■Dacryopinax spathularia (ツノマタタケ)

■ 2009年07月02日 撮影

コイツは見たことあるって人多いでしょうね。小さいくせに知名度は高いですから。 とある集落の用水路にかかる木の橋に群生していて、遠くからでも分かりました。 一応キクラゲに近しい種「角又茸」です。針葉樹広葉樹を問わず各種腐朽材上に発生します。 ちなみにツノマタと言うのは同名のスギノリ科ツノマタ属の海藻に由来します。

古い木製ベンチには高確率でこいつが居ますよね。 設置されて時間の経過した木製人工物に良く発生するので、自然と登山者は出会う確率が高くなります。 ヒトの生活圏内にも良く現れます。


■ 2009年07月02日 撮影

色は鮮黄色で不規則に波打つへら型。種小名の「spathularia」が「へら形の」って意味ですからね。 子実体は華やかで肉に透明感があり、とても愛らしいです。 肉はゼラチン質で乾燥すると縮み、色も黄色からオレンジ色になるので、まるで別種のようになります。

食用価値無しです。毒は無いようですが小さすぎて採るのすら難しいです。 こんだけ小さいと流石に食欲なんてどこからも湧いて来ませんよ。

■ 2011年06月25日 撮影

見るには見るんですよ、頻繁に。それこそ人家の木材にも出るヤツですから。 ただ古かったり乾燥してたり、とにかく写真映えしないんですよね。 珍しく水分を吸った個体群を見付けたのでパシャリ!

■ 2013年11月13日 撮影

可愛いのが苔生したスギ材の皮の隙間からヒョッコリ顔を出していました。 このキノコ、不思議と観察会で女性参加者の皆様にやたら人気だったらしいですね。 確かに可愛いです。個人的には本種は針葉樹材を好むように感じます。

■ 2013年12月21日 撮影

最初見た時は何事かと思いました。ここまで大きいツノマタは見たこと無いです。 本来は背の低い本種ですが、伸びすぎて枝分かれして別種みたいな姿に・・・。 でもこの姿になると見た目的にはまさしくツノマタ(海藻)ですね。

■ 2015年06月27日 撮影

スギ材に発生した群生です。やっぱり針葉樹が好きなのかな? 確かに丸太の腰掛けは丈夫な針葉樹材で作られていることが多いですもんね。

■ 2019年10月13日 撮影

標高の高い林道の道路脇に打ち捨てられた間伐材に発生していました。が、デカい! 低地で見るものとはまるで別物です。やはり定期的にガスるのが良いのでしょうか?

■ 2019年10月13日 撮影

やっぱり大きいですね。低地で見るものの数倍はあると思います。 どれくらい大きいかと言うと走行中の車内から気付くレベルの大きさなんですよね。 正直別種なんじゃないかと一瞬思ってしまったくらいに大きいです。 暗色の針葉樹材にこの鮮やかな黄色ってのも目立つ理由ではあるのですが。


■ 2019年10月13日 撮影

これだけ大きくなってくれていると分岐したへら形の子実体だと言うのが分かりやすいですね。 子実層は片面にしか形成されず、微毛が生えて白っぽくなっていない側が子実層になります。 左の子実体がまさに外側が粉を吹いたように白くなっているので、内側が子実層のようです。

■ 2020年07月05日 撮影

いつもの公園に行ってみたらメッチャカッコイイ写真が撮れました。 ただのツノマタなんですが、生え方と言うか周囲の環境が秀逸ですね。 何か水墨画みたいな雰囲気だったのでちょっと構図を考えて撮影してみました。
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