■Entoloma sarcopum (ウラベニホテイシメジ)

■ 2008年10月13日 撮影

秋になるとブナ科樹下に発生。2008年中に両方見る事ができて良かった。
中毒事故が多いクサウラベニタケと極めて良く似ている事で有名ですね。
和名に「シメジ」と有りますが、シメジ属ではなくイッポンシメジのお仲間です。
和名は「裏紅布袋占地」。ひだは赤いですがホテイシメジとは別科別属です。


■ 2008年10月13日 撮影

クサウラと間違われる事が多いですが、じっくり見れば結構相違点が多いです。
まず傘ですが、薄っすらと黄色を帯び、表面には白いカスリ模様が有ります。
また個体差は有りますが写真のようにが出来る事が多いです。
このような模様は近縁の毒菌のクサウラベニタケやイッポンシメジには有りません。


■ 2008年10月13日 撮影

引っこ抜いてみました。指で摘んですぐ気が付くのは柄が硬いと言う事。
クサウラの柄の内部はスポンジ状ですが、本種は中実でぎっちり詰まっています。
当然クサウラの柄も個体によっては詰まってたりするので油断はできませんが。
また和名の「裏紅」を見ても分かるように、ひだが熟すと紅色を帯びます。

まぁどうしても迷ったらかじってみましょう。苦ければ本種の可能性大です。

クサウラベニタケのお陰で恐がられ気味ですが、本種は立派な食菌ですよー。
肉に苦みが有りますが、これがまた良いとの事。ボリュームが有り食べ応えが有ります。
苦みと粉臭さは本属の運命。一度茹でこぼせば気になりません。油炒めが良いそうで。

■ 2010年11月03日 撮影

2009年は全然出会えなかったウラベニホテイ。同じ場所で大発生していました。
巨大な株が雑木林の木陰にワラワラ。傘が10cmオーバーの個体ばっかでした。


■ 2010年11月03日 撮影

印象的だったのは傘表面の通称「指で押したような斑紋」ってヤツですね。
どう見ても雨で流れた跡にしか見えません。こんなに出る事も有るんですね。
でもお隣さんや周囲の個体を見てみるとここまで顕著ではありませんでしたね。

■ 2010年11月03日 撮影

そう言えば撮っていなかった「裏紅」の名前の由来。ひだが赤くなるんです。
イッポンシメジ属の胞子は淡紅色なので、胞子が熟すとひだが変色します。
ただ毒キノコのクサウラベニタケも同属なので同定には役立たないんですけどね。
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