■Lycogala epidendrum (マメホコリ)

■ 2017年11月04日 撮影

キノコ狩りをしているとマツの古い切り株上で本種を見る機会は多いですね。
針葉樹材上でこんな姿の菌類を見付けたら、真っ先に本種を疑いましょう。
和名は見た目通りの「豆埃」。顔馴染みレベルで出会う変形菌の一種です。
見るタイミングによって異なる色彩を持ち、ついつい撮ってしまいますね。

近縁種のコマメホコリは幼菌時はピンク色で、全体的に直径5mm程度と小型。
イクビマメホコリは名前は似ますが外見は縦長で全然雰囲気が違います。


■ 2017年11月04日 撮影

拡大してみました。硬くはないけど軟らかくもない、そんな感じの質感です。
色は鮮やかなオレンジ色で、表面はザラザラしているように見えます。
大きさは一塊が直径5〜8mm。それ以上は大きくならないみたいですね。


■ 2017年11月04日 撮影

まだ未熟な子実体を枝で突いてみると・・・うわぁ!グロい粘液がだばぁ。
これは胞子を形成する前の原形質。確認とは言え傷付けてごめんなさい。

変形菌を食うと言う概念が有るから不明ですが、当然ながら食不適でしょう。
若い内はベタベタだし、成熟したら粉になるし。甲虫類は好物みたいですが。

■ 2009年06月13日 撮影

この当時は何なのか分からず、指摘していただいて変形菌と知りました。
本種は発生時期が長く、古い子実体を含めればほぼ一年中見られます。


■ 2009年06月13日 撮影

拡大してみました。こんな感じ。硬くはないけど軟らかくもない。そんな奴。
赤→オレンジ→暗褐色と変化するので、見るタイミングで全然姿が違います。


■ 2009年06月13日 撮影

実は連なるように様々な世代の本種の子実体を確認する事ができました。
弾力の有った赤みの有るボディは見事にくすんだ褐色に。表面もカサカサ。
そして頂部が変色し始めています。ここが胞子を飛ばす穴になります。


■ 2009年06月13日 撮影

最終的には頂部に穴が開き、内部から灰褐色の胞子が放出されます。
何故か小さな甲虫が胞子を食べに来ていました。胞子まみれですね。
でもこれは重要。彼らが胞子拡散に寄与しているんですから・・・。


■ 2009年06月13日 撮影

すぐ横に生えていた別の若い個体群です。この松の切り株ぐるりに発生していました。
色がオレンジ色なので、コケが生えていると赤と緑のコントラストが綺麗です。
変形菌の中でも大型で分かりやすい子実体を作るので、観察するのは楽ですね。

■ 2006年12月06日 撮影

過去の写真を漁ってたら、結構見付けてました・・・。未熟でしたね。

■ 2006年12月06日 撮影

良い雰囲気の写真です。小さくとも特異な姿は人の目を惹きつけますね。
季節は冬、本種ももう成長を終え、胞子を飛ばす準備が整った状態。
若い頃の赤みも消え果て、真っ黒で硬くなっています。

■ 2008年06月07日 撮影

春です。粘菌たちも暖かさと湿度で元気いっぱい。活発に活動を開始しています。
コチラは朽木の上に乗った、まだ胞子を飛ばす準備段階の若い子実体。可愛い♪
ちなみにこの木は公園の遊歩道の階段です。私達の足元にも命が有ります。
気付かず通り過ぎればそこまで。気付いた時は愛でてやって下さい・・・。

■ 2009年11月14日 撮影

帰り際にいつもアミタケが良く出る松林を訪れるも不発に終わりました。
そこで見付けた小さな粘菌。こんなに寒いのにまだ活動をしているとは・・・。
でも12月に見た事も有りますし、活動は気温の低い時期がメインなのかも。

■ 2010年06月19日 撮影

やっぱりマツの朽木がお好きなようで。白い蝋のようなのも別の粘菌のようです。
本種の子実体は粘菌でも清潔感が有ると言うか、粘り気が少ないので嬉しい。

■ 2017年11月04日 撮影

かなり成熟してはいるけど完全には熟し切ってない、そんな子嚢体を発見です。
まだ若い時の表面の質感が残っている良い感じの雰囲気。これは突かねば!


■ 2017年11月04日 撮影

落枝で突いてみると内部はペースト状で、美しい紫色をしていました。
橙赤色の原形質が褐色になる前の中間の段階の色合いが紫なのでしょう。
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