★Ophiocordyceps purpureostromata (ムラサキクビオレタケ)

■ 2015年08月27日 撮影

どろんこさん主催のブナ林帯探索にガガンボさんと一緒するも凄まじい雨。 大雨洪水警報が発令される中見付かったのは小さな小さな虫草でした。 和名「紫首折茸」。甲虫の幼虫を宿主とする冬虫夏草の一種です。 名前が似たサビイロクビオレタケは主にハエ目の幼虫を宿主とします。

実は発見段階ではその色からアシグロクビオレタケだと思っていました。 しかし帰宅後に結実部の形状に違和感を覚え、胞子観察で判明しました。


■ 2015年08月27日 撮影

ガガンボさんが発見した美しい子実体。雨のせいで撮影が大変でした。 子実体は典型的な首折れ型で柄は淡紫色で老成すると褐色になります。 このため今回は褐色で甲虫生のアシグロと間違ってしまったワケです。

小型で食用価値は無く、薬効成分も特に無いので完全な愛玩用の種。 子実体が美しく、虫草屋さんには安定して人気が有る種と思われます。 冷涼なブナ林帯を好むため、出会うためにはちょっと山を登らないと。

■ 2015年08月27日 撮影

ガガンボさんが見付けたのを掘るワケにはいきません。自力発見しました。 思えばこの先端部が変形した首折れ型はムラサキクビオレそのものですね。


■ 2015年08月27日 撮影

土砂降りの中で傘を持ってもらい、頑張って断面を作成してみました。 まぁそれでも防ぎきれないくらいのとてつもない降雨量だったんですが。 断面には本種の代表的な宿主であるコメツキムシの幼虫が居ました。 実は直前まで手前に生きた宿主が居たのですが、撮影中にそそくさと逃げられてしまいました。


■ 2015年08月27日 撮影

帰宅後にクリーニングした状態です。凄く分かりやすく冬虫夏草ですね。 こうやって見ると確かに柄の基部や先端部が紫色を帯びていますね。


■ 2015年08月27日 撮影

子実体を拡大してみました。この形状が首折れ型と呼ばれるもの。 柄が折れた部分に結実部が形成されてこのような感じになります。


■ 2015年08月27日 撮影

結実部を拡大してみました。子嚢殻は暗紫色でほとんど埋生です。 結実部の組織が明るい色合いなので子嚢殻が非常に目立ちますね。 そして撮影中に光を当てたのが刺激になったのか子嚢胞子が噴出! 結局綺麗に採取できず、乾燥後に胞子観察をする事に。


■ 2015年08月27日 撮影

本種がアシグロではなくムラサキだと判明した理由はこの胞子でした。 この2種は宿主も甲虫で共通ですが、子嚢胞子に決定的な違いが有ります。 それはムラサキは二次胞子に分裂し、アシグロは分裂しないと言う点。 この胞子は子嚢胞子が4つに分裂した二次胞子。これでムラサキ確定です。

■ 2018年09月09日 撮影

久しぶりに出会えました。しかも先端が折れてはいますが状態もかなり良いです。 しかしここ大台ヶ原なんですよね・・・国立公園内なので採取禁止です。 顕微鏡観察したかったんですが涙を呑んでその場を後にしました。


■ 2018年09月09日 撮影

この埋生の子嚢殻!先端がほとんど突出せず濃色の点となって現れるのはまさにムラサキと言う感じ。 断面作成も断面作成くらいはしたかったですが、材を崩すのもNGな気がしたので断念。 まぁ見る機会は今後も有ると思うのでその時で。
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