★Hypsizigus marmoreus (ブナシメジ)

■ 2020年10月27日 撮影

初見は2008年の大台ヶ原。それ以降も大台ヶ原でしか出会えずに未だ食べれていません。 秋にブナの朽木に発生するスーパーでもお馴染み、誰でも知ってる「橅占地」。 流石にもったいぶる必要は無いのでバラしますが、美味な食菌として市場に流通しています。 ただ中々に気難しい性格で、要求する環境のせいで家庭での栽培が意外と難しいです。 栽培品は知名度が高いですが、自然界ではワリと幻のキノコだったりします。

かつては「ホンシメジ」の商品名で流通していました。 ですがホンシメジが菌根菌のシメジ属であるのに対し、本種は木材腐朽菌のシロタモギタケ属と縁遠い種です。 結局は不適切な名前と言うことで現在は正しい和名で流通しています。 まぁヒラタケも以前は「シメジ」の名前で世に出てたので、そんなもんです。


■ 2020年10月27日 撮影

栽培品は色の濃い幼菌ですが自然界では傘は灰褐色のものが多く、成長すると白みを増すようです。 また本種は表面に特有の炎上の模様が重なり合ったような大理石模様を持ちます。 国内で見られる同属菌のシロタモギタケにはこれが無いので判断基準になります。


■ 2020年10月27日 撮影

採取はおろか引っこ抜くこともできないのでムリにカメラを地面に押し付けて裏側を撮影しました。 柄は傘よりも淡い薄灰色で毛羽立った表面を持ちます。ひだは白色で極めて密。 非常に強い香りを持ち、撮影中も菌臭が立ち込めていました。

先にネタバレしていますが美味な食菌です。 多くの食菌を抱えるキシメジ科シロタモギタケ属に属し、その味は折り紙つき。 味も香りも良いのですが柄のシャキシャキ感も申し分無し!味噌汁や鍋など汁物にピッタリです。 ただ市場に出る食菌の中では特に粉臭が強いので、好き嫌いが出るキノコだとも思います。

■ 2008年10月04日 撮影

大台ヶ原を歩いていて見付けました。これが野生ブナシメジとの最初の出会い。 やはり知ってる食菌に出会えるのはキノコ屋としてはホント嬉しいですよね。

■ 2008年10月04日 撮影

近くに生えていた別個体。まだまだ幼菌ですね。でも模様は大理石!

■ 2008年10月04日 撮影

ブナの倒木に成菌を発見!スーパーじゃ見られない、傘が開いた姿です。 本種は成長とともに個体全体が白くなる事が普通。真っ白な個体も見られます。 表面も模様、分かりますか?水滴が付いたような独特の模様。見紛うこと無き姿!


■ 2008年10月04日 撮影

これなら狙える裏側っ!地面に這いつくばりましたが・・・暗くて手ブレ。 柄は白色で少しカスリ模様があります。傘のワリに柄が太いですね。 これもボリュームを求められる食菌には欠かせない要素の一つなのでしょう。 柄が上ほど太いですね。市販品はヒョロいですが、野生はこう言う個体が多いです。

■ 2008年10月12日 撮影

上から落ちてきたのでしょうか?大きな落枝上に立派な成菌を発見! 自分はあまりキノコを食すのが好きではないのですが、本種の粉臭は結構気になります。 ヒラタケなども臭気は強いですが、あれはスッとする爽やかな香り。 ブナシメジはいわゆる「菌臭」が強い気がしますね。

■ 2008年10月12日 撮影

うん、間違い無くブナシメジですね!幼菌時は色が濃くて栽培品っぽいです。 ブナの立ち枯れの小さな裂け目に立派な個体を発見。普通に歩くと気付かないでしょうね。 自分はコースを逆走する習性があり、でないと木の陰で見付からなかったでしょう。 ちなみに写真を撮ろうと近付くと、臭いくらい強いキノコ臭。天然すげぇ。


■ 2008年10月12日 撮影

傘を拡大してみました。見よ!この立派な大理石模様!独特ですねぇ。 スーパーの株はこれくらい模様がクッキリ出ます。天然モノは薄いことが多いので。

■ 2018年10月07日 撮影

大台ヶ原にて久々の再会です。やはり最初に見た場所での再発見はテンション上がりますね。 ただ林道から遠く三脚を伸ばして無理やり撮影したのでコレが限界でした。 本当は手前のササの葉とかも退けたかったんですけど・・・。

■ 2018年10月07日 撮影

別の場所で撮影しやすい子実体が居たのでコチラはしっかりと撮影しました。 これも最初はシロタモギタケかと思いましたが、傘の中央にバッチリ大理石模様が見られます。 ブナシメジと言えばスーパーで見事な株立ちが売られていますが、野生だとこんな感じで点々と出ていることが多い印象です。
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