗な白色。木材から発生するのですが、足元の様子が何か変ですよね?


■ 2014年06月16日 撮影

最大の特徴はコレ。分かりますか?木の表面に不自然なオレンジ色の綿毛が。 これがコキララの最大の特徴。「オゾニウム」と言う菌糸マットです。 本種はなぜか菌糸が朽木上に現れると言う不思議な特徴を持っています。 周囲に散生することが多いですが、調子が良いと材を覆い尽くします。

多少を毒素を持つことが多いヒトヨタケの仲間ですが、本種は食用になります。 小型で食感があまり無いため、そのものを料理に用いるのはちょいと難しいです。 風味が良いので、スープ等に浮かせて彩りに使う事が一般的のようですね。

■ 2012年07月07日 撮影

これは以前見付けていた子実体。オゾニウムがあまり確認できませんでした。 本種のオゾニウムは樹皮の内側の隙間などにあって見えづらいこともあるので注意です。 そのような状態だと子実体だけが目立ち、本種らしくなかったりします。 それでも周囲に少しオレンジ色の菌糸が見えてますね。分かりやすいヤツよ。


■ 2012年07月07日 撮影

ただし綺麗な裏の写真は撮ってました。若い内はひだも綺麗な白色です。 熟すと暗色になりますが、他のヒトヨタケの仲間と違ってあまり液化しません。 ただ全然しないワケではなく、古くなると少しとろけては来るみたいです。

■ 2015年07月11日 撮影

公園を歩いていて遠くからでもすぐに分かりました。木にオレンジの絨毯が。 こんな色の菌糸ハミ出してるようなキノコはコキララくらいしか居ませんし。

■ 2020年07月11日 撮影

2014年に撮影した場所に戻って来ました。 流石に同じ材はもう朽ちて残っていませんでしたが、すぐ近くの材に発生していました。 日付を見れば分かりますが5年振りの再会でした。意外と見ていませんでしたね。 本種は意外とヒトの生活圏に近い場所で見られるので、探す際に盲点になります。 実際にココまでの写真は全て集落内や町中の公園で見付けたものです。
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