★Lentinula edodes (シイタケ)

■ 2009年04月12日 撮影

春のキノコ狩り。シャガやヤマザクラ、スミレなどを見ていたら遊歩道脇の倒木に出ていました。 コナラやミズナラなどの広葉樹材に発生するスーパーでお馴染みのこのお方。 我が国の販売キノコのスーパースター「椎茸」です。ブナ科広葉樹がお好きなようですね。 栽培品で見慣れていますが、実は天然モノは極めて稀で中々見付かりません。

実は「野生」と言われているものの中にかなり野生化した栽培品が混じっています。 シイタケはかなり色んな環境で原木栽培されており、そもそも本種は日本に元々居たキノコ。 一応柄の太さや傘のヒビ割れ具合から何となくそうかな?と疑えたりします。 コイツも多分逃亡者じゃないかな?まぁ普通に考えて逃げ出さないワケないですよね。


■ 2009年04月12日 撮影

説明の必要も無いかも知れないけど一応やります。傘は暗褐色。 表面には放射状に白い綿毛状鱗片が並びますが、成長と共に消失して行きます。 また傘表面に大きなひび割れを作ることが多く、ぶっちゃけその姿のほうが見慣れてますね。


■ 2009年04月12日 撮影

意外と知られてませんが、シイタケには繊維状の不完全なつばがあります。 傘が開くと周辺部の鱗片とつばの付け根にごくわずかに名残を残します。 皆さんも市販のシイタケを購入したら、どこがつばなのか調べてみて下さい。 ひだは白色ですが、古くなると褐色のしみを生じるので汚れて見えます。

皆さんご存知ですね。極めて優秀な食菌です。香りも味も口当たりも文句無し! 鍋やバター炒め・・・あらゆる料理にマッチ。乾燥品は高栄養でダシとしても最高! 新鮮なモノは刺身にできますが、生は場合によっては軽く中毒するので要注意。 ちなみに海外の図鑑でも学名の端に「shiitake」と書かれていたりするくらい美味しさは周知されています。

■ 2008年04月12日 撮影

背の低い腐り切った切り株にカワラタケと共に生えていました。 ココはすぐ近くにシイタケ栽培してるおじさんが居るので、恐らく逃亡者でしょう。 実はシイタケとカワラタケは生態的に競合関係、要は「ライバル」です。 シイタケ栽培では強力な分解力を持つカワラタケは云わば「害菌」と言う訳ですね。 そんなライバルと共生するシイタケ。野良育ちは伊達じゃないってことですかね?

■ 2008年09月23日 撮影

メチャクチャ深山の渓谷沿いの倒木に発生を確認しました。 この場所はマジで山奥で、ヒトよりもクマに会う可能性のほうが高いような場所。 何よりもこの子実体、幼菌でも分かる貧相さ。間違い無く野生品です。


■ 2008年09月23日 撮影

反対側にメッチャ出てました。でもやっぱり市販品と比べると明らかに小型です。 本来のシイタケってこんな感じでワリとスラッとしてるんですよね。 柄も細いし傘も薄いし鱗片も少ないし、香りも少し上品と言うか抑え目だったりします。

■ 2008年10月18日 撮影

あまりにも愛らしかったので大写真で載せさせて頂きます。これは萌える!!! コケに覆われた渓流の倒木に一株。愛らしい頭を出していました。これは採れないなぁ・・・。 食べるのは諦めてニヤケ顔で写真撮りまくって帰りました。

■ 2008年11月23日 撮影

大型のシイタケの老菌です。発生時期長いですね。会えるとは思いませんでした。
ただ随分大きくなっちゃってます。多分これが最後の発生になるんじゃないかな?
ここまで巨大化したシイタケは、ビックリするくらい硬いです。シイタケと思えない。

■ 2009年03月28日 撮影

載せるかどうか迷った一枚です。これどう見ても天然モノに見えますよね。 実はこれ栽培品なんです。手前にコマ打ち込んだ跡が見えるでしょ? これ前年の台風で折れて伐採処理したカシの大木に未処理のまま種駒を打ってあるんです。 幹の太さが1m近い巨木。しかも道からかなり落としてあります。


■ 2009年03月28日 撮影

こう言う放任栽培ってのも良いですね。シイタケも居心地が良いのか絶好調のようです。 菌打ちをした年配男性が近くに居られましたので話を聞くことができました。 やってみた理由は「やってみたくなったから」だそうです。

