■Schizophyllum commune (スエヒロタケ)

■ 2007年09月03日 撮影

実は非常に一般的。これアラゲキクラゲが生えてるエノキの朽木の根です。
末広がりの傘だから「末広茸」。そのまんま。比較的普通に見られる菌です。
やや乾いて来ているので、白っぽい毛がビッシリ生えているのが分かります。
表面はやや紫色を帯びた白色で、傘の周囲が掌状に裂けるのが特徴的です。

恐ろしい事に、このキノコが人間の足から生えた事例が有るそうです。ビビりますね。
かなり侵食力が強いらしく、ヒトの肺に巣食い感染症を起こす事も有ります。
図鑑でも前の方、ハラタケ類の場所に載っていますが、一応ヒダナシタケ目に属します。


■ 2007年09月03日 撮影

裏側はこんな感じで、ひだを持っています。ただちょっと雰囲気が違いますね?
そう、ひだが二重になってるんです。空気の乾湿によって2枚が開閉します。
画像は閉じている状態で、二重構造が分かりにくいですね。しかも乱れてます。
柄はほとんど無く、生え際からいきなりひだになっている感じです。

肉は柔らかく食用としている地域も有り、海外でも食べる国が有るそうです。
ただ我が国では本種は基本的に食用価値無しと考えて良いと思います。
また本種は抗がん作用を持つ物質を含んでおり、薬用としても利用されます。

■ 2006年12月15日 撮影

こんな感じで大群生を作っていました。これは雨が降った直後ですね。
午前中のまだ湿っていた時間帯の写真です。紫色っぽいですね。


■ 2006年12月15日 撮影

この写真ではひだの先端の二重構造が良く分かりますね。分かれてるでしょ?
湿っている本種は傘に厚みが有るように見え、とても可愛らしい姿になります。

■ 2007年05月19日 撮影

大雨の直後に偶然立ち寄ったので撮影。水分を吸って何時にも増して元気です。
今までの写真は乾時or湿時なワケですが、この写真の株は生乾きです。しっとり。
少し軟らかさが残った感じです。人間にも生えるキノコとは思えない愛らしさ。
それと名前が好きですね。「末広茸」って。縁起良いじゃない?

■ 2008年12月06日 撮影

ヒダナシタケの仲間でありながら軟質の傘を持つ本種は日持ちが悪いです。
雨の多い時期に繁茂したと思えば、少し季節が進めば朽ちて無くなってしまいます。
この個体群は運良く生き残っていました。本種としてはかなり大型で傘の幅3cm超。

■ 2009年05月24日 撮影

かなり新鮮なスエヒロの幼菌です。表面がモコモコなので汚れが付くんです。
比較的寿命が長いので、昨年の個体が無傷でそのまま残っていたりします。
この個体群は今年発生した新米さんですね。元気に育って頂きたいものですね。
幼菌を見ると根元の構造が分かりますね。・・・最初は椀状なんですね。

■ 2010年03月26日 撮影

民家の近くで見たので思わずビクッとなってしまいました。凄まじい大群生です。
まぁ分布が南極を除く全ての大陸ってキノコなんで不思議でも何でもないですが。
実は前の日に気付いたのですが、カメラを持っていなかったので再訪問です。
前日は雨降りだったのでみずみずしかったのですが、この日は乾燥して真っ白に。


■ 2010年03月26日 撮影

ここまで折り重なるように生えているのを見るのは初めてです。
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