■Fomes fomentarius (ツリガネタケ)

■ 2018年10月07日 撮影

良い写真が無かったので大台ヶ原に狙いに行きました。ブナ林では定番ですよね。 名前はその見た目のまんまの「釣鐘茸」。釣鐘に似ているために付いた和名です。 ブナ林帯へ行けばほとんどの倒木に生えていると言っても過言ではありません。 しかし逆にそれ以外の環境ではてんで見かけません。

実は本種は大型と小型の2形態が存在するやや特殊な硬質のキノコ。今回のものは小型。 大型は横に傘がせり出し、傘の形状も大きさも、全く異なった様相を見せます。 ただし大型、小型両方ともがブナ材に生えると言う特徴を持っています。


■ 2018年10月07日 撮影

拡大してみました。良く見るような姿に見えて低地ではまず見れない姿です。 多年生で、成長すると横ではなく斜め下に伸張してツリガネ状になって行きます。 若い内はこのように褐色を帯びていますが、古くなるとほぼ灰色一色になります。

当然ですが食不適です。石のように硬くてそれどころじゃないです。

■ 2008年08月24日 撮影

初発見はブナの巨大な倒木の根元。木の太さは80センチは有っただろうか? 朽ちて黒くなった本種の残骸が倒木の一面に付いており、年数の経過を感じました。 車を降りるとこの時期なのに鳥肌が立つほどの涼しさ。じっくり見れば良かった・・・。


■ 2008年08月24日 撮影

ローアングルから狙ってみました。コケ生した倒木に生える様は実に画になります。 管孔は白色で小さな孔口がビッシリ開いています。 やがてこの下面にさらに子実体が形成され、どんどん下へと伸びて行きます。

■ 2008年08月31日 撮影

前回行った際は感動と焦りのあまり全体像を写すのを完全に忘れていました。 駐車場へ向かう道の途中に倒れた大きなブナの朽木が数本寝そべっています。 その全てが本種に覆い尽くされています。本種に食べられたのでしょうね。


■ 2008年08月31日 撮影

コケに覆われた樹皮に無数に生える本種は何とも魅力的で絵になりますねー。 黒くなっているのは先代。何度も代替わりして今に至るのでしょうね。 立ち枯れたブナと凄まじい降雨量のお陰で、ここはキノコの楽園と化しています。

■ 2008年08月31日 撮影

立ち枯れて苔生したブナの表面に無数の本種が生えています。良い雰囲気。 小さいけど分かりますか?傘が横よりも下に伸びているの。だから「釣鐘」。 本種は白色腐朽菌なので、いずれは芯材が腐って倒れるんでしょうね。

■ 2008年08月31日 撮影

コケがあまりに良い雰囲気だったのでオマケでパシャリ。

■ 2013年10月27日 撮影

本当に有るのかなと思ってたら本当に有りましたツリガネタケの大型タイプ。 一見するとコフキサルノコシカケかと思えますが、全然粉を噴いていませんね。 しかしこうして見ると同じ種だとは到底思えないのですが・・・マジなん?

■ 2018年10月07日 撮影

小型タイプとしては珍しく平らに成長していました。 ここから下に伸びていくんでしょうか? 普段はもっと縦長な子実体になるので、傘が平らだと環紋が綺麗ですね。

■ 2018年10月07日 撮影

微妙に日が差し込んでおり撮影が困難でしたが、個人的にはこの日一番綺麗に撮れたツリガネさん。 倒れたブナ材の断面に無数の子実体を形成していました。 良い感じに影になって手前の釣鐘形の子実体が強調されていました。 ブナ林と言うと魅力的なキノコが多くソチラに目移りしがちですが、本種のような渋い魅力も乙なものです。
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