■ 2009年04月12日 撮影

TOP写真と同じ材の反対側に出ていた子実体です。何この可愛さ。

■ 2010年11月27日 撮影

林道脇を車で走っていて気付きました。目に付いたのは奥の飛び出てるヤツですけど。 ちなみに右は20mくらいの断崖絶壁だったのでヒヤヒヤして撮影しました。


■ 2010年11月27日 撮影

裏返してみると繊維状のつばが確認しやすかったので大きめに掲載。 柄の周囲と傘の縁部に白い綿毛のようなつばとその名残りが確認できます。 このつばは成熟する頃には柄に貼り付いて柄の表面の繊維と一体化しちゃいますけど。

■ 2011年10月08日 撮影

渓谷を歩き続けて1時間くらいかな? 終点ですので引き返そうとしましたが、気まぐれで少し進んでみると・・・。 苔生した朽木に何か見慣れない大きなキノコが出ています。 最初はシイタケだとは思わなかったですよ。


■ 2011年10月08日 撮影

雰囲気の違いは恐らく傘の色と鱗片の量ですね。 まず傘ですが、老菌なのでかなり赤黒い色合いになってます。 そしてコレがシイタケだと一瞬思えなかった理由は鱗片の少なさです。 野生のシイタケって意外とあの特徴的な白い綿毛みたいなのが無いんですよね。 子実体も全体的に細身で肉厚さが無いですしね。

■ 2013年03月30日 撮影

とある舗装された登山道脇、細めの広葉樹の落枝に発生していました。 野生かな?と思ったんですが、どうも怪しい。何かこの落枝、人為的に捨てられたもののような。 日付のワリに掲載位置が高いのは旧TOP写真だったからですね。


■ 2013年03月30日 撮影

うん、多分逃亡者ですね。完全な野生品にしては柄が太すぎます。 そもそもシイタケは長い年月をかけて人の手で品種改良がされまくっています。 味や香りは当然ですが、とにかく食べる部分が多くなるよう太ましさにステ振りしているのです。 なので柄が太くて傘が成長でヒビ割れまくるのは改良品種の可能性が高いですね。

■ 2019年09月22日 撮影

北海道遠征で予期せずに遭遇。 センボンキツネノサカズキを探していたので撮影がいい加減になっちゃいました。 時間も押してましたしヒグマも怖いのでサッサと撮ってサッサと撤収。 凄い良い子実体だったので、TOPを飾れそうだったのになぁ。 ミズナラ材は表皮が白っぽいのでコケと相まってカッコイイですね。

■ 2019年09月22日 撮影

すぐ近くに幼菌も居ました。見慣れた菌ですが北海道ってだけで価値あります。 左のスペースを活かす構図で撮ってみましたが、こう言う構図も良いかもですね。

■ 2023年03月11日 撮影

gajin氏としんや氏、そして私の3人で実施した春の冬虫夏草オフは無事終了。 帰路に着こうと思ったらgajin氏が発見した立派などんこ。 しんや氏が持ち帰ってビールの肴の焼きシイタケになりました。 この時期は内部に虫の侵入も少なく、食用価値が高いんですよね。


■ 2023年03月11日 撮影

良い感じにヒビ割れた傘・・・いかにもシイタケって感じですね。 ですが、このような傘が肉厚で表皮が裂けるものは野良シイタケである可能性が高いです。 つまり栽培されていた品種改良された菌体の胞子が野生化してしまうのです。 本当の野生シイタケは傘が黒く鱗片が小型、子実体もあまり肉厚じゃないんですよね。


■ 2023年03月11日 撮影

非常に状態の良い傘ですね。サイズ的にも食べ頃です。 市販のは上の子実体くらいで収獲されたもの。 傘が大きく開いたものはそのまま焼いて醤油を垂らして食べるとGood!


■ 2023年03月11日 撮影

直径15cm超えの大きな子実体です。 材の側面から発生したものは柄がかなり偏心性となります。 良くツキヨタケと間違われるのはコレが理由ですが、全然似てませんよね。 そもそも本種はちゃんと傘の縁が360度存在し、側生気味になるツキヨとは違いますし。


■ 2023年03月11日 撮影

裏返してみるとスーパーで見慣れた裏側がコンニチワ。 ひだは白色で密ですが、老成すると褐色を帯びて来ます。 食べれはしますが、できれば真っ白の内に食べたほうが良いでしょうね。 冬虫夏草がメインのオフ会でしたが、良い感じにトリを飾ってくれました。
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