■Russula aurea (ニシキタケ)

■ 2014年08月16日 撮影

初発見は富士山でした。それ以降もここでしか出会えていません。 アカマツやブナ、ミズナラなどの林に出るとのことですが、ここはコメツガしか無いんですよね。 秋に発生する非常に美しいベニタケ科菌、和名は「錦茸」です。 「錦色」と言う淡色は存在しないので、錦鯉や錦織の意味のように「錦のような美しい色」が由来なのかな? その名に恥じぬ美しさを持つ、赤系ベニタケの中ではやや珍しい種です。

類似種が多く判別の難しい赤系ベニタケの中ではかなり異質なので分かりやすい種だと思います。 傘の色は個体差がありますが、ひだと柄の色の組み合わせは他にはまぁまず無いでしょう。 ちなみに種小名の「aurea」は「黄金色の」の意味のラテン語であり、この色が決め手となります。


■ 2014年08月16日 撮影

傘は赤色→橙色→黄色のグラデーションと言うあまり他のベニタケでは見ない特徴的な色合いです。 全体的に黄色さが目立つので、今までに見たことが無いタイプのベニタケだなと直感的に感じます。 傘の周囲には放射状の粒状線が有ります。いかにもベニタケだなって感じですね。


■ 2014年08月16日 撮影

裏返してみるとビックリ!なんとひだも柄も黄色いではありませんか! 図鑑で見るよりずっと黄色くて、同行していたガガンボ氏と一緒に叫びましたよ。 これが種小名の由来ですね。一気に好きなキノコになりました。

見た目はかなり派手な種ですが、一応食べられます。 しかし流石はベニタケ科菌。肉の組織がボソボソなので食用価値はあまり高くはないでしょう。 本種はその色が最大の魅力。食べるよりも観賞に最適な逸品だと思います。

■ 2014年08月30日 撮影

前回と同じ場所でやたらと目立つオレンジ色の球体を発見。間違い無くヤツです。 もうこの色合いは一度見たら忘れませんよ。


■ 2014年08月30日 撮影

幼菌だけど確認のために裏返しました。黄色いひだ・・・やはりニシキタケでした。 ひだが鮮やかな黄色のベニタケなんて低地ではまず見ないので凄い新鮮ですね。 まだ幼菌なので柄はまだ白いですが、今から黄色に染まるのでしょう。

■ 2020年09月20日 撮影

どろんこ氏との富士山オフでいつもの場所を訪れてみると、個体数は少ないですが居てくれました。 流石は科の中では中型種。かなりの大きさで良く目立ちます。 正直TOP写真にするか迷ったくらいの美しい子実体でした。


■ 2020年09月20日 撮影

撮影のために傘の上に乗っていた枯れ草を退けた跡が残っています。 そう言えば今までは天候が良くて見れていませんでしたが、 今回は登山前に降った雨のおかげで本種の傘が湿時粘性を持つ様子が見られました。 ネバつくほどのものではないですが、貼り付いていた跡が残るくらいにはねっとりしています。 にしても赤と黄色が入り混じった秋の紅葉のような傘の色はまさに「錦」ですね。


■ 2020年09月20日 撮影

そして裏返してみるとしっかり色付いたひだと柄。この色調は他では見れませんね。 本種の柄は下部が太まるのが特徴で、言われてみれば今まで見て来たもの全て太くなっています。 柄は上部が黄色くなっていますが、まだ若いのか全体的には染まっていません。
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