■Leccinum intusrubens (イロガワリヤマイグチ)

■ 2014年08月08日 撮影

低地の里山で普通に見付けたワリに姿形はまさしく典型的なヤマイグチ。 そのため発見当時は名前が分からなかった和名「色変山猪口」です。 夏に針葉広葉入り交じる雑木林に発生。シイやコナラなどに菌根を作るみたいですね。 亜高山帯や冷涼な地域のカバノキ属樹下で見る姿に似ているので凄く違和感があります。 ちなみに種小名は「inntus(内部の)」と「rubens(赤くなる)」の意味です。

似た外見を持つ類似種に黒変性を持つスミゾメヤマイグチが存在します。 本種も黒変性があるので紛らわしいですが、外見的にはかなり違います。 変色性を無視するなら、注目すべきは全体的な色合いと傘表面の構造ですかね?


■ 2014年08月08日 撮影

傘は暗褐色で鱗片状。ヤマイグチより暗色でボサボサしています。 この質感は元々粗面なことと、成長とともに亀甲状にひび割れるためです。 現在は湿ってて色濃いですが、乾くともっと明るい色合いになります。


■ 2014年08月08日 撮影

柄は白色の下地に黒色の細鱗片を付ける実に本属らしい姿をしています。 また上部は明るい色合いなのですが、下部は全体が赤褐色を帯びています。 管孔は灰黄色で「イロガワリ」の名に相応しく傷付くと弱くですが赤変します。 肉全体にも変色性があるので、古い個体は暗色になっていることが多いです。 あまりアテにならないので、低地でこんな姿を見たら本種を疑うべき?

外見が似たスミゾメヤマイグチですが、この種は傘が茶色で柄が白地に黒とヤマイグチ似の配色です。 また傘はビロード状で平滑、表面にシワがあり、この点が大きく本種と異なります。 変色性も本種より黒変性が強いので、そこで判別できると思います。

見た目的には美味しそうな外見ですが、現在は食毒不明扱いのようです。 まぁ似た姿の本属菌には食用菌も多いので、ワンチャン有るかもですが。

■ 2008年08月19日 撮影

実はもっと前に同じ場所で撮影していました。 この時は本種の存在を知らなかったのでヤマイグチに似た何かと言う認識でした。 その後本種とスミゾメの存在を知り、またもどちらか分からないと言う状況に。 一応両種の違いは腑に落ちたかな?


■ 2008年08月19日 撮影

本種はやっぱりスミゾメと違って傘表面の構造が異なりますね。 元々ザラザラしていますし、スミゾメのような滑らかさはありません。 乾燥するとこんな感じで亀甲状にヒビ割れます。


■ 2008年08月19日 撮影

引っこ抜いて思うのは全体的に黄色いなと言うこと。 無印ヤマイグチとスミゾメは傘が茶色で柄がグレーの下地に黒い点と彩度が違うんです。 上下でハッキリと彩度が分かれるんですよ。でも本種は傘も柄も褐色気味なんです。
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