■Lactarius akahatsu (アカハツ)

■ 2010年10月06日 撮影

アカモミタケのそっくりさんと呼ばれるが、そんなに似てないマツ林のキノコ。 和名は「赤初」。その名の通りハツタケとパッと見がとても良く似ています。 以前も同じ場所で見たのですが、小さな個体だけだったのでやっと写真を差し替えられました。 若い松林に多いとされ、一般的な種と言われるワリにはハツタケより遭遇率は低いです。 また種小名がまんまアカハツなのが親近感が湧きますね。

類似種としてはトウヒの樹下に発生するアカハツモドキが存在しますが、 これは傘が自然と青緑色に変化する点で明確に区別可能です。 またハツタケと同種とする説もあるようですが、個人的にはここまで外見が違うと別種としておきたいです。


■ 2010年10月06日 撮影

傘の表面は橙黄色でチチタケの仲間らしく年輪状の環紋があります。 他のチチタケの仲間もそうですが、表面が白く粉を噴いたように見えます。 またこのテの環紋を持つ種の傘にしては妙に荒々しいと言う印象があります。


■ 2010年10月06日 撮影

ひだも傘や柄と同じく鮮やかなオレンジ色で、傷付けると乳液が出ます。 乳液の色は橙紅色で、ここまではアカモミタケの特徴と共通しています。 決定的な違いは乳液がワイン色を経て青緑色になると言うこと。 ハツタケの乳液の変化と似ていますが、本種のほうが緑寄りに見えますね。 余談ですが、分子系統解析的にはハツタケのほうがアカモミタケに近縁だそうです。

ハツタケには劣るとされますが、それでも優秀な食菌と評価されています。 様々な料理に合いますが、肉が脆いため風味を優先する料理に適します。 なのでそのまま使用するよりも出汁として使用したり、潰して混ぜる調理法に向くようです。

■ 2009年08月08日 撮影

初めて発見した子実体はしっかり全体写真を撮っていなかったので差し替えできて良かったー。 でも2010年撮影分は変色するまで待たずに帰っちゃったので、乳液の変色撮ってない! ・・・と思ったら初めて発見した時に撮った写真があったので補足として掲載。 傷付けるとオレンジ色の乳液が出ます。量は少なく染み出すような感じです。 時間が経つと乳液が青緑色になるため、ひだの所々が変色していますね。

■ 2010年10月13日 撮影

今まで何度も通った場所なのに今年はアホみたいに大きな個体を見付けました。 ハツタケよりも全体的に大きいような気がしますね。結局食べなかったなぁ。

■ 2012年07月08日 撮影

えっと・・・確か本種は秋のキノコだと認識していたのですが、モロ真夏です。 まさかこの時期にアカハツを見ることになるとは流石に予想してませんでしたね。 ただ乾燥していたためかちょっと傘の色が淡く、本種っぽくなかったですね。


■ 2012年07月08日 撮影

裏返してみると鮮やかな橙赤色に青緑色のシミ。ここでアカハツなんだと確信できました。 同じフィールドで以前も見ましたが、この場所は初だったので秋に期待です。

■ 2013年09月14日 撮影

大台ヶ原の大収穫を満喫し、現地を離れ走ること一時間、山間の集落でまさかの遭遇です。 走る車の中から良い感じのマツの植え込みを見付け・・・ん?何か生えてる? 車を停めて戻ってみるとやっぱり!そこそこ眼力が上がってきたのでは? 何かに齧られたらしく、削れた部分が緑色になっててすぐ分かりました。

■ 2015年06月28日 撮影

大台ヶ原の大不作の帰り道、帰路一時間を過ぎた頃・・・あれ、デジャブ? そう、ここ一昨年9月と同じ場所なんです。車中から余裕で気付く位置。 道路脇の土手のマツの樹下に群生していました。この色は目立ちますねぇ。


■ 2015年06月28日 撮影

傘の色が少し変かな?傘が開く頃には黄色っぽくなってることが多いです。


■ 2015年06月28日 撮影

裏返してみました。こうして見ると小さいアカモミタケって感じですね。 指でひだを傷付けると赤い乳液が出る辺りもそっくり。緑色になるけど。 でもハツタケのほうがアカモミに近いと言うのは何となく分かるかも知れません。 アカモミタケってハツタケに比べてボテッとしてないんですよね。薄いと言うか。

■ 2015年07月04日 撮影

近所の公園のマツの樹下にて発見。本種と気付くのに時間が掛かりました。 と言うのも通常の3倍近い大きさなのです。シャ◯専用かな?赤いし。 本来は秋のキノコなのですが、この時期にこのサイズが見れるとは・・・。

■ 2020年07月12日 撮影

やっぱアカハツって秋にも出るんですが夏に良く見るんですよね。 ハツタケはものの見事に秋にしか出ない律儀さがあるので、その辺もちょっと違いますよね。 にしても非常に綺麗な子実体です。いまだ数が出ていなくて食べれてないんですよね。
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