■Resupinatus trichotis (クロゲシジミタケ)

■ 2018年10月07日 撮影

大台ヶ原で発見した見慣れない小さな小さなヒラタケ型のキノコ。 広葉樹材に発生する和名「黒毛蜆茸」です。 発生もやや珍しいようで、加えて子実体が小型で目立たないため発見難易度はやや高め? ちなみに属名の「resupinatus」は「上下転倒の」の意味で背着生であることを指します。 子実体の形状に由来した属名ですね。

同属菌に外見の良く似たシジミタケが存在します。 パッと見は良く似ていますが、傘の付け根部分を見ることで見分けることは可能です。


■ 2018年10月07日 撮影

2つの傘が重なっている部分を拡大してみました。 子実体が若い頃は傘の縁部が灰色だったりしますが、成熟するとこのように全体的に暗灰色になります。 かなり暗い色合いのため大きさも相まって遠目では全然気付けません。傘の周囲にはしわ状の条線があります。 最大の特徴は傘の基部に暗褐色の短毛が密生していること。まさにこれが和名の由来ですね。 無印のシジミタケは傘全体に灰色の毛に覆われている点で異なります。


■ 2018年10月07日 撮影

これ道沿いの落枝に生えていたので裏側もちゃんと撮ることができました。 何か凄く良い雰囲気に撮れたので縦構図でパシャリ。 幼菌の頃は整った形状ですが、大きく成長すると傘の縁部が乱れます。


■ 2018年10月07日 撮影

ひだは疎で一枚一枚は厚く、小ひだあり。ひだまで暗色なのは新鮮かも知れません。 こうやって光に透かして見ると肉がやや褐色っぽいのが分かりますね。

非常に小型であり、毒性はないようですが食用価値無しです。 この小ささと傘の薄さではボリューム感がありませんし、そもそも真っ黒なので見た目的にも魅力なしです。 ただ小柄な子実体に特徴が詰め込まれているので観察は楽しいですよ。愛でてやって下さい。

■ 2018年10月07日 撮影

典型的な背着生の子実体です。比較的大きい子実体でしょうか。 傘の毛は湿時だとこのように傘に貼り付いてあまりボサボサしていません。 和名はシジミに似ているから付いた名前でしょうが、放射状の条線があるせいであまり貝っぽくありません。

■ 2018年10月07日 撮影

幼菌を発見。何か笑える形状ですね。この段階からすでに基部に毛が生えています。 この段階だと確かにシジミっぽいかな?

■ 2018年10月07日 撮影

背着生の子実体を下から見上げてみました。 柄が傘の上方向に伸びているため、ひだのスタート地点が裏側に来ています。 本来下にあるはずの柄が反対側に伸びてもmひだはちゃんと形成されるのが背着生の面白さ。
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