■Pluteus thomsonii (カサヒダタケ)

■ 2017年06月11日 撮影

初発見は地元の里山。普段通る道の側溝に引っかかった広葉樹の落枝に生えてました。 その段階では都道府県での初発見だったようですが、その後次々と報告が。 別の場所でキレイな子実体を発見したので久し振りにTOP写真差し替えです。 広葉樹の腐朽材に発生するやや珍しいウラベニガサの仲間「笠襞茸」です。 結構フィールドを歩いていても滅多に出会えないキノコですね。

ウラベニガサ属菌の中では珍しい部類に入ります。 ヒョウモンウラベニガサとレア度で言えば同レベルでしょうか? いや、本種のほうが若干下かな?


■ 2017年06月11日 撮影

傘は暗褐色で全体的な形状もウラベニガサの仲間っぽさがありますね。 ですが本種には珍妙な特徴が。なんと和名の通り傘にひだがあるのです。 ひだと言ってもどちらかと言うと「シワ」。周囲にかすかに条線もあります。


■ 2017年06月11日 撮影

裏側です。ひだは最初灰褐色ですが、ウラベニガサ科らしく肉色を帯びます。 柄は細く繊維状の模様があり、表面が少し粉を噴いたように見えるのも特徴。 ただ子実体全体が褐色系なので、ひだの赤みは分かりづらいですけど。

比較的発生の少ない菌で研究も進んでおらず、現在は食毒不明のようです。 ただ上でも書きましたが、本種は本当に珍しい菌なのでそっとしとしておいてあげましょう。

■ 2012年09月20日 撮影

実はこの撮影の直後大きな台風が来て、この小さい朽木は完全に消失しました。 周囲には同じような落枝は沢山あるので、どこかに移っていれば良いのですが。


■ 2012年09月20日 撮影

こうして見るとひだには透明感が有り、表面は微毛状なのが分かります。 アミガサタケの子実層に似ていますが、本種には胞子を作る力はありません。

■ 2014年06月21日 撮影

今年も生えていましたが・・・材が大雨で流れてしまって数が激減。心配です。

■ 2015年08月09日 撮影

これ実は過去にガガンボさんにSkypeで写真クイズを出されてたので即分かりました。 一見すると朽木にアミガサタケ?みたいな感じですが、これカサヒダです。 本種は幼菌の時はこんな感じの傘で、全然ハラタケ型菌に見えないのです。 ミニアミガサタケみたいで凄い好きなんですよねこの状態。


■ 2015年08月09日 撮影

少し離れて撮るとこんな感じで違和感が尋常じゃないですね。新鮮です。 周囲にはアラゲコベニチャワンタケの仲間の子嚢菌類がいっぱい生えていて、騒がしい一枚になりましたね。

■ 2015年08月09日 撮影

ちゃんと傘が開いた子実体もありましたよ。ちょっと古いみたいですけど。 以前見付けた場所が大水で流れてしまったので、この発見は嬉しいですね。 ただ最近はチョコチョコと発見報告が上がってきているみたいです、ホッ。

■ 2022年09月04日 撮影

2017年に見て以来、実に5年振りの再会となりました。 しかも今まで何度も何度も通っていた林道脇の廃棄されたシイタケの古いホダ木から発生していました。 最早ホダ木と判別することすら困難なくらい朽ち果ててますけどね。


■ 2022年09月04日 撮影

かなり暗い森の中かつ傘が開き切った後だったので傘の色が淡いですね。 ただここまで傘が開くと傘のシワが目立たなくなり、同時に傘の周囲に条線が強く浮き出します。 繊維状の表皮を持つ種では分かりづらいですが、 本属菌は傘が薄いのでこのような条線が見える種が多いですからね。


■ 2022年09月04日 撮影

すぐ近くに小さな子実体があったので、ひだを撮影するためにひっくり返してみました。 子実体の色が濃いと全然見えないんですが、淡色の子実体だとひだの赤みが分かりやすいです。 胞子紋を取れば簡単に見れるんですけどね。

■ 2023年07月02日 撮影

突発の冬虫夏草オフにて偶然見付けたのでパシャリ。 私がこれを撮影していると同じ材の裏側にヒメクチキタンポタケが発生しているのをめたこるじぃ氏が発見。 同じ方向に出ていてくれれば良い感じのツーショットが撮れたのですが・・・。
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