■Hygrocybe cantharellus (ベニヒガサ)

■ 2019年11月02日 撮影

湿り気の多い斜面。日当たりの良い場所に赤い花が沢山咲いていました。 どろんこ氏とウツロイモタケ捜索オフを実施した際にアケビタケ目当てで寄り道したら発見しました。 和名はオシャンティな「紅日傘」。その名の通り傘は鮮やかな朱赤色で非常に目立ちます。 国内で見られるヌメリガサ科菌の中でも特に個性的な裏面の持ち主ではないでしょうか?

ヌメリガサ科は似た外見の種が多く、特に赤系は多いので紛らわしい種が結構居ます。 外見だけならまだしも「アカ」とか「ベニ」とか和名まで似てて参ります。 ただ本種はその中では比較的個性的なので助かりますけどね。


■ 2019年11月02日 撮影

極めて小型のキノコであり傘の直径は5mmほどで、大きくても1cm行くか行かないか。 非常に鮮やかな朱赤色で、ヌメリガサ科と言う名前のワリに粘性はありません。 外見的に良く似たキノコは多いですが、傘表面に微細な鱗片を持っています。 これが無いのがチシオヒメノカサとされますが、資料が少なく詳細は不明です。


■ 2019年11月02日 撮影

本種の大きな特徴の一つがこの垂生するひだです。これはかなり印象的な姿ですね。 傘表面が鱗片状の類似種にアカヌマベニタケがありますが、ひだは垂生しません。 と言うかこの形状でここまで垂生するひだを持つキノコは他にあまり思い浮かばないレベルです。

毒性はありませんが、極めて小型の菌なので当然ながら食用価値無し。 赤系のヌメリガサの仲間には彩りに使える食菌は数種存在しますが、本種は小さすぎかな?

■ 2013年09月23日 撮影

初見は湖の周囲をぐるりと囲む遊歩道の脇、湿り気のある斜面でした。 ヌメリガサの仲間だと言うのは感じたのですが、すぐに名前が出なかった。 外見のみでの同定は難しいですが、図鑑を見て傘の特徴から本種だと判明。 西日がガンガンに射していたので全体的にオレンジ色に写っちゃいました。 やっぱ斜面がお好きなようです。


■ 2013年09月23日 撮影

傘がまだあまり開き切っておらず、これくらいが個人的にはベストコンディションだと思ってます。 傘の周囲がひだに沿って波打つのがとてもメルヘンで好きですね。 これくらいの成長度合いだと傘表面の鱗片もあまり顕著ではありません。


■ 2013年09月23日 撮影

全景はこんな感じです。小さくともこの色合は目立ちまくりですね。 発生量は多いですが、密集すること無く散生します。

■ 2013年09月23日 撮影

このフィールドに立ち寄った目的はアケビタケだったのですが、意外な収穫となりました。 実に6年以上も綺麗な子実体に出会えていなかったのは不覚でしたね。 にしても傘の下から大きくハミ出るひだは何と言うか実に個性的。
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