★Ophiocordyceps ferruginosa (サビイロクビオレタケ)

■ 2017年07月30日 撮影

2016年の冬虫夏草写真展に1年振りに訪れると・・・まだ居てくれました。
成熟した子実体が撮影できたのでTOPの写真を差し替える事ができました。
主に腐朽材の中で暮らすキアブの幼虫を宿主とする「錆色首折茸」です。
突然発生しなくなる事が有るようですが、この場所ではまだ発生は続きそう。
昨年は未熟個体ばかりでしたが、今回は成熟した子実体が多く見れました。

外見的に良く似た種に色や宿主が異なるムラサキクビオレタケが存在。
こちらは甲虫の幼虫から発生し、色が紫色を帯びるなど違いが多いです。


■ 2017年07月30日 撮影

どろんこさんに掘って頂きました。樹皮を剥がすと宿主が現れました。
本種は基本的に1本だけしか出ないのが普通です。子実体は全体が錆色
オレンジに近いので鮮やかで目立ち、小さくても結構視界に入ってきます。

極めて小型の種であり、口に入れても分からないサイズの食不適ですね。
冬虫夏草ではありますが薬効成分が有るって話は聞いた事が有りません。

■ 2015年07月18日 撮影

初遭遇は2015年。どろんこさん主催の観察会で偶然自分が発見したコレ。
なんとこの当時では県内初発見だったそうで、どろっさん悔しがってました。
ただこの子実体は宿主が小型のためか子実体もひ弱で突き抜けてません。
成熟はしているようで、結実部に突出した子嚢殻の先端が見えています。


■ 2015年07月18日 撮影

どろんこさんが掘ると宿主がすぐに露出。極めて小型のハエ目の幼虫です。
良く見ると根本に小さな子実体が出て来ています。本っ当に小さいですね。

■ 2016年05月15日 撮影

どろんこさんの冬虫夏草写真展オフでまさかの大発見だったんですよね。
ガガンボさんが遅刻した事で先発組に捜索時間ができたのが発見理由。
ボコボコと膨らんだオレンジのつぶが未熟な子嚢殻の先端部分です。


■ 2016年05月15日 撮影

掘り返してみると材の中からぺったんこになったキアブの幼虫が登場!
子実体も宿主も錆色に統一されているので見ててキモチイイです。


■ 2016年05月15日 撮影

帰宅後に綺麗にクリーニングしたものを白バックで撮影してみました。
片方の端のニードル状に尖った頭部はキアブの特徴でもあります。
体の節々から黄色菌糸がハミ出しています。無残な姿ですね・・・。

■ 2016年05月15日 撮影

上の子実体を拡大してみました。これが首折れ形と言うヤツです。
一度伸びたストローマの中ほどに結実部ができるのが特徴ですね。
本来は濃色の子嚢殻が突出しますが、まだ未熟で確認できません。


■ 2016年05月15日 撮影

オマケで撮影中の偶然の一コマ。まぁオマエは心配要らないか・・・。

■ 2016年05月15日 撮影

驚くべきはその発生量!元々本種は森林性の虫草であまり群生はしません。
しかしここでは安定して数十株を確認。材が有る内は安泰のようです。
ただこの投棄された材が朽ち切ってしまったらまた出会うのは大変そう。

■ 2017年07月30日 撮影

一年振りの出会いに感動するのもつかの間。スズメバチに怯えつつ採取開始。
昨年は未熟個体しか得られず子嚢殻や胞子の観察ができませんでしたから。
探していると結実部の大きな子実体を発見した。・・・よし、キミに決めた!


■ 2017年07月30日 撮影

材をピンセットでほじくってみると、浅い場所にすぐ宿主が居てくれました。
しかし栄養を吸われまくってペチャンコ。見る影も無い哀れな姿に・・・。
ハエ目の幼虫は軟質なので、子実体に養分を取られてかなり縮みますね。
ちなみに本種は少数派ではありますが甲虫の幼虫にも感染します。


■ 2017年07月30日 撮影

帰宅後にクリーニングして黒バック撮影。何と言うサイズのアンバランスさ。


■ 2017年07月30日 撮影

結実部をマクロ撮影。乾燥させると胞子の噴出が凄まじいので濡らしています。
柄よりも明るい錆色で、子嚢殻の先端は濃色。ここから胞子が噴出します。


■ 2017年07月30日 撮影

顕微鏡で胞子を観察です。子嚢胞子は糸状で円筒形の二次胞子に分裂。
4つにしか分裂しないムラサキクビオレタケと比べると分裂数が多いです。
またムラサキクビオレタケは二次胞子への分裂自体があまり見られません。

■ 2017年07月30日 撮影

変形菌のホソエノヌカホコリに寄り添うサビイロクビオレタケ。良い雰囲気ですね。
でもこれだけ子嚢殻が少ないとホソエノアカクビオレタケに見えてしまいます。