★Lactifluus volemus (チチタケ)

■ 2022年07月16日 撮影

超有名なキノコなので前置きの必要も無いでしょう。 夏から秋にかけて主にブナ科の広葉樹林地上に発生する、ぶっちゃけそれほど珍しくないキノコ。 低地でも高地でも何度も見かけている馴染「乳茸」です。おおエロいエロい。 栃木県では「チタケ」の地方名で愛されに愛されまくっています、誇張ではなく。 類似種にヒロハチチタケとチリメンチチタケが存在します。良い感じの被写体に出会えたのでTOP写真更新!

以前は「Lactarius(チチタケ)属」でしたが、現在はこの属名に変更されています。 ただし和名は「チチタケ属」なのは変化なし。むしろ「Lactarius」が「カラハツタケ属」となっています。 傘の環紋や柄のあばたとかで区別されてる感じでもないし良く分かりませんけど。 慣れ親しんだものが突然変わると戸惑いますねー。


■ 2022年07月16日 撮影

子実体は典型的なベニタケ科キノコと言う感じですが、若干柄が長くなるイメージがあります。 子実体は全体的にオレンジ褐色系統で、幼菌ほど傘が濃色かつ暗色になります。 傘と柄は橙褐色で柄のほうが淡い色合いになります。 濡れていて分かりづらいですが、傘も柄もやや微粉状のためツヤ無く見えます。


■ 2022年07月16日 撮影

ひだは淡黄色で極めて密。この密さがヒロハチチタケとの肉眼的な違いです。 また最大の特徴は和名にもあるように子実体全体に傷付くと白色の乳液を分泌する性質があること。


■ 2022年07月16日 撮影

本属菌の中では乳液量が多いほうであり、新鮮な子実体では滴り落ちるほど。 この子実体も手に持った時に乳液が滴り落ちました。 この乳液は乾くと粘性が強くなり、手がギシギシになるので困ります。 肉には臭気があり、乾燥すると干しニシンのような臭気を放ちます。

美味な食菌であり、良い旨みが出ます。有名なのは「ちたけそば」ですね。 地域によってはマツタケに次ぐカルト的な人気を誇ります。ナスと相性が良いそうです。 私ナス嫌いですけどね。食感自体はベニタケ科菌なだけあってボソボソ。 そのため炒めて出るダシを利用したり、別の食材との相性を楽しんだりする調理法が主になります。

■ 2007年07月05日 撮影

凄い場所を発見!もう至る所にチチタケです!もう「乳の楽園」です!エロいです! 晴れの日が続いていたので、ちょっと乾燥気味の個体が多かったですが、大満足。 このシロは覚えておいて損は無さそう。


■ 2007年07月05日 撮影

某書籍に提供した写真です。指で傷付けると白色の乳液が大量に染み出してきます。 本種の乳液は渋くて甘く、乳が出たひだは時間経過と共に褐色に変化します。 ちなみにこの乳液、手に付くとベタベタするのですが、 これは天然ゴムと同じポリイソプレンが含まれているためだそうです。

■ 2008年08月24日 撮影

ありふれたキノコですが、やはり国立公園のような風景に佇む姿は何だか神々しくも思えます。 ガスに霞んだ大台ヶ原で出会いました。採取できないので裏側が撮れなかったのは残念。 でも良い雰囲気の写真が撮れたかな。

■ 2008年09月23日 撮影

この日は遠出したのにあまりキノコに出会えず、肩を落として帰る途中でした。 行きは角度で見えませんでしたが、斜面にチチタケの大群生を発見!ありがとう!

■ 2009年08月16日 撮影

実は久方振りの再会だったりします。良い個体に出会えてませんでした。 枝に邪魔をされたのか、柄が曲がりくねって凄い事になってて驚いた。 ここで見られるチチタケは低地でみる個体と違って色が濃いような・・・。

■ 2014年07月19日 撮影

夏山にガガンボさんTさんと挑んだ帰り道、林道斜面下に奇妙な物体を発見。 上から見た時は丸くて褐色になった腹菌型のキノコかと思ったら柄がありました。 やっぱチチタケは濃色のほうがカッコイイと思います。

■ 2015年07月11日 撮影

いつもお邪魔している林道脇でパーフェクトなチチタケを発見しました。 本種は肉質が脆い上に乳液が出るので大抵どこか傷んだり変色したり。

■ 2015年07月11日 撮影

何気無しに立ち寄った近所の公園に掃いて捨てるほど大発生していました。 もう一画に凄い密度で発生していて、ここまで来るとありがたみが無いですね。 人気があるらしいので栃木県民の皆さんはココに採りに来れば良いんじゃね?


■ 2015年07月11日 撮影

傘はやや淡色かな?こうして見ると環紋みたいなのがあるんですね。 類似種のチリメンチチタケは傘周囲に細かなしわが寄ります。


■ 2015年07月11日 撮影

いっぱい生えていたので1株だけひっくり返して爪でひだを傷付けてみました。 やはり本種の新鮮な状態での乳液の量は他に追随を許さない感じですね。 スパッとやった瞬間にポタポタと滴り落ちる白い乳液は実に卑猥です。 とか言ってないで本種の特徴であるひだの褐色のしみに言及しないといけません。

■ 2020年07月18日 撮影

旧TOP写真です。地元の自然公園に大発生していました。 良い被写体ではあったんですが、傘が雨に濡れすぎていたことと裏側を撮影し忘れたのが致命傷。 結果TOPで全特徴を解説できず、ちょっと悶々としていました。 2022年にしっかりとしたTOP写真に差し替えできましたが、名残惜しいくらいには良い1枚だと思ってます。


■ 2020年07月18日 撮影

傘拡大です。一応この角度からでもひだは見えてはいるんですが、やっぱ裏返した写真が欲しいですからね。 前日に雨が降ったので反り返った傘に雨水が溜まっていました。


■ 2020年07月18日 撮影

写ってる無数のキノコ、これ全部チチタケです。 本種は収量が多いのもキノコ狩りで人気な理由の1つでしょうね。 いつかは食ってみたいんですが、使い方に戸惑っていまだに食べられていません。 ちなみにウチの地元では全く人気が無いようで、採ってる人に出会ったことが無いですね。

■ 2022年08月11日 撮影

薄暗い森の中で綺麗なチチタケを発見。単生とは言え状態が良いのでパシャリ。 しかしデジカメのディスプレイを見ていて不自然な色合いが写り込んでいることに気付きました。 左端に何か青緑色の物体が見えますね・・・これ実はヒグラシに発生した「Metarhizium cylindrosporum」です。 このフィールドではそこら中で見られる冬虫夏草ですが、チチタケがこの発見に繋がりました。
■図鑑TOPへ戻る