■Russula senis (オキナクサハツ)

■ 2012年07月22日 撮影

公園の隅、植え込みの裏側に大群生を作っていました。 和名にもあるように雰囲気はクサハツに似ていますが、特徴的の多いキノコなのでまず間違えることはないでしょう。 漢字では「翁臭初」と書き、傘表面の表皮にかなり特徴があります。うん、臭い。 ブナやミズナラなどのブナ科樹木がある場所ならごく普通に見ることのできる種です。

種小名の「senis」はそのまんま「老人の」と言う意味です。つまり学名と和名の意味が一致しています。 何でだろうと思ったら命名者が今井三子氏だったんですね。 南方熊楠氏との交流もあった著名な日本の植物・菌類学者です。


■ 2012年07月22日 撮影

傘は褐色で若い時期は左の子実体のように傘の表面に脳状の模様があります。 このテカリのある表皮は成長とともに徐々に裂けて写真の右の子実体のようにボロボロな見た目になります。 平らに開く頃には傘全体にこの褐色の破片がまばらに散らばります。これは分かりやすい。


■ 2012年07月22日 撮影

裏側はこんな感じ。特徴は柄に細点があることとひだに縁取りがあること。 この特徴は本種特有の物なので、これを覚えておけば同定に役立つと思います。 またその名の通り独特な不快臭があるので、臭いを嗅ぐと良く分かるかもですね。

何となく食えそうですが、味は辛いし何とも言えない不快臭があるしで食えたもんじゃないです。 と言うかソレ以前に胃腸系の中毒を起こす毒キノコですのでニオイとか言ってる場合じゃありません。 でも雰囲気が侘び寂びと言いますか、「和」な感じで個人的には好きなキノコだったり。

■ 2007年07月07日 撮影

始めて発見した近所の公園の苔生した斜面です。 安定して毎年この場所に大群生を作ります。 ありがたいことに車道のすぐ脇なので出会うのが楽で助かります。

■ 2007年07月07日 撮影

良くまぁ形が残っているものだなと感心するほどにズダボロになった老菌です。 元々ボロく見える種なので、雨に打たれるとどうしてもこうなりますね。 でもこの状態でも特徴的な表皮で本種だと分かります。

■ 2008年07月12日 撮影

これが図鑑に良く描いてある幼菌時の傘の脳状のシワです。 この状態だと美味しそうなんですけどねぇ・・・でもそれなりに臭いので心配は要らない? でも実例があるので書いとくに越したことないかな?

■ 2008年08月31日 撮影

国定公園は何かが違いますね。どうしてこんなに傷みが無いんだ? 生えているキノコは同じで雨に多いハズなのに、どの個体も低地より綺麗です。 個人的には気温の低さとキノコを食べる小動物が少なさが原因かな?と思ったり。 綺麗に傘の皮膜が破れて理想的な傘を展開してくれていました。

■ 2009年07月19日 撮影

そう言えばひだの特徴を写してなかったなと思い裏返してみました。 ひだに褐色の縁取りが入るため、汚れている訳ではないのに何か汚らしく見えます。 柄には無数の濃色の細点。なめらかな柄を持つクサハツとの違いです。

■ 2010年09月25日 撮影

開けた場所に数株だけ出ていました。これは可愛いですね。臭いですけど。 今まで見た中でも特に表皮の張り付き具合が綺麗で、和菓子みたいで美味しそうに見えました。 臭いですし毒ですけど

■ 2012年07月16日 撮影

今年やたら色んな場所で見た気がします。当たり年かな?


■ 2012年07月16日 撮影

傘が大きく開くと周囲が大きくひび割れる事が多いんですが、これは綺麗でしたね。 ひだの縁取りも確認しやすい良い裏側の写真が取れて満足。柄の細点もクッキリ見えます。 にしても本当に臭いです。周囲に数株ありましたが周囲が臭うんですよね。

■ 2020年07月05日 撮影

道端にマツタケ?と一瞬思いましたが、傘の周囲にベニタケ属菌らしい粒溝線が見えます。 近付いてみると嗅ぎ覚えのある臭気。これオキナクサハツかよ! どうも乾燥した状態で成長したようで、傘表皮の質感が変わってしまったようです。紛らわしいよ!
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