★Hypsizigus ulmarius (シロタモギタケ)

■ 2016年10月28日 撮影

地元でブナシメジを発見したと思い込んで大興奮していたのを思い出します。 しかしブナシメジのページ整理中に違和感に気付き、調べてみて本種だと判明しました。 秋にニレ属の枯木から発生する和名「白楡木茸」です。 属名を見ると分かるようにブナシメジと同属であり、外見も非常に良く似ています。 我が国における属名の基準種ですが、下手をすればブナシメジよりもレアいです。

ちなみに和名に「タモギタケ」と入っていますが、タモギタケとは縁遠い種です。 同じニレに発生するのが由来っぽいですが、タモギタケはヒラタケ属ですので。 余談ですが「楡」は「にれ」と読みますし、ニレ属の属名は「Ulmus」です。 まんまですね。


■ 2016年10月28日 撮影

違和感に気付いたのはこの全景でした。幹の雰囲気があまり見慣れないなと感じたのです。 今までブナシメジはブナ材からの発生しか見たことがありません。 そこで調べて見るとこの縦方向の亀裂の入り方はまさにニレ!なぜ見落としていた?


■ 2016年10月28日 撮影

和名に「白」とあるように傘は全体的に象牙色ですが、明らかに褐色を帯びる個体も存在します。 特に幼菌の時は肉眼的に褐色だったりしますが、傘が展開する頃には白に近付きます。 また子実体はブナシメジと比べて大型化するようです。


■ 2016年10月28日 撮影

また本種とブナシメジの最大の違いは傘に大理石模様が無いことです。 細かな円形の斑点は存在しますが、互いが重複し合うような大型の円形模様は存在しません。 ただブナシメジにも模様が確認しづらい子実体が散見されますので、しっかり調べる必要はあるでしょうけど。


■ 2016年10月28日 撮影

ひだは白色で密。柄はがっしりしていて、表面はブナシメジに似て毛羽立った質感です。 撮影していて感じたのはそのゴツさ。 子実体1本1本が大型化するせいか、束生のハズなのに束生に見えません。

野外ではかなり珍しいキノコであり、栽培もされていないみたいですね。 ですがブナシメジと同属なだけあって美味な食菌です。利用法はブナシメさんと同じ。 やや粉臭が強いものの様々な料理に利用可能です。 似た毒キノコは思い当たりませんが、逆に本種だ!と言う特徴も乏しいので同定にはご用心。
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