■Lactarius subplinthogalus (ヒロハウスズミチチタケ)

■ 2020年07月18日 撮影

2014年の初発見以来一度も出会えていませんでしたが、6年振りに撮影リベンジ成功! あまりにも意外な外見だったので初見時はチチタケ属菌だと言うことすらをも疑ってしまいました。 奇妙な外見を持つ「疎襞淡墨乳茸」です。ブナ科広葉樹林地上に発生します。 和名が長ったらしいですが、本属菌とは思えない外見的特徴が由来です。 種小名の「sub」は「〜に類する」、「plinthogalus」は調べると亜属名かな?

別名は「ウスハダカラチチタケ」。個人的にはこっちのほうが特徴が出てる気がするんですよね。 と言うのも色の名前としての薄墨色は「■ #a3a3a2」で、本種に存在する色じゃないんですよね。 由来は何なんだろう?薄墨桜かな?


■ 2020年07月18日 撮影

子実体は中型であまり大きくはならない模様。やや貧弱な見た目ですが形状はベニタケ系。 傘はベージュ色〜肌色で表面にツヤは無く、放射状のシワと大きな波打ちが見られます。 あまりにも傘の形状が乱れるため、綺麗な円形になっていない子実体もチラホラ。


■ 2020年07月18日 撮影

傘全体が大きくうねっているのに、加えてこの放射状のしわまであります。 別に古いワケでも傷んでいるワケでもないんですが・・・。


■ 2020年07月18日 撮影

上から見るとちょっと貧弱な普通のキノコに見えてしまいますが、裏返すと凄い違和感が。 地味なキノコと侮っていると異常なほど疎なひだが目に入って「あれっ?」って思うとことでしょう。 この違和感はキツネハツを見た時に似ていて、ベニタケ科らしくないんですよね。 クロチチダマシなんかもひだの間隔は広いですが、ここまでひだがペラッペラじゃないですし。


■ 2020年07月18日 撮影

ペラッペラでも流石はチチタケ属菌。傷付けると結構乳液が出ますね。 乳液は白色で後に赤変します。ただ赤変にはかなり時間がかかる模様。 分かりにくいですが写真左端や右端の傷付いた部位、その他の場所も部分的に赤っぽくなっているのが分かります。

もう一つの和名の「カラ」で表現されていますが、肉に辛味を持つので食不適です。 ただ辛いと言ってもツチカブリのような強烈な辛味ではありませんね。 口に含んでモグモグすると確かに辛いなと感じるレベルです。 ただ仮に食えたとしても、ひだだけでなく傘まで肉薄で食うトコ無いでしょうし。

■ 2014年07月12日 撮影

初発見は真夏の自然公園のほとんど人が通らない遊歩道脇でした。 最初に見た時は上から見てチチタケっぽいなとは思ったんですよね。 でも何も考えずに裏返して「?」ってなったのを覚えています。 まぁこの出会いから再会までに6年を要するとは夢にも思わなかったワケですが。


■ 2014年07月12日 撮影

裏返してうえっ?ってなった後に撮った写真です。 でも図鑑でこのひだの薄さは見覚えがあったのですぐに本種だと分かりました。 名前は浮かびませんでしたけどね。


■ 2014年07月12日 撮影

傘に丸みが残る幼菌の頃はまだ傘もひだも整った形状なので違和感は小さ目。 でも赤変の跡はこの子実体だと分かりやすいですね。 ひだ全体に点々と見える赤い点は染み出した乳液の跡でしょう。
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