■Phylloporus bellus (キヒダタケ)

■ 2007年09月22日 撮影

公園のシイカシ入り交じるブナ科広葉樹下の苔生した斜面に毎年決まって発生します。 裏面からまず撮影したくなっちゃう黄色いひだが特徴的なその名も「黄襞茸」です。 実はこう見えて驚きのイグチ科!管孔じゃないのに不思議です。 頻繁に出会っているのですが上からが地味すぎて最初に撮影モチベが減る現象に名前を付けたい。

古くからキヒダタケとされていた種には複数種存在することが知られています。 変種のイロガワリキヒダタケや別種のミヤマキヒダタケ、等々。 他にも柄や傘の色調などで不明種が多数存在しています。 中には個体差レベルの同種も含まれているでしょうけど。


■ 2007年09月22日 撮影

傘は灰褐色でややビロード状なのが特徴的です。 最初は平らな傘ですが、成長するとこのように逆円錐形〜漏斗形になります。 この際、黄色いひだが真横からもハッキリ見えるほど垂生します。 この角度から見てもひだが見えているのが逆に凄いですわ。

これは結構有名ですが、本種は毒キノコです。胃腸系の中毒を起こします。 毒はそんなに強くはないようですが、見付けても食べないで下さい。 ただ古い図鑑では食とされているものが多いんですよね。体質にもよるのかな?

■ 2007年09月01日 撮影

この公園では安定して毎年のように目にしています。 心なしか斜面を好む性質があるような気がしますね。 ナメクジに齧られている辺り、彼らには美味しいのでしょう。


■ 2007年09月01日 撮影

多少傘中央が凹んでいるとは言え、この凄まじい垂生具合は本種くらいのものかも知れません。 真横から見るとその顕著な垂生具合が良く分かります。 こんな立派なひだを持っていてイグチ科に属するのは流石に意味不明ですね。 ただたまに先祖返りするのか、ひだの部分的に管孔状になる子実体もあるようです。 またひだには古くなるとこのように褐色のシミが現れていることが多いですね。

■ 2009年07月05日 撮影

非常に美しい立ち姿の子実体に出会いました。傘の大きさに対する柄の細さに違和感! しかしこの子実体、傘の中央部があまり凹んでいません。 つまりひだを含めた傘の厚みは・・・分厚っ!異様なバランスですねぇ。

■ 2010年07月04日 撮影

何だこの柄の細さ・・・良く支えられるなぁ・・・。 そう言えばこの傘が逆に反ってひだが傘の縁部より外に向くキノコって結構珍しいですよね。 乾燥したヌメリガサ属とかがこんな感じになってたりしますね。

■ 2019年08月24日 撮影

標高の高いブナ林帯で久々に出会いました。 やや小振りで傘の色合いや質感が異なるので別種かと思いましたが保留。 どうも雨が少なくて大きい子実体が出なかっただけの可能性が高いです。


■ 2019年08月24日 撮影

すぐ近くに生えていた子実体です。ブナ林帯に出るものには別種も存在するようですね。 青変性も無いようですし、イロガワリキヒダタケってワケでもなさそうです。 キヒダタケ系統は今度からもっとしっかり観察しないとダメかも知れませんね。

■ 2020年06月27日 撮影

地元公園にちょっと早めのセミタケ探しに行って来ましたが、結果は見事惨敗。 しかし比較的綺麗なキヒダが見れたので、しっかりと撮影してみることに。


■ 2020年06月27日 撮影

やはり上から見ると本種はワリと普通です。表面はビロード状で、キノコっぽい褐色。 本種は傘の縁部が薄いので傘表皮とひだとの境界がハッキリしています。 何か左の子実体にデジャブを感じましたが、アワタケなんかがこんな傘の反り方したりしますよね。


■ 2020年06月27日 撮影

まさに黄色いひだのキノコですね。 ひだが柄に対して強く垂生することで鮮やかな黄色いひだが強調されます。 これを見ていて思いましたが、今までの子実体も部分的に褐変していることが多いですね。


■ 2020年06月27日 撮影

本種がイグチ科なのだなと感じられる一枚。注目すべきはひだとひだの間です。 良く見るとひだは綺麗な1枚ではなく、無数の連絡が見られます。 まぁひだに連絡を持つ種は沢山ありますが、本種に限っては管孔の名残りでしょう。


■ 2020年06月27日 撮影

イロガワリキヒダタケとされるものがナニモノなのかが分からないので自分なりの判断基準です。 本種は指で強く傷付けてもほとんど青変しません。 「ほとんど」としたのは若干青くなっている気がするからです。 多少でも青変するものはイロガワリキヒダタケとしたい気もしますが、そこに疑問があります。 と言うのも強烈に青変する子実体が確認されていることです。 長時間放置しても濃くなりませんし、無印にもわずかに青変性があると考えておきます。
■図鑑TOPへ戻る