■Russula lepida (ヤブレベニタケ)

■ 2015年07月11日 撮影

赤いベニタケ科キノコは手を出さぬが吉って感じですが、本種は例外かも知れませんね。 森林公園内を探検中に群生を発見しました。赤いので良く目立つ「破紅茸」。 ブナ科広葉樹と菌根を形成し、シイやカシの森で良く見かけます。 和名の通り傘が大きく裂れるのが特徴的で、大抵どこかしら裂けてます。 実はもう一つひだに非常に分かりやすい特徴があり、こっちの特徴のお陰で知名度は高いですね。

キノコ愛好家の中では「赤いベニタケはスルー」とネタで言われる程度には同定が困難ですが、 本種は後述の特徴からワリと同定しやすいので愛らしい色合いも相まって重宝されてる感があります。 ちなみに種小名の「lepida」は大きい図体に似合わず「可愛い」や「楽しい」の意味です。


■ 2015年07月11日 撮影

傘はばら色で微粉状なのが大きな特徴。つやが無く、 この時点で他の赤系ベニタケと違うなってことは一目瞭然。 この質感は「スエード状」とも表現され、一目でこの雰囲気の違いは感じられます。


■ 2015年07月11日 撮影

裏側です。ひだは密でクリーム白色でやや黄土色っぽくなります。 他の赤系ベニタケよりも分かりやすく柄が赤みを帯びるのも大きな特徴だと思います。 部位によって多少濃淡はありますが、柄の上方まで色付くのは判断ポイントですね。


■ 2015年07月11日 撮影

本種最大の特徴はひだが傘の縁部で赤く縁取られること。 傘表皮がひだに引っ張られて伸びて来た感じですかね? このような性質は私の知る限り他の赤系ベニタケには無いので、 これだけで本種としても良いレベルのありがたい特徴と言えます。

一応無毒みたいですが、無味あるいは多少辛味ありの食感ボソボソなので食用価値無しでしょう。 赤いベニタケと言うと一応有毒なドクベニタケがありますが、流石に誤食は無いと思いたいです。

■ 2007年07月22日 撮影

初発見時はこの写真くらいしかマトモな写真を撮影していませんでした。 ただひだの特徴が良く撮れていたので採用です。 ひだの縁が赤く、傘の赤い表皮部分と完全に繋がってるのが分かりますね。 これと柄の赤みとセットで覚えれば完璧。

■ 2007年09月29日 撮影

見えます?後ろ。ホイいっぱい生えてます。やっぱ赤色ってのは見栄え良いですね。 と言うかやっぱ大きく傘が破れてることが多いんですよね。名は体を表すとはこのことか。

■ 2007年10月05日 撮影

本種が1株だけポツンと生えてるって光景は見た事無い気がします。 不思議と1株見付かると大抵周囲に十数株生えているんですよね。 元々大型の種なので、雨でだいぶ傷んでますが、十分な迫力でした。

■ 2009年07月19日 撮影

今年は中々調子が良いようです。発生後の雨天も少なく、傷みもありません。 気のせいなのかも知れませんが、本種は不思議と薄暗い場所が好きなようです。

■ 2010年07月18日 撮影

今年は雨が全然降らず、ベニタケ系のキノコの数が少なかった気がします。 毎年大群生を作る本種も今年は小さな群生をチラホラ見かけた程度でした。 森の中の自然のスポットライト。緑ばかりの中に赤があると映えますね。 傘が綺麗で裏側撮りたかったんですが、1株だけなのでそっとしておきました。

■ 2012年09月16日 撮影

初めて発見したポイントですが、ここ数年ずっと発生していませんでした。 が、急に復活!この画像の縮小サイズでも分かるほどひだの縁が赤いのは流石と言うか。 あと奥の方に見える個体群がヤブレベニタケの名に恥じぬ傘の破れっぷりでしたね。

■ 2013年07月06日 撮影

ここほんの少し前までこの斜面至る所に本種が生えててキモかったです。 毎年見るんですがココの個体は色が濃く、古い物だと濃い赤紫色になってます。 多くの個体が老成してダメになってましたが、綺麗な個体を見付けたので撮影。 赤色ベニタケ系の中でも本種はこの独特な色合いと柄の赤さですぐ分かります。

■ 2023年07月15日 撮影

毎年のように見てはいたのですが、傷みが激しいので撮影できず、 気が付いたら10年経ってました。これは完全に私のミスですね。 もう少ししっかり綺麗な子実体を探すべきでした。 しかも今年もこれ1枚撮っただけ。せめてTOP差し替えを意識しろと・・・。
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