■Russula viridirubrolimbata (フタイロベニタケ)

■ 2020年07月05日 撮影

2006年にキノコ狩りを初めて以降、訪れなかった年は1回も無い近所の自然公園。 まさか14年も経っていつも通るルートで初見に出会うとは思いませんでした。 夏にブナ科樹木下に発生する大型のベニタケ科菌の「二色紅茸」です。 和名の意味は・・・まぁ傘の配色を見れば一目瞭然かと。 ちなみに種小名がやたらと長いですが、分解してみると意味が分かりますよ。 「viridi(青緑色)」「rubro(赤色)」「limbata(縁取られた)」になります。あっ(察し)。 そのため「viridi-rubrolimbata」と意味を区切っている表記も見られます。

近縁なキノコとしてアイタケヤブレキチャハツが存在します。 実際にこの3種はまるでただの色違いか?と言うほどに外見的特徴が似ています。 中間的な子実体も見られるため、肉眼的な判別が難しい場合もあります。


■ 2020年07月05日 撮影

子実体は典型的な大型ベニタケ、と言うかもはやアイタケそのものって感じです。 大型の傘も、傘の周囲の粒状線も、破片状のひび割れも、肉質の脆さもそのまんま。 ただ決定的に違うのは破片状のひび割れが中心付近で灰青緑色周辺部で暗赤色だと言うことです。 1つの傘の中に色相環的に真逆の2色が存在する、だから「二色」なのです。種小名もまさにコレを指しています。


■ 2020年07月05日 撮影

ちょっとピンボケちゃいましたが、裏側はこれまたアイタケ同様に白色。 ひだも柄も真っ白って感じです。


■ 2020年07月05日 撮影

真上から撮影してみたひだです。分岐も無く整った裏面をしていますね。 持った感じだと見た目の大きさのワリに軽く、肉の密度が低いなって感じがします。 それもそのはず、太いワリに柄は中空になっています。

アイタケやヤブレキチャハツは食菌とされていますが、本種は食毒不明です。 近縁を考えると有毒種である可能性は低いように思えますが、念のため食さないようにして下さい。 アイタケに比べると比較的レアな種のようなので、もし見付けたら愛でてあげて下さい。


■ 2020年07月05日 撮影

オマケでコオロギの幼虫?をアップで・・・ウソです。表皮を拡大してみました。 中心付近を見ればアイタケですが、傘の周囲の破片だけは赤っぽい、不思議なキノコです。 ただアイタケの2Pカラーと言うワケではなく、顕微鏡レベルだと表皮細胞の構造が異なるんですよね。 基本的には中心緑の周囲赤と言う配色ですが、傘全体が赤色の個体も存在します。
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