■Paxillus involutus (ヒダハタケ)

■ 2020年08月01日 撮影

やや不作だった大台ヶ原の帰り道、少雨が響いていましたが湧水近くは無事だった模様。 広葉樹林帯を車で走っていて道端に生えているのを発見しました。むしろコレ良く気付けたな。 和名「襞歯茸」。ひだが独特と言うか、奇妙な波打ち方をするのが和名の由来です。 別にマイナーなキノコじゃないハズなのですが、不思議とあまり出会うことが無い気がします。

近縁なキノコとして同属のムクゲヒダハタケが存在、コチラは種小名も未決定です。 ただ中間的な子実体が多く、惜しいんだけど1つ特徴が欠けていると言う事態が続いています。 現状、典型的なムクゲでない限りは無印の本種とするしか無いかなと言う判断です。


■ 2020年08月01日 撮影

傘は黄褐色で平滑〜周囲のみフェルト状。 ムクゲヒダハタケとされるものは傘が全体的によりモサモサしています。 また傘の周囲は漏斗形に開いても内側に強く巻くのも特徴の1つ。 完全に傘が開いても縁部だけは巻いていた名残りが残ります。


■ 2013年07月06日 撮影

ここは国立公園なので採取は不可。そのため引っこ抜かずに何とかひだを撮影してみました。 最大の特徴は和名の由来にもなっているひだの縮れです。 波打つと言うか、ひだの厚みが部分部分で違うため、乱れたように見えます。 また柄に対してひだが強く垂生する典型的な「カヤタケ型」の子実体を持つのキノコでもあります。 また肉に強い褐変性があり、指で触れるとひだが褐色に変化します。

非常に地味なキノコですが海外では死亡例もある毒キノコとして知られます。 ムスカリンを含むため神経系の症状も現れますが、致命的な症状はまた別。 人によって症状が異なり、重篤な場合は臓器不全を起こして死に至ることも。 溶血性の毒素を持つとされていますが、現在毒性分は不明となっています。

■ 2013年07月06日 撮影

近所で行われたキノコ観察会の帰りに雑木林を車で走っていて道端に生えているのを発見。 今までなぜか亜高山帯でばっかり見てたので意外な出会いでした。


■ 2013年07月06日 撮影

裏返してみました。この何とも言えない統一感の無いひだはヒダハタケ属ならではと言いますか。 ひだ1枚1枚が波打っているのが和名の由来。同属内でも同様の特徴が見られます。 ひだも柄も黄色ですが、折れた柄を見ると肉に褐変性があるのが分かります。

■ 2013年09月07日 撮影

最初見た時はムクゲヒダハタケだと思ってたんですが、どうも怪しいですね。 確かに傘の周囲の毛はそれっぽいんですが、ムクゲはこんなレベルじゃない。 何より周囲にあるのがどう見ても無印のヒダハタケだったんですよね。 無印のヒダハタケも傘縁部には毛があるとされているので、流石にコレをムクゲとするには・・・。


■ 2013年09月07日 撮影

以前大台ヶ原でも見ましたが、ここは富士山なので亜高山帯だとこんな見た目なのかな? 低地で見るものはより黄色が強く、傘も平滑ですが、個体差レベルと言えなくもないです。 明らかにムクゲだと思える子実体に出会わないと何とも言えませんね。 一応周囲に長軟毛は確認できますが、傘の中央部分には全然生えていません。 毛の量も個体差がかなりあるようなので、よっぽど顕著じゃないと判断基準としては弱いかな?


■ 2013年09月07日 撮影

裏返してみました。ひだの柄に対する垂生具合は実に本種らしいと言いますか。 それにしてもナメクジさんの力強さは本当に恐れ入ります。 でも齧られた部分が見事に褐色に変化しているので、撮影的には助かりました。

■ 2013年09月07日 撮影

上の子実体のすぐ近くにあったもの。これは典型的な無印ですね。 どうも傘周辺の毛は脱落しやすいようです。

■ 2013年09月07日 撮影

傘の反り具合とこの独特な褐色の色ムラは本種らしい特徴だと思います。 かなり老成しており、毛が脱落して傘は全体的にツルツルになっていました。 あと気付いたんですが、傘が褐変しても傘周囲は淡色のままみたいですね。
■図鑑TOPへ戻る