■Marasmius maximus (オオホウライタケ)

■ 2020年06月13日 撮影

今まで幾度となく見ているし、結構大きくて見応えある種なのに、なぜかスルーしがち。 なので反省してしっかり撮ってみました。 初夏から秋にかけて各種林内地上に群生するホウライタケ属の「大蓬莱茸」です。 腐植生のため広葉樹林の他にササ林などにも発生します。 和名の通りホウライタケだなって外見のまま巨大化したような種ですね。

比較的外見の良く似た種にモリノカレバタケ属のワサビカレバタケが存在します。 傘の放射状の溝や全体的な雰囲気が本種に良く似ています。 しかし属が違うため差異は大きく、見分けるのは簡単です。 ワサビカレバタケは傘の中央が凹む他、傘の色や質感、柄の基部が肥大するなど全く異なる特徴を持ちます。


■ 2020年06月13日 撮影

やはり特徴的なのは傘です。キノコ屋さんなら「ホウライタケっぽい」で通じるのではないでしょうか?


■ 2020年06月13日 撮影

傘は比較的大型で、調子が良いと10cm近くまで巨大化します。 色はなめし革色と表現される濃い目のクリーム色で、乾くと白っぽくなります。 傘中央部だけは褐色が強いです。 またホウライタケ属らしい放射状の溝が傘の中央付近を除き広い範囲に走っています。


■ 2020年06月13日 撮影

裏返してみました。傘の大きさのワリには柄が細いのが印象的です。 柄は傘と同色〜やや濃い目で繊維状。見た目に反して結構強靭で、大きな傘をしっかり支えています。


■ 2020年06月13日 撮影

ひだを拡大してみました。これまた傘の大きさのワリにひだの枚数が少なくて、スカスカの疎です。 色も傘より薄いですが、かさひだ共に厚み的にも薄く、極限まで軽量化されたような厚みですね。 そもそも傘表面の溝イコールひだのある場所ですからね。 大きく成長した傘だとこのようにひだとひだの間に連絡脈のなり損ないのようなしわが見られます。

毒は無いようなのですが全体的に革質で、傘は軟らかすぎ柄は硬すぎで明らかに食不適です。 香りを嗅いでも典型的なキノコ臭で、味もあまり無いようです。 ただ味が温和なので、ピリッとした辛味のあるワサビカレバタケとの区別には役立つかと。

■ 2009年07月03日 撮影

山間のクリの樹下に数株発生していた、サイト初掲載の子実体です。 これ以前にも何度も見たのですが、傘が薄く傷みやすいので良い写真が撮れていませんでした。

■ 2015年06月20日 撮影

ウチの近所を走る林道脇の落葉が良く捨てられている場所に大群生していました。 傘が薄く傷みやすいキノコなので綺麗な子実体を見れたのは久々かも知れません。 地面を見ても分かるように図鑑通りのササ藪です。ホントに出るんですね。


■ 2015年06月20日 撮影

ひっくり返してみました。乾燥気味なので透明感が無く白っぽくなってます。 本種はひだの疎っぷりが特徴ですが、ひだの間のしわも中々に特徴的ですね。 ホウライタケの仲間に共通したことですが、ひだに統一感が無いですねぇ。

■ 2020年06月13日 撮影

この日は植物寄生菌類メインの探索でしたが、初っ端からコレが見れたのでTOP写真差し替えです。 以前からあまり良い写真が撮れていなかったのは引っかかっていたので良い機会でした。 適度に雨が降って湿っていたのも良いですね。


■ 2020年06月13日 撮影

傘に黒点みたいなのがありますが、これゴミでも画像編集ミスでもありません。です。 本種は傘にほとんど厚みが無くペラッペラなので穴が開くとこんな感じでブラックホールみたいになります。 穴の周囲に厚みが全く感じられないのは凄いと思います。


■ 2020年06月13日 撮影

これだけ透けるほど薄い傘とひだでこの形状をしっかり維持しているのは凄いですね。 それだけ肉そのものは強靭であると言う証拠です。 日光の透過が美しかったので見上げるようにパシャリ。
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