★Mycena sp. (アリノトモシビタケ)

■ 2021年05月28日 撮影

仕事帰りにムラムラして来て帰宅と同時に着替えて出発。撮影に向かいました。 以前撮影したものがどれもTOP写真向きではないと感じていたので撮影リベンジでした。 シイトモと同じ時期か、やや遅れて広葉樹落葉上等に発生する極めて小さな発光キノコ「蟻の灯火茸」です。 他の場所でもそうだと聞いていましたが、この場所のものはほとんどがスダシイの花序からの発生でした。 発光は比較的強いのですが、とにかく小さいため発見と撮影が困難です。

掲載段階ではあくまで「仮称」であり、しかもこの名で呼ばれている種には複数種が混在していると考えられます。 現状では発光する極小キノコを全てアリノトモシビタケと呼んでいると言うのが実状。今後の進展に期待したいです。 今回掲載した種が初期からこの仮称で呼ばれていた種だと思われます。 より平らに開く、柄が短い、柄に粘性がある、など別種らしき小型発光菌も多数確認されています。


■ 2021年05月28日 撮影

※オンマウスで変化します

上の写真はなんちゃって二重露光と言って、この2枚を合成して二重露光っぽくした合成写真です。 ほとんど同じ感じの写真が出来上がるので、現地での撮影時間が短縮でき、私は多用しています。 子実体の形状等は過去にしっかり撮っているのでソチラでご説明します。 本種の最大の特徴は極めて小型であることと、傘のみが光ることです。

小さすぎて食用価値無しです。食えたモンじゃない。 仮に毒があったとしても中毒を起こす量を集めるのはムリなんじゃないですかね?

■ 2018年06月02日 撮影

実は以前からこの場所に発生することは知っており、見てもいました。 事実、この日の観察会で撮影には成功していました。 しかしこの際は自力発見ではなく、また時間に限りがあり、 さらに他の愛好家さんも居られたのでじっくり撮影できませんでした。 ISO感度を上げれば短時間で撮影できましが、やはり長時間露光撮影したかったなぁ・・・。


■ 2018年06月23日 撮影

本種はネイチャーテクニカラー様の「光るキノコのマグネット」にもラインナップされています。 しかしマグネットは全体が蓄光素材なので全体が光りますが、本種は傘しか光りません。 柄にも発光性があるかも知れませんが、少なくとも肉眼はおろか長時間露光でも捉えられないのは確かです。


■ 2018年06月23日 撮影

※オンマウスで変化します

あまり大発生する種ではないようで、長時間探しても3個体しか発見できませんでした。 本種が生えるであろうスダジイの花序は地面にいっぱい落ちているのですが・・・分解能力が低いのかな? 花序なんて葉や枝に比べるとずっと分解しやすそうですし、そう言うモノしか栄養源にできないのかも。

■ 2018年06月23日 撮影

3週間前にも見てはいましたが諸事情で満足に撮影ができず、加えて自力で見付けたくてリベンジ! この日ようやく自力発見と発光の撮影ができました。


■ 2018年06月23日 撮影

時期的にやや遅かったようで、明らかに老成していました。 しかし傘の形状は非常に良く、本種の本来の傘の条線が分かりやすい子実体でした。 これでも傘の直径は1.5mm。どんだけ小さいんだよオマエ。


■ 2018年06月23日 撮影

傘の直前で柄が曲がりくねっているせいで裏側の撮影は苦労しました。 傘がしっかり形成されているので当然ひだもしっかりと出来ていますね。 欲を言えばもう少し新しい状態で出会いたかったですね。


■ 2018年06月23日 撮影

ここからは暗所での発光の様子です。 通常撮影とバルブ撮影を行い、2枚を画像編集で重ね合わせたなんちゃって二重露光です。 普通に二重露光しても良いんですが、光量の調節が難しいですからね。 この角度だと柄は全く光っておらず、傘だけが明るく光っているのが分かりやすいです。


■ 2018年06月23日 撮影

※オンマウスで変化します

オンマウスで変化するようにしてみました。 しかしこの日は見付かったのはこの子実体を含めて3つだけ。 採取はすべきではないと判断し、その場を後にしました。

■ 2020年06月19日 撮影

緊急事態宣言が解除され、青fungi氏と久し振りに行ったキノコ狩りオフ夜の部の主役。 シイノトモシビタケはあまり出ていませんでしたが、本種はある程度数が見られました。 ホントにコロナ禍、何とかして欲しいですねぇ!


■ 2020年06月19日 撮影

シイノトモシビタケは目が暗闇に慣れていなくても目視できますが、本種はムリ。 傘の直径が1mmほどしかなく、完全に目が慣れないと目に入りません。


■ 2020年06月19日 撮影

子実体は全体的に淡黄褐色で典型的なクヌギタケ系。まぁクヌギタケ属ですしね。 傘は小さく釣鐘形で平には開かず、周囲に傘中央まで届きそうな長い条線があります。 細長い柄を持っており、その小ささゆえかとにかく萎びやすく、寿命が短いのが難点ですね。


■ 2020年06月19日 撮影

何とか撮れた裏側です。ひだは条線部分の裏側に存在するので、ひだは数えられるほどの枚数しかありません。 柄は透明感があり、やや繊維状で表面にはわずかにササクレが見られます。 流石にひだの顕微鏡観察はムリでした・・・。


■ 2020年06月19日 撮影

なんちゃって二重露光で撮影した本種の発光の様子です。 本種は小さいワリには発光が強いようで、目が慣れるとハッキリと光っているのが見えます。 子実体の大きなシイトモのほうが視認しやすいですが、同量の菌体なら本種のほうが明るいかもしれません。 しかし本種は落葉の下敷きになりやすくいので発見が難しいです。 かと言って無理に落ち葉を退かせば子実体を傷付ける・・・悩ましいです。


■ 2020年06月19日 撮影

※オンマウスで変化します

マウスを乗せたり退けたりしてみると分かりやすいですが、本種は傘しか発光しません。 シイノトモシビタケやヤコウタケなどは子実体全体に発光能力がありますが、本種はマジで傘だけ。 そのため傘の小ささも相まって光がただの点になるため発見難易度が高いです。


■ 2020年06月19日 撮影

ここからは帰宅後の撮影です。まずは全体を黒バック撮影。


■ 2020年06月19日 撮影

スダジイの花序から発生している様子が良く分かります。 しかし本種の耐乾燥性の無さには驚かされました。 何度撮影してもブレるので疑問に思っていたら、乾きによってどんどん萎れていたのです。 焦って水に浸したりしましたが、撮影に入るとみるみるうちに乾いてヘタってしまうのです。 そりゃあんだけ高湿度環境に居るワケです。


■ 2020年06月19日 撮影

傘は辛うじて傘の形を保っていると言う感じ。このサイズでは色々と変形しやすいようです。 波打っているのは傘の形成不全で柄と癒着しているためです。 また柄は繊維状なのも乾いてくると良く分かりますね。 ちなみに採取後は2日間ほど光り続けていました。

■ 2021年05月28日 撮影

※オンマウスで変化します

TOP写真を撮影した同日に同じ場所で発見した子実体です。 珍しくスダジイの葉から出ています。 この場所で見付かる本種はそのほとんどが花序からの発生であり、葉から出るのは地味に珍しいです。


■ 2021年05月28日 撮影

なんちゃって二重露光で撮影した1枚。発光は子実体が新鮮なほど強いです。 シイノトモシビタケに負けじと小さいながらも一生懸命にアピってました。Kawaii。
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