■Galiella celebica (オオゴムタケ)

■ 2016年04月29日 撮影

比較的普通の種ですが、この大きさの子嚢菌類って時点でテンションMAX! チャワンタケ型の子嚢菌類の中でもずば抜けて巨大なので愛好家さんからの人気も高いですね。 見た目も弾力もまさにゴム。その名も「大護謨茸」と言うまんまの名前です。 発生期間は比較的長く、初夏から秋にかけて倒木上に発生します。 名前の似たゴムタケは子実層面が黒色で外側が褐色と全然違います。

本種は偽菌核プレートを形成する子嚢菌類としても知られています。 これは材が他の菌に横取りされないよう表面を自信の菌糸で覆い、 内部を保護したもの。森の中で真っ黒になった腐朽材を見かけたら偽菌核プレートを疑ってみてね。


■ 2016年04月29日 撮影

正面から見てみました。この穴の中の滑らかな面が胞子が作る子実層面です。 分かりやすく言うと異様にブ厚いチャワンタケだと思って頂ければ良いです。 この面に刺激が加わると表面からパッと胞子を噴出します。虫に付けるため? 側面はザラザラした肌触りで柄はありません。全体的にオリーブ褐色ですね。


■ 2016年04月29日 撮影

こう見えて内部はまるでナタデココのようにほぼ透明でプルプルなんです。 胞子を作るのは上に見える薄い層。ここに胞子の詰まった子嚢が並びます。 子実層面に刺激が加わると一気に胞子が押し出されて勢い良く噴出します。

ほとんどの図鑑で食用価値無しとされていますが、食べられると良く聞きます。 湯がいてデザート的に食すことができるようですが、味はあまりありません。 まぁ1回くらい経験しとけば良いんじゃね?的な食用価値なんだと思います。

■ 2014年06月14日 撮影

地元の林道を車で走っていて、水分の多い怪しい雑木林の斜面を発見。 降りて側溝周辺をジロジロ見て回ると明らかに不自然な形状のモノを発見。 昔とある方が言っていた「何か臭う」と言う感覚が分かってきた気がします。


■ 2014年06月14日 撮影

うん。可愛いわ。黒いシミが出来た子実体が多いですね。



■ 2014年06月14日 撮影

偽菌核プレートが良く分かる光景です。材の中は白っぽいですね。 ここはオオゴムパラダイスですね。少し歩くと綺麗な群生を発見しました。 写真では見えにくいですが中央の材の一番奥の方にも1株生えています。 手前の子実体は老成していますが、その奥に個人的に見たかったヤツが。


■ 2014年06月14日 撮影

これです!これが見たかったんです!これこそ愛らしさMAXの幼菌です! 幼菌時は子実層面が小さく外側のボサボサした部分が大きく見えています。 ここから中央の小さな凹みが大きく広がり、見慣れた筒状の姿になります。

■ 2017年09月24日 撮影

地元の里山で安定して見れます。夏場では貴重な子嚢菌類なので助かります。 まだ子実層面が見えていない幼菌から成菌まで一通り見れる良い構図ですね。

■ 2018年05月20日 撮影

この日は顕微鏡観察用のサンプル探しだったので、普段はスルー気味のオオゴムも採取しました。 時期的にちょっと遅かったようで、白くカビている子実体が目立ちましたね。


■ 2018年05月20日 撮影

ちょっと心配でしたが子実層は観察できる鮮度でした。


■ 2018年05月20日 撮影

面白かったのが何と言っても子嚢胞子です。楕円形なのですが注目すべきは大きさです。 大きいものでは長さが何と40μmもあるのです。最大で45μmに達することもあるのだとか。 でも30〜40μmの間ぐらいのが多いかな?また内部には油球があったり無かったりします。 油球に関しては図鑑に書かれていないのが気になりますが・・・。


■ 2018年05月20日 撮影

まぁコレは分かっていましたがメルツァー試薬には無反応です。

■ 2023年05月03日 撮影

突発でしんや氏を地元の冬虫夏草の発生坪にご案内。 しんや氏が撮影している最中に周囲をウロウロしていたら不意に目に入りました。 考えてみればこの付近では今まで1回も見たこと無かったですね。


■ 2023年05月03日 撮影

やっぱ良いですよねこの小動物感!何でしょう、この外側のモコモコがそう感じさせるんですかね? このフィールドはオオセミタケにマルミアリタケの安定した発生坪で、 いつも冬虫夏草目的で訪れていたので、自分独りだと見付けられなかったかも知れません。
■図鑑TOPへ戻る