■Pseudocolus schellenbergiae (サンコタケ)

■ 2016年10月02日 撮影

時間的にはギリギリセーフ。お昼には萎れてしまう時間制限付きのキノコです。 和名は「三鈷茸」。「三鈷」でググればその名前の由来が分かるかと思います。 初夏から秋にかけて様々な地上に発生し、竹林や雑木林等環境も様々です。 幼菌は白い卵型で、朝になると頂部が裂けて赤色の3本の腕を伸ばします。

基本的には赤色ですが、オレンジ色〜黄色の淡い色合いのタイプも存在します。


■ 2016年10月02日 撮影

先端はこんな感じ。基本的には3本ですが、この個体のようにそれ以上の事も。 内側に褐色の光る物が見えますね。これはグレバと呼ばれる胞子を含む粘液。 これが特有の臭気を放って虫をおびき寄せ、胞子を運ばせます。賢いですねぇ。 ただ本種の臭いはこの手のキノコの中でも「極度の悪臭」と表現されるレベル。 私も勇気を持ってクンクンしてみましたが、リアルに「オエッ」となりましたね!

肉質は軟らかいですが、とても食えるようなキノコじゃない。香り的な意味で。 吐き気をもよおすほどの悪臭です。手に取る事すら遠慮したいですね・・・。

■ 2010年07月04日 撮影

初めて発見したのは地元の自然公園でした。あの臭いは衝撃的だったなぁ・・・。

■ 2010年07月04日 撮影

幼菌から胞子を飛ばしきった個体まで、様々な段階の個体を見る事ができました。 ただ梅雨時に出るキノコは湿り気が有る場所を好むので、薄暗く撮影が難しいです。

■ 2013年11月09日 撮影

水分が多く蒸し暑い時期を好む悪臭持ちの腹菌類ですが、何と11月にも? まさか肌寒いこの時期にも出るとは・・・もうハエもあまり居ませんよ? 流石に舐めに来るハエも少ないようで、綺麗な子実体を見る事はできました。

■ 2014年07月05日 撮影

近所に生えていたので久々にその臭いをば嗅ぎ嗅ぎウッ・・・オエエエエ! ハエさんが集っているのも納得ですわ。この臭さは悪名高きサンコタケ!

■ 2014年07月20日 撮影

京都御苑にて大群生に出会いました。左下にも卵がチラッと写っていますね。 周囲は壮絶な臭気に包まれて掃除してない公衆便所の様相を呈してました。 実際には運動場が有るだけでトイレは無いんですがね。それにしても凄まじい。 でもいざ写真にすると凄く珍妙で美しいフォルムしているんですよね・・・。

■ 2014年07月20日 撮影

最初はアカイカタケかと思いました。単に群生しているだけのサンコです。 本種は老成すると先端部の癒着が解けてこんな感じになってる事が有ります。

■ 2016年09月25日 撮影

富士山で初めて出会えた念願の黄色型サンコタケです!超臭かったです。 図鑑では見るものの地元で見付かるのはどれもこれも赤色タイプばっかし。 実在するの?と疑っていてすみません。有りました。臭いのは一緒ですが。


■ 2016年09月25日 撮影

拡大してみると違いは托の色くらい。形状も臭気もさして違いは有りません。 ちなみにこの数日後に地元でも発見しました。一体何だったんだろうか・・・。 ただその場所も標高が高い場所なので、低温を好むとか有るのかな?

■ 2016年09月25日 撮影

地元でも発見、黄色型!ここも標高の高い場所での発見です。やっぱ暑さが苦手なのかな? グレバはほぼほぼ消失していましたが、それでも周囲に漂う臭気、流石です。

■ 2023年09月09日 撮影

久し振りの黄色型はまたも富士山!実に7年振りの再会となりました。 天気は生憎の雨模様でしたが、お陰でガスが良い感じに立ち込めていてエモかったです。


■ 2023年09月09日 撮影

良く見ると分岐が4本ですが、稀に良くあるので気にしません。 と言うかこのページを見ていて勘違いされそうなのですが、黄色型は珍しいんですよ。 黄色型は冷涼な場所で多く見られ、低緯度地域の低地では基本的に赤色型なんです。 ただ赤色型は見付けてもスルーしてしまう傾向があるので、今度見付けたらしっかり撮らないと。
■図鑑TOPへ戻る