■Kuehneromyces mutabilis (センボンイチメガサ)

■ 2010年10月02日 撮影

非常に遠い場所からでも群生していれば良く見えるものなのですね・・・。
スギの切り株から大量発生していた「千本市女笠」。可愛い名前ですね。
「市女笠」とは中央部だけが高く飛び出た、平安時代の女性用の笠の事です。
様々な樹種から発生するとは聞いていましたが、まさかスギ材から出るとは!
ますますコレラタケとの区別が難しいですね。珍しく要注意だと思います。


■ 2010年10月02日 撮影

傘は丸山形で後にほぼ平らになり、黄褐色〜茶褐色と個体差が有ります。
また湿時は粘性が有り、この時だけ普段は見えない傘の周囲に条線が現れます。
画像でもぬめりが有りそうなテカり方をしてますね。吸水性が強いようです。
一本一本は小型ですが「千本」の名に相応しい大群生を作るので大迫力ですよ。


■ 2010年10月02日 撮影

裏側です。ひだは最初白っぽいですが、成熟すると肉桂色になります。
柄の表面はささくれており、細く下方に行くほど黒っぽい色になります。
柄の上方に膜質のつばが有りますが、写真のように貼り付いている事も。

美味しそうな外見に相応しく食菌。収穫量が見込めるのも魅力的。
粘性が有るので、やはり相性が良いのは鍋や味噌汁などの煮込み系料理。

ただ注意すべきは本種に外見が極めて良く似た致命的猛毒菌が存在する事。
そう、これがかの有名なコレラタケです。毒性に関しては言うに及ばず。
大抵の猛毒菌はある程度の特徴を押さえれば区別できる種がほとんどです。
しかしこの場合は外見的特長、発生環境、共に酷似し、肉眼での判別は超困難。
正確な同定には胞子の検鏡が必須です。安易に口にするのは避けるべきでしょう。


■ 2010年10月02日 撮影

こんな感じでした。周囲にも点在していました。
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