■Hydnophlebia chrysorhiza (ヒイロハリタケ)

■ 2018年08月25日 撮影

地元のフィールドを探索中に太めの落枝が鮮やかな赤橙色に染まっているのを発見。 ひっくり返してみてすぐに本種だと気付きました。 各種腐朽材表面に膏薬状に広がるヒダナシタケ類「緋色針茸」です。 さほど珍しい種ではありませんが、当方初見だったため蚊の猛攻に耐えて撮影しました。

ヒイロハリタケ属の基準種です。海外Wikiでは「Phanerochaete chrysorhizon」のシノニムとされています。 文献を漁りましたが良く分からないのでこの学名を採用しました。


■ 2018年08月25日 撮影

種小名は「chiyso(黄金色の)」と「rhizus(根元)」の意味。あれ?なぜに黄金色? この特徴的な子実体の色を示していないので不思議に思っていました。 しかし現物を見て納得。菌糸の先端が黄金色になるんですね。 パッと見の色ではなく菌糸の色から命名するとは・・・いぶし銀な仕事しますね命名者さん。


■ 2018年08月25日 撮影

菌糸束は非常にしっかり発達しており、材を飛び越えて地面の腐植にまで到達していました。 菌糸束も材表面に広がる綿毛状のものだけではなく、しっかりとした根性のもの見られます。


■ 2018年08月25日 撮影

子実体は背着生で傘は存在せず、全体的に鮮やかな橙赤色。 「針茸」の名の通り子実層面は針状です。 この子実体はまだ若いので針は短いですが、成長するともっと長くなります。 全体的にやや軟質なせいか針も少し透明感が有って、光にかざすと明るく輝き非常に美しいです。 このテのキノコの中でもお気に入り上位になったかも。

背着生のため材とほぼ一体化しており、当然ながら食不適です。
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