■Elmerina holophaea (ムカシオオミダレタケ)

■ 2009年07月24日 撮影

実は以前も同じ木で見たのですが、朽ちてしまっていたので掲載断念してました。 非常に特殊なキノコ、「昔大乱茸」。こう見えて実はキクラゲ類に属するのです。 科はヒメキクラゲ科。キクラゲの仲間なのに乱れたひだを持つのが最大の特徴です。 非常に大型化する種で、大きくなると15cmに達する事もあるそうですよ。

以前の属名は「Protodaedalea(原始のホウロクタケ)」でした。これが「ムカシ」の由来かな? 外見がいわゆるタコウキン類に似ているため、確かに納得ではありますが、現在はこの属名に変更されています。


■ 2009年07月24日 撮影

本来はもっと平ぺったくなるのですが、育ちが良いのかな?メチャクチャ厚い! 色は淡褐色で、触ってみると硬質菌っぽいのにやや弾力が有ります。


■ 2009年07月24日 撮影

・・・。不適切な写真かも知れませんね。これが本種の特徴的な裏側です。 本種の裏側は粗く乱れたひだなのです。しかもゼラチン質で軟らか〜い♪ ただこの個体はひだ同士がつながり合い、まるで管孔のような姿になってます。 傘が薄い場合は明確なひだになりますが、傘が厚いとこんな感じになるそうです。


■ 2009年07月24日 撮影

もう一つの特徴、それは傘の表面が羽毛状に分岐した突起に覆われる事。 これは非常に萌える特徴であり、同じくゼラチン質なので触ると癒されます。 これに一体何の意味が有るのか分かりませんが・・・原始的な菌なのかな? とてもキクラゲの仲間に見えませんが、担子器がシロキクラゲに類似します。

香りを嗅いでも特に不快臭は無し、肉もやや柔らかいですが、まぁ食えないでしょ。 と言うか非常に珍しいキノコですし、裏側も見れるので採取も勿体無い気もします。 地域によってはレッドデータブックに掲載されていますので・・・。


■ 2009年07月24日 撮影

おっきさはこんな感じ。非常に萌える外見です。

■ 2009年07月24日 撮影

毛と言うかこれは肉と同質と言う感じですね。別物には見えません。 太さも透明感も有り、触ると軟らかいですがちゃんと弾力も返してきます。

■ 2009年07月24日 撮影

右奥に見えてますね、柵が。そう、この木は道路脇に突っ立ってるんです。 人目に付く場所に有りますので、訪れた際は是非拝んであげて下さいねー。 手前の個体はかなり若いようで、傘の表面の産毛?が愛らしいです。
それと寿命が非常に短く、一週間ほどで溶けて崩れてしまうので要注意。

■ 2013年09月07日 撮影

富士のブナ林で久し振りの再開となりました。これは予想外で嬉しかった! 大台ヶ原の自生地が崩壊した事で実に4年以上見る事が叶いませんでした。 薄手の個体では迷路状の管孔ではなく、ごく普通のひだ状なんですね。

■ 2013年09月14日 撮影

4年振りの再開は最初に発見した大台ヶ原でも叶いました!生き残ってたよ! 感動のあまり登山客居るのに「おー!久し振り!」って叫んじゃいました。 でも初めて発見した自生地が消滅し、数年後に復活してたら嬉しいですよ。


■ 2013年09月14日 撮影

裏側を覗いてみました。倒木に生えていたのでひっくり返せませんからね。 以前は管孔みたいになってましたが、今回はちゃんと迷路状になってます。 この個体は傘が薄いですし、肉厚の個体だと繋がって管孔状になる模様。

■ 2015年08月08日 撮影

あまり収穫の無かった大台ヶ原のブナ林散策で唯一の大物がコイツでした。 ・・・にしても何か変な形をしているな。基部の形状に違和感が有ります。


■ 2015年08月08日 撮影

あーこれ途中で材の角度が変わったからこんな変な形してるんですね。 これ大台ヶ原の車道沿いに捨てられた間伐材?の小さな丸太なんです。 恐らく発生してから手前に少し転がったせいで傘の角度が変わったんですね。

■ 2017年08月05日 撮影

久々の登山で疲れている中、急な上り坂で慣れない足はガックガクでした。 しかしその道中で本種を発見し、一気に疲れが吹っ飛ぶのを感じましたね。 まぁ撮影で足を休めたからってだけなんですけどロマンは大事ですので。


■ 2017年08月05日 撮影

どうやらかなり古かったようで傘も表面のボサボサも溶けかけていました。 この状態になると雰囲気がガラッと変わるので、一見本種と気付かないかも。

■ 2018年10月07日 撮影

久し振りの大台ヶ原で久し振りの再会! 最初に本種に出会った思い出の場所なので、ここで会えるとやっぱり嬉しいものですね。 そう言えば今回は生えている材がブナじゃないような・・・ミズナラかな?


■ 2018年10月07日 撮影

久し振りの大台ヶ原で久し振りの再会を果たしました!1年振りかな? 最初に本種に出会った思い出の場所なので、ここで会えるとやっぱり嬉しいものですね。 そう言えば今回は生えている材がブナじゃないような・・・ミズナラかな?


■ 2018年10月07日 撮影

この特徴的な形状は見間違いようがありません。 最近は本種に近縁な裏側の構造が異なる種が国内でも見付かってるみたいですけど。


■ 2018年10月07日 撮影

かなり大きな子実体もありました。傘表面のボサボサも良い感じに出ていますね。 奥に見える幼菌はまだ子実層面が出来ておらず、毛玉のような状態になっていて可愛いです。 触ってみるとやはりしっとりしており、硬質のキノコとは縁遠さを感じますね。 老成して落下したものは乾燥すると凄く縮みますし。


■ 2018年10月07日 撮影

やはり裏側は撮らないとダメでしょう。この迷路状のひだ、堪りません! 場所が場所なので採取は叶いませんが、できれば採取可能な場所のものを顕微鏡観察してみたいですね。 キクラゲ型なんだってことをこの目で確かめたいですし。
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