■Retiboletus nigerrimus (モエギアミアシイグチ)

■ 2007年09月29日 撮影

林の中で明らかに不自然な黒っぽい大型イグチを発見。あまり見ない雰囲気です。 黒っぽい傘を持つイグチ自体がそんなに多くはないですからね。 和名は「萌黄網脚猪口」。ちなみに萌黄色はディスプレイ的には「■ #aacf53」ですね。 同じ発音でも萌葱色「■ #006d4d」ではないので注意。 夏から秋にかけてアカマツ混生林地上に発生するやや稀なイグチです。

以前はニガイグチ属でしたが、現在は新設されたキアミアシイグチ属となっています。 クロアワタケなんかもこの属になっていますね。ひょっとすると外見が似たミカワクロアミアシイグチも・・・?


■ 2007年09月29日 撮影

裏面はこのような状態。非常に珍しい特徴を幾つも持っています。 まず柄ですが、若干緑色を帯びます。そして表面には明確な黒い網目模様! 柄に黒い網目を持つイグチは数種ありますが、緑色がかかる種は本種のみです。 また管孔がピンク色を帯びます。この個体ではまだイマイチ特徴出てないかな?


■ 2007年09月29日 撮影

ニオイを嗅ぐついでに手でパッキリ割ってみた。香りは普通。不快じゃない。 肉は灰白色ですが、空気に触れると緩やかに灰黒色に変化します。 表面からは想像も付かない肉の色ですが、確かに変色が始まっています。

イグチ科では比較的数が少ない毒キノコの1つです。 しかも更に珍しいことに幻覚性の毒!食べると神経に作用するとされています。 柄に網目を持つ食菌と間違わないように!色的に美味しそうではないですが。

■ 2007年07月22日 撮影

周囲の植生を見ると一目瞭然、昨年と全く同じ場所です。違うのは季節だけ。 ちゅうかでかい!いや太い!普通に大きい、俺の手より大きい。 色も全体的に黒いんですが、少し緑がかった感じがまた何とも・・・。 イグチの中では不気味な色合いと言えなくも無いです。


■ 2007年07月22日 撮影

抜かなきゃ良かったど若干後悔。放っておけば大きくなった、かも。 凄い網目です。網目は黒く、網目の隙間は黄色を帯びてます。 図鑑の多くが「紫色を帯びる」と記述していますが、紫っぽくない? どちらかと言うと黒に限りなく黄色に近い黄緑を混ぜた印象を受けます。

■ 2008年09月14日 撮影

雨でかなり傷んでしまっていましたが、大きくて迫力は充分でしたね。 柄が異常に太くて、下地は黄緑なのに網目だけってのが不気味で。

■ 2008年09月14日 撮影

もう一丁。今までの写真ではこの特徴が中々捉えられてなかったので撮影。 右の個体の傘の裏、管孔部分に注目。分かりますか?ピンクっぽく見えるでしょ? これが本種の特徴。本種の管孔は成熟するとこのようにやや赤みを帯びるのです。

■ 2009年08月06日 撮影

今年は不作だった!今まで大発生しか見ていないだけに、ちょっと寂しいかも。 結局発見できたのはこの個体を含めて2株のみ。今年は一休みしてるみたいです。


■ 2009年08月06日 撮影

やはり本種の魅力はこのぶっとい柄でしょう。この迫力は気圧されます。 網目を持たない種が多いニガイグチ属の中では網目が顕著に出る種ですね。 今年の異常気象に負けてしまったようなので、来年は爆発して欲しいなぁ。 あと変色性が分かる写真が少ないので、今度見付けたら切ってみよう。

■ 2010年07月18日 撮影

今年見れたモエギはこの1個体のみでした。ちょっと時期を外してしまったか? ただ今年は梅雨以降の降雨が少なく、昨年同様キノコにとっては厳しい年でした。 本種は柄が太いためか根元に水滴が染み出していることが多いみたいですね。

■ 2012年09月02日 撮影

毎年多くて5本くらいしか発生しないモエギですが、今年はメチャクチャ頑張った! いつもの場所に行ってみるとそこにはなんと30株超えの大群生が!大興奮ですよ。 昨年は全然見れなかっただけに嬉しかったです。パワー貯めてたのかな?

■ 2012年09月02日 撮影

良い機会なので写真撮りまくりますよ。少し湿ってて傘の黒さが引き立ちます。


■ 2012年09月02日 撮影

裏返してみました。顕著な網目と黄緑色の柄の組み合わせは本種ならではですね。 管孔は白ではなく灰色で指で擦ると写真のようにゆっくり黒変して行きます。 ただ黒くなると言うよりも少し紫色を経由して黒くなって行くように感じます。

■ 2012年09月02日 撮影

これだけ生えていると流石にありがた味が薄れますね・・・贅沢な話ですけど。 個体差かもですが本種は柄が傘近くで急激に細くなる傾向があるように感じます。


■ 2012年09月02日 撮影

裏返してみると良く分かりますが傘の大きさのワリに明らかに柄の上部が細いです。 また本種の管孔は最初は白っぽいですが、時間経過と共に灰紫色になります。 これは単純に老成によって肉の変色性が管孔の色に現れただけだと思われます。


■ 2013年09月13日 撮影

スマホで撮影。昨年ほどではないですがいつもの場所に大発生してました。 手持ちのデジカメより幅広い写真が撮れるので、これはこれで良いですねぇ。

■ 2013年09月13日 撮影

毎年地元の観察会で歩く道なのですが、今年になって初めて出会いました。 今まで幾度となくこの時期歩いているハズなのに・・・持ち込んじゃった? 確かに周囲はシイやカシなどのブナ科樹木が沢山有るし可能性ありますね。


■ 2013年09月13日 撮影

裏返してみました。相変わらずの下膨れ。まぁ可愛いんで良いですけど。 あと本種は柄の基部から暗色の液体が滲み出ていることが多く若干キモい。 大きいから老菌かと思ったけど管孔が白っぽいし意外と若かったようで。

■ 2013年09月22日 撮影

地元で観察会が有ったのですが、珍しく本種が色んな場所で群れていました。 本種も珍しいワリに出るときはドドンと出るので正直良く分かりませんね。

■ 2013年09月22日 撮影

幼菌です。このくらいのサイズだとグロさはあまり無く、愛らしいですね。 ちなみに本種を食べた猛者が居られます。聞くと美味しかったとのこと。 本種は神経毒と書かれていますが、少なくともそれは無いみたいですね。 ただ超美味しいってこともないみたいなので、食べることに関しては自己責任。

■ 2020年09月21日 撮影

ここ最近見ていなかったので久し振りの出会いに歓喜!しかもデケェし。 更新がしばらく無かった間に属が変わっちゃいましたね。 今まで見れていたフィールドが全然出なくなっちゃったので会うのにも一苦労。

■ 2023年10月01日 撮影

冬虫夏草探しを終えて帰る途中で久し振りの遭遇! しかし疲れてしっかり撮影するのを忘れてしまいました。 せっかく幼菌から成菌まで各段階しっかり出てたのに・・・。
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