■Lactarius atromarginatus (フチドリクロチチタケ)

■ 2012年07月16日 撮影

以前はクロチチダマシのページに載せていましたが、どう考えても雰囲気が違うと整理中に気付きました。 その後色々と文献を読み漁ってるとコレだろ!って和名を発見。読めば読むほど本種だと思いました。 和名は「縁彩黒乳茸」。クロチチタケの変種と言う扱いで、変種名の「marginatus」も「縁取りの」の意味です。 クロチチダマシが稀に似た特徴を持つ場合がありますが、本種の形状はクロチチタケ寄りです。 ただクロチチタケはやや寒冷地のキノコであり、本種のように低地では中々お目にかかれません。

国産のものは「L. lignyotus var. marginatus」とされていましたが、分子系統解析の結果本種と判明したそうです。 そう言えばクロチチダマシはLactifluus属になっちゃいましたが、本種は基本種含めててLactarius属のままですね。 見た目だけならカラハツタケ属よりはチチタケ属っぽいんですが・・・何が違うんでしょうかね?


■ 2012年07月16日 撮影

傘は黒褐色。その中でもかなり黒に近い印象です。 表面はややビロード状のためツヤ消し状態で、縁部に小じわが生じるのは基準種のクロチチタケと同じです。 最初見た時は老成したニッケイタケか何かかと思っちゃいました。


■ 2012年07月16日 撮影

裏返してみました。ひだは乳白色ですが、詳しい特徴は後述。 柄は傘と同色かつ同じくビロード状で、ひだと柄の色の境界が超絶ハッキリしています。 また肉は傷付くと白色の乳液が染み出し、時間経過で紫色に変化します。 白い乳液は柄の基部に少し見えているだけですが、ひだに紫色のしみは無数にできています。


■ 2012年07月16日 撮影

最大の特徴は何と言っても柄に暗褐色の縁取りが存在することです。 これは基準種であるクロチチタケには見られない特徴です。 クロチチダマシでも似たような現象は見られますが、子実体のバランスが全く異なります。

無印クロチチも食毒不明ですが、本種も食毒不明です。 ただ肉に苦味と異臭があるため、仮に無毒でも食用価値は無さそうですね。
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