■Phallus impudicus (スッポンタケ)

■ 2013年11月13日 撮影

キノコ最盛期を過ぎた11月。ドクササコ探して歩いていて出会いました。
竹林の斜面に生えるのはなんとあの「鼈茸」です!文字潰れてるよ。
初夏に出るキノコですし、まさか気温の下がる11月に見るとは思わなんだ。
以前見付けた写真が色合いが変に写ってしまったのでリベンジ成功です。

タケリタケとベスト・オブ・卑猥を長年争っているお方ですね。
もうそのまんま表現したいので伏字とか使わずストレートに行きますよ。

基部には白い大型の卵が有り、それを破って傘と柄が伸長します。
卵の中で完成した組織が伸びるだけなので正確には「成長」ではないです。
柄は白色で内部は中空、発泡スチロール状で、これが伸びる秘訣ですね。


■ 2013年11月13日 撮影

傘は円錐形で表面には網目が有り、その凹みに暗緑色のグレバを持ちます。
胞子を含む粘液で果実のような香りを放ち、昆虫に胞子を運んでもらいます。
傘の先端は白い柄が貫通して穴が空き、この様子がスッポンの口に見えますね。

どうみてもチンコです本当にありがとうございました。完全に男根ですよ。
お世辞にもどうにも言えません。基部には玉袋、睾丸ですよ睾丸。酷いよね。
そもそも学名の「Phallus impudicus」が「恥知らずなペニス」の意味ですし。
ちなみに命名者名の「L.」は「分類学の父」こと「カール・フォン・リンネ」です。
うーん発想に国境も学力も関係無いんだなぁと本種を見て思いますね・・・。
同じ卑猥な属名のキヌガサタケとのこの扱いの差には書いていて悲しくなります。

とまぁ酷い扱いですが本種は立派な食菌であり、中華料理に使われています。
グレバ部分は臭いがするので付着させないように取り去り乾燥させます。
湯で戻せば中華スープの具材として大活躍。我が国ではマイナーですけど。

■ 2013年11月13日 撮影

手前は卵、奥は老菌です。最初と最後が一枚に収まった写真が撮れました。
幼菌の内部は伸びる前の組織がゼリー状の厚い層で包まれています。
やがて卵を破って柄が伸びて行きます。すでに先端が浮き出ていますね。
老菌を見ると分かりますが、グレバを蓄えていた傘は白色なんですよ。

■ 2012年11月07日 撮影

初めて発見したのは杉林でした。でも周囲にタケとササが有りましたね。
まだ出て来たばかりなのでグレバもほぼ全て残っており、柄も短いです。
それにしても卵のシワが何か口にしたくないモノを連想させます・・・。

■ 2013年10月27日 撮影

ガガンボさんとの芦生原生林でのキノコ観察会OFFで冒頭に見付けた子実体。
歩いていたら臭いで姿を見る前に気付きました。ハエさん達大興奮です。

■ 2013年11月16日 撮影

これは正しくベストショット!竹林内で立派な双子(♂)を発見しました。
左の子実体はしっかりと柄を伸ばし、右はまだ卵を破って出て来たばかり。
卵の内部が組織を守るためのゼリー状なのがこの写真では良く分かります。
中々に芳しい香りをお放ちになっておられ、すでにハエが集っていました。

■ 2013年11月16日 撮影

すぐ脇に卵が沢山。一斉に出れば壮観であったろうに・・・。

■ 2013年11月16日 撮影

綺麗に笹の葉を被っていて臭いが無ければ気付けなかったかも知れません。
ハエはこの子実体に気付いていないようで、代わりにアリがわんさか!
これだけ集まっていると言う事は彼らにとっては美味しいのでしょうか。

■ 2014年10月18日 撮影

乾燥のせいで大不作だった観察会。辛うじて見付かったのはスッポンの卵。
半分に割ると外側にゼラチン質、内部に伸長前の柄とグレバが見えます。
この後一気に水分を吸った柄が一気に伸び、見慣れたあの卑猥な姿に。
驚いたのがこの段階ではグレバはちゃんと有るのに不快臭が無い事です。

■ 2014年10月26日 撮影

近所の竹やぶを通る道沿いで大群生を発見してマークしていました。
休日に訪れてみると何株かは成長していました。これは丁度割れたトコ。
表面が破れて内部のゼラチン質が見えています。傘は更にこの下。

■ 2014年10月26日 撮影

1株だけ伸長していました。いやぁ臭いね!周囲に悪臭が漂ってます。


■ 2014年10月26日 撮影

こんな感じです。しかも卵がどれも大きい!普段よりも1.5〜2倍のサイズです。
ちなみに写真の右下にチラッと見えてるのが例の1株です。1本でこの臭さとは。
■図鑑TOPへ戻る